様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。今回は一橋大学法学部の1年生にしてWEIN隊の学生部隊リーダーを務められている石坂健さんにお話をお伺いしました。多くの人が一度は聞いたことがあるであろうWEIN隊についてや、石坂さんがWEIN隊に関わっている理由などについてお話いただきました。
コロナ禍で将来への漠然とした不安を抱えている学生さん、必読です!
自分の可能性が広げられる場所を求めて
一まずは簡単に自己紹介をお願いいたします。
現在WEIN隊の学生部隊リーダーを務めています、石坂健です。4月に一橋大学の法学部に入学し、オンラインで授業を受ける日々を送る中で「このままだとまずい」と感じていた時にたまたま知り合いの方がWEIN隊について投稿されているのを見て応募し、7月からWEIN隊に関わらせていただいています。
今は10月17日(土)・10月18日(日)に開催を予定している、1万人規模の学生が集う、国内最大級のオンライン学生カンファレンス「WEIN STUDENTS SUMMIT(WEIN SS)」を成功させるために、日々奮闘しています。
ー様々なコミュニティがある中、WEIN隊へ応募を決められた理由は何だったのですか。
WEIN隊は、サッカー選手でもあり挑戦者の本田氏・ネスレ日本元社長の高岡氏・元 FiNC創業者の溝口氏の3人による日本から挑戦者を増やすことを目的としたファンド「WEIN挑戦者FUND」によって、発足されました。WEIN挑戦者FUNDは、21世紀の課題である孤独・退屈・不安をなくすことを目標としています。
私自身は起業に興味があった訳ではなく、自分の可能性が広げられる場所を探していた時にWEIN隊と出会いました。WEIN隊であれば幅広い問題解決の領域に関わることができ、 学生に加えて、学生でない方々とも繋がれるというところに惹かれました。また、WEIN隊は1,400人規模のコミュニティで発足し、規模がかなり大きいところも魅力に感じましたね。
ー1,400人もいらっしゃるんですね。具体的にどんな方が集まっており、どのような活動をされているのですか。
WEIN隊1,400人の約4割は学生ですが、残りは起業家・社会人・フリーランスの方など様々です。その他にも、WEIN.TEAMというWEIN隊に応募してくれた方々のコミュニティもあり、こちらには約4,000人の方が所属されています。
活動内容としては様々ですが、WEIN挑戦者FUNDが関わるプロジェクトに挑戦したいWEIN隊のメンバーが関わっていくイメージになります。直近では国内最大級のスタートアップカンファレンスInfinity Ventures Summit(IVS)が完全オンラインで開催するにあたり、WEIN隊が運営のサポートを行いました。
ーそのWEIN隊の学生部隊リーダーに大学1年にして選ばれたのですね。
はい。挑戦に対する熱量が誰よりも強いこと・WEIN挑戦者FUNDのビジョンが自分の思い描く世界と一致していたことを自分なりに表現し、WEIN学生部隊のリーダーに選んでいただきました。
WEIN学生部隊リーダーとして、今メインの仕事としてはWEIN STUDENTS SUMMIT(WEIN SS)を成功させることが使命だと感じています。このイベントを開催するにあたって、現在各大学に支部リーダーの方々が70名程いらっしゃるのですが、みなさんに協力していただきながら、WEIN隊学生部隊リーダーを務めさせていただいています。
不登校になり社会との接点がなくなった中学時代
ー少し石坂さんの過去のお話についても聞かせてください。どのような中高生活を送られていたのでしょうか。
中学は神奈川県の公立に進学したのですが、入学してすぐにいじめを受け不登校になりました。不登校にはなったものの、幸いだったのは地域の適応指導教室にお世話になりそこで自分を応援してくれる方々に出会えたこと、そして両親が転校という選択肢を提示してくれたことでした。中学2年で桐蔭学園中等教育学校に転校し、新しい学校では先生や友人に恵まれて楽しい学生生活を送ることができました。不登校の期間の勉強の遅れを取り戻し、卓球部に所属し、中学3年からは模擬国連の活動も始めました。
ー高校もそのまま順調な日々を過ごされたのですか。
実は父のシンガポールへの転勤が決まり、一緒にシンガポールについていくことを決めました。日本に残るという選択肢もあったのですが、中学でいじめを経験した時が人生のどん底だったので、シンガポールに行ってもし失敗したとしても大したことはないだろうと思い、挑戦を決めました。シンガポールに行けば、将来の選択肢が広まるかもしれないという気持ちもありシンガポールにいくことを決意しました。
ーシンガポールに行かれてみてどうでしたか。
インターナショナルスクールに入ったのですが、初めは言語が分からず、やはり苦労しました。そしてなんとか授業についていけるレベルになったところで、シンガポールで1番レベルが高いインターナショナルスクールの一つと言われているUWCSEAへの編入に挑戦することを決めました。UWCSEAには、高校1年の頃からシンガポール国立大の教授と生物学の研究をしている友人や、宇宙開発系のベンチャーでインターンをしていた友人など、いわゆる天才と呼ばれる人がたくさんいたため、この頃から自分の強みは何なのか、強みをどう伸ばしていけば世界で戦えるのかについて考えるようになりました。
