「自分のやりたいことに全集中する」複業ノマドワーカー・いとまりのこれまでの挑戦の数々

起業を決意するも初の挫折経験に

ー具体的にはそこからどのようにゆうこすさんにアプローチされたのでしょうか。

まずは彼女のオンラインサロンに参加しました。そしてMessengerでアプローチしてみたのですが、彼女とは芸能人と1ファンの関係性でしかなかったため、当然返事をいただくことはできませんでした。

次に、オフラインの集まりなどに参加した際に、積極的に彼女に話しかけたり、オンラインサロンの運営スタッフからゆうこすさんにMessengerを確認してもらうようにお願いしてもらったり、試行錯誤をしました。

その結果、たまたま彼女もライバー事務所を作りたいと思われていたこともあり、会って直接お話しましょうと言っていただけたんです。彼女の会社で一緒にライバー事務所を立ち上げることがその場で決まりました。

ーそれが大学3年の時の出来事だったのですね。

はい、2018年の春でした。そこからゆうこすさんの会社で、ライバー事務所立ち上げと運営の他に、旅xライブ配信のサービスにも関わることになったのですが、徐々にサービスや事業への思いが強くなり、自分で会社を始めたいと思うようになりました。

ゆうこすさんの会社で働き出したことで、スタートアップやベンチャー企業の代表などと知り合う機会が増えて、起業という選択肢が身近に感じられるようになったことも大きかったと思います。

「ライブ配信によって世界をもっと面白くしたい」という軸をもとに、大学4年になるタイミングで大学を休学し、食品系のEC・ライブコマース事業で起業をしました。

ー起業してみていかがでしたか。

自分でゼロから事業を作るのはとても楽しかったのですが、もちろん大変なことも多く、結果的には失敗に終わりました。勢いで起業したものの、知識も経験も乏しく、原体験に基づくサービスではなかったため気持ちを強く持ち続けることもできず、人生初の大きな挫折でした。

それまでは「一人で速く行く」ビジネスしか経験したことがなかったので、組織で「みんなで遠くに行く」ビジネスを経験したいと思ったことから自分のサービスをクローズし、就職することに。そして旅行系IT企業に中途入社する形で働かせていただくことになりました。

仕事は楽しく、やりがいをもって働いていました。一方で、会社の一員である以上、自分の意思でコントロールできないこともあり、働き方に疑問を感じる場面も。会社員という働き方のいい面も悪い面も知りました。

自分のやりたいことは自分のタイミングで

ーその後、どのような決断をされたのでしょうか。

パートナーに1年間の世界一周に誘われ、自分も旅が好きで死ぬまでには世界一周してみたいと思っていたため、一緒に行くことを決めました。そして仕事をしながら世界一周をするべく、フリーランスになったのです。

フリーランスとしての働き方は、時間や場所が固定されないので、世界一周をするにはベストな働き方でした。自分でうまく旅と仕事のバランスやスケジュール管理をしないといけないことだけ気をつければ、自分に合った働き方だったと思います。

ー世界一周を振り返って得た学びや気づきがあれば教えていただけますか。

世界一周をしたことで、自分にとっての幸せとは何か、好ましい環境は何かといったことを意識的に考えるようになり、新たな発見がありました。例えば、自分は街並みより自然が好きだということ。様々な国を巡り、異なる環境に身を置いたからこその気づきでした。

自分にとっての幸せが何かを意識的に考えるようになったからこそ、ありたい自分の姿を描けるようになったと思います。

また、今と自分に集中することを大事にしたいとも感じるようになりました。世界一周中の生活にルーティーンは一切なく、どこに行くか、何をするか、しないか、常に選択の連続であり、常に一他人であるパートナーと選択・行動を共にしないといけないので、衝突することも多いです。ときには、体調を崩したり予定通りに事が進まなかったり、大変なことも多くあります。

そんな中で、メンタルが落ちたり、世界一周に来たこと自体が間違っていたのではと考えてしまったりもしました。そのとき、「過去と他人は変えられない」、「自分の選択を正解にするしかない」、そのためには「自分の人生に集中し、今この瞬間を全力で楽しもうとしよう」と思うようになったのです。

ーこれからについても最後に教えてください。今後取り組みたいことや目標などはありますか。

世界一周で行ったニュージーランドに住んでみたいと思ったので、まずはワーホリでニュージーランドに行こうと思っています。これまではパートナーがいるから、なんでも好き勝手にはできないと思っていましたが、今は自分の人生を全力で楽しもう、自分がやりたいことを自分のタイミングでやろうという思いが強くなりました。

YouTuberとしてもお仕事をいただくことができ、理想だと思っていた「旅が仕事になる」状態も少しずつ叶えられるようになってきました。これからも自分のやりたい気持ちに忠実に、どんどん新しいことにも挑戦していきたいと思います!

ー本日は貴重なお話、ありがとうございました!今後のご活躍をお祈りしています。

取材:黒澤朝海(Twitter
執筆:松本佳恋(ブログ / Twitter
デザイン:高橋りえ(Twitter