山田萌香に学ぶ、年齢や経験の差を乗り越えるマインドセット方法

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第428回目となる今回は、株式会社シニアジョブ人事部部長兼営業部・山田 萌香さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

なぜ新卒1年目で人事部長に抜擢され、営業まで兼務ができているのか。山田さんが働く上で大切にしている価値観を紐ときます。20代で圧倒的に飛躍し成長したいと考えている方に必見のインタビューです。

負けず嫌いの自分を見つけ挫折を乗り越えた学生時代

ー簡単に自己紹介をお願いします。

スタートアップ企業である株式会社シニアジョブに新卒1期生として入社し、1年目から人事部長として採用および営業を担当しています。事業は50、60代のシニア層に特化した求人を取り扱う転職支援の人材会社です。

ー新卒1年目で営業と人事の兼務は大変ではなかったですか?

最初の頃は人事と営業のどちらに注力すればいいのか迷い大変でしたが、今は慣れどちらも大切だと思えるようになりました。

ーすばらしいですね。どうマインドを切り替えているのか伺っていきたいです。中高はどんな学生だったのですか?

小学校の頃は運動音痴で体育が苦手でしたが、周りに運動が得意な友達が多くて。一つでもいいからスポーツができたらいいと思い、中学ではバトミントン部に入部しました。未経験からのスタートで、走ることも苦手な自分がついていけるのか心配でしたが、仲間に支えられたので続けられたと思っています。

中学の引退試合で勝ち進んでいたのに自分のミスでで負けてしまい、ダブルスのパートナーに申し訳なく悔しくて心残りでした。それで突き詰めたい思いが強くなり、高校も続けようと決めて。

高校では、女子と男子の練習はスピードもパワーも違うのですが、男女・先輩後輩とも隔たりなく勝ちたいと思い男子と多く練習していました。男子と同じメニューをこなす辛さと他の女子と違う行動をしていて申し訳ない気持ちの間で葛藤して泣くこともありましたね。

ー男子と同じメニューをこなし、男女隔たりなく勝ちたいと思うとはすごいですね。負けず嫌いな一面はいつからですか?

中学で部活を始めてからですかね。部内のランキング戦が頻繁にあり、常時上位1、2位をとるようになってからそれ以下にはなりたくないと。それで、負けず嫌いな自分に気づきました。

ー競争環境に置かれて自分で気づかれたのですね。そして人生で一番辛い時間を迎えたんですよね。どう乗り越えたのですか?

高校受験の失敗がこれまでで一番の挫折でしたね。入学当初はふさぎ込んでいて。押さえの学校に入ったのでここでは絶対に落ちこぼれたくない!と思いましたね。学年10位以内に入ると目標を決めて切り替え、勉強を頑張ることでモチベーションを保っていました。

ー元からタフでモチベーションは続きやすいタイプですか?

落ち込みはしますが引きずりません。現実を見て、置かれた環境でベストを尽くすしかないと考え乗り越えました。

若いうちから活躍する楽しさを知ったバイト時代

ー高校卒業時は将来をどう描いていましたか?

部活動では足の怪我が多く、よく顧問の先生にテーピングを巻いてもらっていたおかげでいいプレーができたと実感していました。当時は、プレイヤーとして続けていくことは難しいと思ったので、スポーツトレーナーのように体力面・健康面をサポートする仕事に興味がありました。

バトミントンは相手の嫌なところをつく心理戦の競技なので、心理学に興味を持ち、大学は社会学部に進み心理学を専攻していました。

ー大学生活はどう過ごしましたか?

100円ショップでのアルバイト一本で過ごしました。注力できた理由は、主婦層のパートさんに可愛がってもらえ、働く環境がよかったからです。入社のきっかけにも通じるのですが、50代の方々が元気に働いている姿を見て、いきいきと働くシニアの方が増えたらと思うようになりました。

また、学生のうちから売り場の発注やレイアウト変更を担当したことが楽しかったです。品数が多いなかで、なるべく早く売り場位置を覚えたり、新商品が出たら特徴を説明できるようにしたり、真面目なところを評価してもらえたのかと思います。

ー就職はどういった判断軸で決めたのですか?