また、シンガポールに転居するまではずっと神奈川県で生まれ育ってきたため、自分の知っている日本の姿は神奈川県に限定されていました。シンガポールで友人に「日本はどういう国なの?」と聞かれた時に、神奈川県以外の日本の姿について話せないことに気づきました。これがきっかけとなり、高校1年の夏休みに3週間日本に帰国し、秋田県大館市でインターンをすることを決めました。
ーどのようなことをインターンではされたのですか。
市役所の観光課と教育課、まちづくり課でインターンをしました。観光課では海外からのインバウンドを増やすアイディアをレポートにまとめたり、教育課では地元の小学校と中学校と高校にお邪魔して先生のアシスタントをしたり、まちづくり課ではどうすれば住みやすい街を作ることができるのかについて幅広く学びをえることができました。
初めて地方での生活を経験し、都市部にはない人の繋がりや温かさを実感した3週間となりました。このときの経験が、次の年の挑戦につながりました。秋田県大館市でインターンをしたことで、大館市が抱える「若者不足」という問題に気づきました。また同時に、同級生で圧倒的に能力が高いにもかかわらず、「高校生だから」という理由で社会と接点を持てない高校生が数多くいる課題も、シンガポールの高校生との比較から感じていました。そのため、高校2年の夏には、若者を呼びたい大館市と、自分の周りで社会との接点を持ちたかった高校生の友人をつなげることによって、県外からくる若者と地元の人々との協力によって、新たな価値を生み出したという経験をすることができました。
それぞれが自分らしく生きられる世界を目指して
ー高校を卒業後の進路についてはどのように決められたのでしょうか。
シンガポール・イギリス・アメリカ・カナダ・日本の大学を検討しましたが、海外の大学は奨学金なしでは金銭的に進学が難しく、日本の大学を選択することとなりました。帰国子女の入試は、大半の私立大学が9月までには入試を終える一方で、国立大学は一般生と入試日程が同じであるため、3月まで続く長丁場になります。当然、9月の私立大学の入試で合格を手に入れて、残りの半年間は遊ぶ、という選択肢もありましたが、大学を調べる中で、カリキュラムが海外のリベラルアーツカレッジに近く、他学部の授業が受けやすい点、生徒数が比較的少ない点、留学の選択肢もある点から一橋大学の受験に挑戦することを決意しました。
法学部を選んだ理由は、秋田でのインターンの経験以来、地方に興味を持ったことがきっかけです。社会学部と最後まで迷ったのですが、地方の問題の多くは中央政府が実権や財源を握っていることに起因します。中央政府と地方政府のパワーバランスを考える上で「強い地方自治体とは何か」を考え始めた時、自治体の機能的性格を定義するのは行政法であると考えたため、行政法に関わる部分を勉強したいと思い、法学部に決めました。
ーまだ大学生活もWEIN隊での活動も始まったばかりかと思いますが、最後に今後の目標やチャレンジしたいことがあれば教えてください!
個人としては、それぞれが自分らしく生きられる世界を実現させたいと思っています。これまでの経験から、世の中の大多数の人々が生きづらさを抱えているなと感じています。特に「男らしさ・女らしさ」であったり、「高校生だから」といった肩書きによる生きづらさ。そういった生きづらさのない世界にしたいです。WEIN隊を通しても挑戦の仕方は1つではないこと、それぞれが自分らしい選択をすれば能力を最大限に発揮できることを伝えていきたいと考えています。それが、WEIN挑戦者FUNDの掲げる21世紀の課題である、孤独・退屈・不安を解消することにつながるはずだと思っています。
直近の目標としては10月に開催予定のWEIN STUDENTS SUMMIT(WEIN SS)を成功させることです。WEIN SSは、日本中の大学生・高校生と大物YouTuber・起業家・著名人・文化人・アーティストなど各界を代表する挑戦者が一堂に会す、オンラインカンファレンスです。10月17日(土)・10月18日(日)の2日間に渡り、国内最大級の規模で開催いたします。
コロナ禍で思うように活動ができず、将来に対して漠然とした不安を抱えている学生も多いのではないのでしょうか?今回のWEIN SSはそんな方々を対象に、やりたいことが見つかる場を提供するべく、様々なジャンルでご活躍されている挑戦者をゲストにお呼びし、直接オンラインで対話ができる機会を設けました。また、学生向けの大規模なイベントとしては珍しく、高校生の方も参加対象者に含まれています。僕は高校時代に、同級生や先輩、社会人の方から受けた刺激が、自分の価値観を大きく変えた経験があるので、ぜひ高校生の方にも参加してほしいです。
学生であれば、誰でも無料でご参加できますので、ぜひ興味ある方はご確認ください!参加応募はこちらから!
取材者:西村創一朗(Twitter)
執筆者:松本佳恋(ブログ/Twitter)
デザイナー:五十嵐有沙 (Twitter)