複業から自身の会社一本へ。「好き」と「自由」を形にーーハピラフ代表・富田竜介

色々なキャリアの人たちが集まって、これまでのキャリアや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。今回は、ゲストとして以前お話を伺った方のその後に迫るべく、2020年3月31日公開記事のゲスト・富田竜介さんに追跡インタビュー。

前回のインタビュー時はブライダル事業のリクシィと自身の会社ハピラフの複業をしていた富田さん。転職後も複業を続けましたが、あるタイミングで独立してハピラフ一本でやっていく意思を固めたそうです。独立への迷い、独立後に起きた変化、これから力を入れたい分野について語っていただきました。

▼会社員と企業家として複業をしていた頃の富田さんのお話は、前回のインタビュー記事で。

3,500人のフォロワーで月商500万円。Instagramで大切なコンセプトメイキングとコミュニティ意識

「やりたいに素直な世の中を作る」がハピラフのミッション

ー前回の記事公開から1年4ヶ月経ちましたが、現在のハピラフの事業概要と力を入れている点を教えてください。

ハピラフでは現在3つの事業を展開しています。1つが自社メディアの運用。約90のInstagramアカウントを運用し、累計フォロワー数は160万人ほどです。アンケート機能を使ってフォロワーのニーズを探るなどしています。例えば「節約チャンネル」というアカウントでは主婦向けの節約レシピや収納についての情報を発信しています。Instagramの他にwebメディアとYouTubeチャンネルも運用中です。

2つ目がSNSの運用代行とコンサルティング。3つ目が、今一番力を入れているD2C事業です。最終的にハピラフはものづくりの会社としてやっていきたいと思っています。これまでも自社商品は出したことがありますが、今回は足掛け1年7ヶ月かけて開発した渾身のバスソルトをMakuakeでリリースすることになりました。

ーーMakuakeでのリリースの話も後ほどお伺いしたいと思います。ハピラフはどんな社風ですか?

ハピラフはハッピーとラフ、つまり幸せかつ笑顔でいる場所を作るために「やりたいに素直な世の中を作る」をミッションに掲げています。役員は3人いますが、会計やマーケティングなどそれぞれがやりたいことをやっています。

役員の他に業務委託のメンバーもいて、例えばもともと事務職をやっていた人が本当は商品を作りたいのであれば、化粧品の開発をしていただいています。やりたいことがあるけどやれていない人にハピラフが場所を提供するイメージです。やりたいことをやる方が人生楽しいので、やりたいことを素直にやれる人たちを応援したいです。

ーー「好き」や「やりたい」を大事にしているのですね。

そうですね。嫌いを削ぎ落としていくとやりたいことが見つかると思います。2社目の化粧品会社でライフウェイクシートというものをやったのですが、そのシートで生まれてから現在まで、どんな時に人生のメーターが上がったり下がったりしたかを洗い出しました。

例えば単純作業の皿洗いのバイトは向いていなかった、商品を作っている時は楽しかった、など。自分の人生を振り返って、最終的にたどり着いたのが「誰と働くか」です。ハピラフは幼なじみと創業したのですが、彼といるとゲームをしていてもつまらないことをしていても楽しいです。

人・物・金が揃ったタイミングで複業からハピラフ一本に

ーー前回の記事公開から現在までの変化で一番大きかったのは複業からハピラフ一本に絞った点だと思いますが、どのような経緯があったのでしょうか?

前回インタビューを受けた時はリクシィに勤めていましたが、コロナ禍でブライダル業界が打撃を受けてしまって。5年間で5社ほど経験しましたがスタートアップとベンチャーしか経験したことがなかったので、上場している大きな会社で働きたいと思い転職活動を始めました。

C2Cのプラットフォーム事業をやっていて、アプリのプロモーションができる会社を探していたところ、クックパッドマートというサービスを知り、クックパッドに入社しました。

ーー大企業を選んだ理由を詳しく教えてください。

大企業で何かをしたいというよりも、社内の動きがスタートアップやベンチャーとどう違うのかを知りたかったのが大きな理由です。上場企業だと株主がいて、動かせるお金の額も違うので。クックパッドは大きい会社ですが意思決定を迅速にする設計がされていて参考になりました。

ーー転職後の気持ちはいかがでしたか?

