頑張り切る世代として、好きを突き詰めたい。DIRIGIO代表・本多祐樹

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第495回目となる今回は、株式会社DIRIGIO 代表取締役社長 本多祐樹さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

アメリカで大統領リーダーシップに魅了され、政治家になりたかった本多さん。予期せぬ大学留年をきっかけに起業家の道を進みます。そこに至るまでの経緯と現在の事業モバイルオーダー&ペイプラットフォーム「PICKS」のこれからの展望について話していただきました。

アメリカでリーダーシップに魅せられた幼年期

ーまずは簡単に自己紹介をお願いいたします。

株式会社DIRIGIO代表の本多と申します。2016年の学生時代に会社を創業しまして、「PICKS(ピックス)」というモバイルオーダープラットフォーム事業を展開しています。

簡単に言うと、飲食店を中心にスマートフォンから料理を事前注文して決済し、テイクアウトすることができるサービスです。

ー現在の事業内容でどのようなことを達成目標とされていますか?

弊社は「新しいライフスタイルをデザインする」というビジョンを掲げています。

人々の生活がアップデートされ、快適になったり楽しくなったりすることが僕たちの作りたいサービスの根幹にある想いです。そのために飲食店にフォーカスして店舗のIT化を中心にサポートをさせていただいています。

ー幼少期を外国で過ごされたそうですが、詳しく伺えますか?

父が仕事でMBA取得のためにアメリカの大学院へ派遣されることになり、ついて行く形で幼少期にアメリカに渡りました。向こうで過ごしたのは幼稚園から小学校3年生ぐらいまでです。

当時はまだ幼くてアメリカに行くという感覚がなく、現地の小学校に入学したら、「何か言葉が通じないぞ、おかしいぞ」と感じながら、どうにかみんなとコミュニケーションを取りながら暮らしていましたね。

ー小学生時代からなりたい職業があったとお伺いしています。それは滞在中に思ったことだったのでしょうか?

そうですね。アメリカは国民の政治関心度が高い国ですが、当時はブッシュ大統領が在任中だったのですが、力強いリーダーシップを発揮していて、子供ながらにかっこよさを感じていました。

そのうち日本のことを考えるようになり、より強いリーダーシップを発揮して世界に活躍できる人がたくさん増えるような国にしていきたいと思うようになりましたね。帰国してからは、日本はどうなんだろうとアメリカと比較して考えることも多くなりました。

ー日本に帰国後、高校時代はどんな進路選択をされたのですか?

政治家になりたいという思いが僕の根本にずっとあったので、そこを主軸に、政治家の輩出実績や人脈形成ができるという視点で大学・学部を選びました。

また、海外の大学に進学する選択肢もあったので日本の大学とどちらがいいか悩みました。高校の時にアメリカのサマースクールみたいなものに参加したのですが、日本語でまだできることがあるとその時に気付きました。

人間は言語よりも思想の方が重要だと当時の自分は思ったんです。思想の根本にある人間の価値観を研ぎ澄ませることは日本の大学でもできるということで、日本の大学に行きました。

予期せぬ留年が起業のきっかけに

ー慶應義塾大学の経済学部に入学され、政治家を目指しつつ起業をすることになったのはなぜでしょうか?

きっかけは、大学2年時にテストでミスをしたことによる留年です。ストレートで大学に入り、それまでそんなに大きな失敗をしたことがなかったので、「やってしまった」と思いましたね。自分の乗っていたレールから外れたような感覚になりました。しかし、留年は「自分に何ができるのだろうか」と今後の人生について考え直すきっかけをくれました。

その中で「政治家というのは、自分にとって本当に最適な選択肢なのだろうか」と考え、起業家の方が自分のやりたいことを実現する可能性が高いんじゃないかという考えに至りました。留年中で時間はあったので、深く考えずまずはチャレンジしてみようと起業した感じです。大学2年生の時でした。

ー起業の選択肢が浮かんだのは、周囲に起業家がいるなど、環境的なことも影響したのでしょうか?

アメリカに住んだきっかけが父親のMBA挑戦だったこともあり、幼い頃から父親にビジネスの話を聞く機会が多くありました。

「起業はひとつの選択肢だから、やってみたらいい」と父親から言われていましたから。起業を部活に入る位のラフさで捉えられていたというのは、実際に起業することにつながった部分かもしれません。

父親は「目立つことやリーダーシップを発揮すること、他の人と違うことをやることはすごく価値のあること」よく言っていました。それは僕の行動する軸として根付いている考え方だと思います。悪目立ちで目立ってもいいしみたいな(笑)。

ー副代表の方は、中高時代の友人だそうですね。

クラスも一緒になったことがありますし、仲の良いグループの1人でした。創業したら、アルバイトでもいいから手伝ってもらえないかと思って、連絡を入れました。そうしたら、彼もちょうど将来について就職以外の道も考えている様子でしたそこで食事に誘って、お互い真剣に話をしたら意気投合して一緒に事業をやっていくことになりました。