誰かの生活を支えたい思いで人材業界や物流、不動産管理を見ていました。20代から60代まで年齢層の幅がある中で、現職のシニアジョブはシニア層にターゲットを絞っている点が珍しいと思い、事業内容の将来的な社会貢献生の高さに共感しました。

大手の安定性より、若いうちからいろいろと経験できる環境に重きをおいていて。シニアジョブはスタートアップの企業なので一緒に会社を大きくできるし、いずれ大きくなったときに過程に携わっていたと胸を張れる人になりたくて思い切って入社しました。もう1回就活をできたとしても、同じ選択をします。

最近は大手でも事業のひとつにシニア層のサービスに手をかける企業が増えてきました。弊社はシニア層へのサービスに特化している点が強みなので、業界を牽引していきたいと思います。

モットーは年齢に分け隔てなく相手の目線になって行動すること

ー新卒では珍しい、人事に配属にされてどうでしたか?

コロナ禍で入社しすぐにリモートワークになってしまい大変でしたね。営業として入社をしたばかりで慣れないなかで、6月頭に人事やってみないかと打診があり、始めた当初はてんやわんやで。まずは採用担当者である前任の退職が決まっていて引き継ぎをしながら始めました。

ーすぐにやりますと回答したのですか?

はい。インターンなど周りの学生より就活に力を入れていて、いろいろな人事の方と関わる機会が多かったので人事に興味が湧いていました。人事の方々が学生と社会人との隔たりをなくして、同じ目線に立って接する姿や就活生を気遣う姿を見て、なりたい社会人像だと思って。

いずれ人事をやってみたいと考えていたところに早い段階で話をいただけて、早すぎないかと不安もありましたが、やるしかないと覚悟を決めて引き受けたのです。

ー学生のときから良い社会人像を描けていたのですね。人事配属の当初はどんな仕事をしていたのですか?

自社採用のための就活生向けスカウトメール送信、説明会の対応、広報媒体の対応などでした。広報媒体の操作方法が覚えられず、初めはどこかのサポートセンターに毎日電話していましたね(笑)

ー部門責任者への抜擢はどういった背景だったのですか?

入社した当初からの頑張りを評価していただいた結果だと思います。会社の社員は20代がほとんどで代表も学生のときにシニアジョブを起業しているので、若いうちから裁量を任せる風土があります。若いうちから成果を上げられる人は役職を上げていく風土にも惹かれて入社したので、信じてよかったなと。

経験の長さより自分の心がけと行動力が大事

ー人事職は現場を理解しないとできないとか、事業領域もシニア対象で経験を問われる場面でジレンマは感じたことありますか?

外部の方に「1年目が採用をしていて大丈夫なのか?」と言われたり、求職者とも年齢差があるので「若い人にシニア層の気持ちがわかるの?」などの声を聞いてモヤモヤを抱えたことはあります。

しかし、年齢は違えど求職者の方々の転職の厳しさや現状に寄り添えるので、相手の気持ちになって一緒に悩んで相談にのって、自分が気をつけるだけでも相手の印象は変えられると気づきました。意識し始めてから営業スキルがひとつ上がったと思います。

ー今の仕事をしていて印象に乗っている出来事は?

人事では、初めて自分が面接をした方が入社を決めてくださったときが印象に残っています。最終判断は代表でしたが、私は一次選考を担当しており、入社後に面接の思い出を話せて嬉しかったです。営業でも、初めて自分がヒアリングした求職者の方の就職が決まって感謝されたときが印象に残っています。

ー今後の山田さん個人、会社での目標を教えてください

私はまだ新卒2年目で社会人としても未熟なのでもっと頼られる人事、営業として活躍したいです。会社だけではなく外部の方ともうまくやりとりできるように経験を積みます。

会社では自分が人事として採用を進めて組織を大きくしていきたいです。社員や学生と距離を縮められるポジションだと思うので、誰にもできないような役割を担って事業を拡大していきます。

ー最後に同世代の方に向けてメッセージをください!

若いうちにいろいろ経験できたほうが後々自分の糧になりますし、自信につながるので、まずは一歩踏み出して挑戦してみることが大事だと思います。やってみてできなかったり悩んだりするかと思いますが、若い世代で一緒に頑張っていきましょう!

ーありがとうございました!山田さんの今後のご活躍を応援しております!

取材:増田稜 (Twitter
執筆:竹内佳奈子(Twitter
編集:えるも(Twitter
デザイン:安田遥(Twitter