クックパッドでもっとやりたい気持ちはありましたが、そのタイミングでハピラフが伸びて来たのでそちらに注力したいとも思いはじめました。悩んでいた頃クックパッドJapanの代表と話す機会があり、その人に独立した方がいいのではとアドバイスをいただきました。

ーー独立の決め手になったのは何でしょうか?

決め手は人・物・金が揃ったことだと思います。揃ったタイミングでやらないと自転車操業になってしまうので。これまでの事業でポートフォリオと基盤ができていました。

冒頭でお話した通りハピラフは幼なじみの公認会計士と共同創業したのですが、僕がクックパッドのことで迷っている時も彼は会計士として独立する強い意思がありました。それなら自分も今が独立の時だと思い、二人の独立のタイミングが重なったのが大きかったです。これからは自分の会社一本に絞る意思が自分にも固まりました。

ーー代表からのアドバイスと人・物・金がそろうタイミングが決め手だったんですね。ここからは独立後のことについてお伺いします。独立後に起きた変化はありますか?

1つは、意思決定のスピードと自由さが上がったことです。サラリーマンだと重大な意思決定は階層を上げてやりとりをしなければなりませんが、自分の会社だと全部自分で決められます。自分の意思で100%納得のいく決定ができるようになりました。

ハピラフの役員は3名ですが、業務委託を含めると100名以上が関わっているので、意思決定を早くして迅速に進められるようにしています。現在ハピラフでは一気に20商材ほど作っていますが、普通の会社ではなかなかできないスピード感だと思います。僕はこれくらいのスピードでやっていきたいんですよね。

もう1つは、時間的制約がなくなったことです。例えば、小さいことで言うと好きな時間に美容院やジムに行けるようになったこと。最近だと平日に社員旅行に行きました。自分たちの会社なので好きなように時間を使えるのがよかったです。グランピングにもよく行きます。オフィスから環境を変えて、焚き火やキャンプをしながら仕事をしました。

ーー焚き火を囲むとアイデアが出やすくなると言いますよね。

そうですね。あとドライブ中もよくアイデアが出ると思います。パソコンを持っているとつい何でも調べてしまいますが、ドライブ中は会話に集中するしかないのでよい刺激になります。

ものづくりの会社を目指して。Makuakeでオリジナルバスソルト「​​BATHFUL(バスフル)」をリリース

ーーアイデアがひらめくといえば、お風呂の中でもよく考えが浮かびませんか?

まさにそうなんです!僕はお風呂ってとてもいい場所だと思っていて。体にいいし、コミュニケーションの場でもあります。子供がいる人や夫婦など、お風呂で話すことも多いですよね。

一人で入るとしても、自分の好きなように時間を使えることは大事だと思います。ボーッとするのもいいし、Netflixを見たり音楽を聴いたりするのもリラックスできます。そんな中でアイデアが浮かぶことはもちろんあります。

ーー富田さん自身、子供の頃からお風呂が好きだったとお伺いしました。お風呂へのこだわりはありますか?

お風呂が好きすぎて、日本中の入浴剤を全部試したんじゃないかというくらい色々試しました。今はバスグッズを紹介する「お風呂大好きTommy〜バスグッズマニア〜」というチャンネルを個人でやっています。

しかし、香り・濁り方・肌触り・匂いの残り方など僕がこだわるポイントにおいて一番納得できる入浴剤がなかなか見つかりませんでした。今回Makuakeでリリースするバスソルト「​​BATHFUL(バスフル)」は、試作して何回も作り直してようやく納得できるものが作れました。お風呂にこだわりがあるからこそ本当にいいものを作りたかったので、リリースまで1年7ヶ月かかりました。

▼Makuakeのリリースはこちら

おうち時間を充実させるBATHFUL バスソルトで至福のひとときを。

ーー富田さんの熱意が感じられます。商品について簡単に教えてください。

森林・柚子ジンジャー・ホワイトフルール・バスフルの香りの4種類を用意しました。一番おすすめは商品名にもなっている「バスフルの香り」で、香水をイメージした香りです。香りの想起って強いですよね。先日デパートに行ったら「イソップの香りがする」と思ったのですが、そういう脳内のマインドを取っていきたいです。

バスフルは雪の結晶のようなめずらしい形のバスソルトで、これが濁り方につながります。見た目にも映えますよね。今までにない入浴体験になると思います。他にも肌に良い成分や匂いの残り方にもこだわりました。

ーーお客様のニーズはどうやってリサーチしたのですか?

ハピラフで当時100万人ほどいたInstagramのフォロワーアンケートを取り、好きな香りのリサーチをしました。発汗したい人、リラックスしたい人、肌に良い成分を求める人など入浴剤に求めるものは様々だと思いますので、香りと掛け合わせて開発をしていきました。

ーー2社目で化粧品会社に勤められてた富田さんが、ご自身が関心のある美容とお風呂を掛け合わせて生まれた商品なのですね。

はい。これはずっとやりたかったので自分の会社で形にできて嬉しいです。今後はバスフルのブランドで横展開で商品を出す予定です。サボンやロクシタンのように、スクラブやハンドクリームなど。Makuakeでのリリースが終わった後はshopifyなどを使って自社サイトやポップアップ(期間限定で開設されるショップのこと)で販売していきたいです。

ーー冒頭でD2Cに注力したいとおっしゃっていたのがここに繋がっているのですね。ハピラフの今後の展望について教えてください。

もともとメディアをやってきて、Instagramのノウハウを基にコンサルや運用代行をしてきましたが、今度はそのメディアのユーザーを活用しながらものづくりをしていきたいです。今後は自社工場を持ってオリジナルで作りたいですね。目標は5年以内です。

「自由」がキーワード。社会人経験も大切にしつつチャンスを逃さないように行動。


ーー富田さん自身の今後のビジョンは?

D2Cの業界の構図を変えていきたいです。赤字になって広告費を投下して、あとでサブスクで回収するというモデルが多いように思います。赤字で売却することもあります。資本主義なので市場規模が大きいものを目指したいのは分かりますが、それって本当に幸せかな?と。

僕らの会社は売り上げと利益が死ぬまでにいくらあれば幸せかを出していて、それ以上は大きくしないと決めています。17時まで仕事をしたら帰って子供と遊ぶ時間を作るなど、日本人は一人ひとりに合った幸せをもっと追求してもよいと思います。「自由」が僕のキーワードです。

資本主義でお金を稼ぐことが第一になると、お客様のことを考えられないビジネスができてしまいます。僕たちはお客様が購入を自由に選べることを大切にしているので、プロダクトの誠実さを伝えたいです。買ったことがない商品を定期で買うのは会社の都合でマーケティングをしているように感じるので。

また、株主を入れると会社は株主のものになってしまいます。自分が社長なのに株主に引っ張られて自分の意思決定ができないという例をスタートアップで見たこともあるので、できるだけ自己資本の方が融通も効くし自由にできるという成功事例を出していきたいです。

ーーユニーク世代のネオ資本主義という感じで面白いですね。最後に、ユニーク世代で独立を迷っている人へのメッセージをお願いします。

今の時代複業として2足や3足のわらじを履く人は増えているので、いきなり1本に絞らなくていいと思います。やりたいことを裏側で積み上げてもいい。僕は5年間サラリーマンをしましたが、社会に出て働いたからこそ現場目線が分かるようになりました。マネージャーはどんなことを考えて動かしているのか、上下関係はどうすればいいのか、など。

サッカーでも高校からいきなりJリーグに行くより大学に行ってからJリーグに行く人が重宝されることがあります。例えば長友選手のような。礼儀や人間性を大学サッカーで学べるからだと思います。

僕たちの世代で独立したい人は多いですよね。途中でもお話しましたが人・物・金が揃うタイミングは必ずくるので、それまでは社会人として経験を積んで結果を出しつつ、独立のチャンスを逃さずに行動すれば実現できると思います。

ーー富田さん、力強いメッセージをありがとうございました!

富田さんが1年7ヶ月かけて開発した入浴剤のブランド「BATHFUL(バスフル)」は、2021年7月27日までMakuakeにてクラウドファンディングを実施中です。富田さんのこだわりを、ぜひ体験してみてくださいね。

▼Makuakeのリリースはこちら

おうち時間を充実させるBATHFUL バスソルトで至福のひとときを。

インタビュー・執筆:小山志織(Twitternote
デザイン:藤井蓮