好きなことに挑戦して向き不向きを見つける|プロフィールドホッケー選手・中村航司

実業団に所属しながら起業を目指す

ー大学卒業後は実業団に所属したとお聞きしました。

シドニーオリンピック銀メダリストの監督の下で4年間プレーしていました。社会人大会で14年連続優勝する環境で起業を目指しながら競技を続けます。

ー起業しようと決めたきっかけはありますか。

東京オリンピックを目指して競技にコミットしていながらも、上下関係が厳しく、4年間後輩がいない環境にフラストレーションが溜まっていたからです。

日本代表に選出されなかった2018年に独立することを決めました。しかし、資金の関係でもう一年実業団に残り、その後起業することにしました。1年後に辞めることをチームのメンバーが知っている状況下で1年間プレーするのがとても辛かったです。

ー2019年に独立をしてどのような事業を展開したのですか。

オンラインホッケー塾から始めて、コーチ業やスポーツコミュニティを運営しています。また、イベント企画やマッチングも展開していきました。

ースポーツコミュニティを立ち上げた経緯を教えてください。

コロナで自分自身も大変だったのですが、アスリートが生きやすい環境にしたいと思い、月額制のスポーツコミュニティを立ち上げました。

そこでは、様々なスポーツに関する情報発信や専門家によるアスリートのサポートなどを実施しました。当時は月額制だったのですが、現在は社団法人を立ち上げて無料の会員制コミュニティとして運営しています。

ー社団法人を立ち上げたのですか。

スポーツコミュニティを広めていきたいと考えて社団法人化。現在は代表理事として籍を置き、5つの専門会や定例イベントを開催できるまでになりました。

しかし、競技と並行して運営をしていくにおいて、コミュニティ運営でいただいたお金を競技継続のために使うことに後ろめたい気持ちがありました

そのため、月額会費を無料会員制に移行し、競技に使うお金は企業からサポートをいただいて活動することを決め、スポンサー獲得に動いたり、メディアに取り上げていただいたりしています。

選手生活最後の挑戦でドイツに

ードイツに行こうと思った理由を聞いてもいいですか。

当初、世界ランキング1位のオーストラリアに行く予定でした。しかし、コロナで行けなくなったため、2022年のワールドカップで優勝したドイツに行き、ヨーロッパのチャンピオンズリーグを目指します。

ードイツでの生活はどうですか。

快適です。毎日ホッケーができて、生活環境も整っています。家にプールやサウナがあったり、グラウンドを無料で使えたり。空き時間に自主練に付き合ってもらうこともあります。

課題を挙げるとしたら食です。何も考えずに生活をしていたら食事がビール、チーズ、揚げ物などになってしまいます。

ー今後の展望を教えてください。

子供が生まれたタイミングでドイツに来ているため、妻に支えられていろいろ挑戦することができています。最後の挑戦でドイツに来ているので、この挑戦が終わったら引退して起業に振り切る予定です。

アジアで最もホッケーが強く、ITや人口の点でも伸びているインドで、食とスポーツ、海外、教育の4つを掛け合わせた事業を展開できたらと考えております。

ー最後にメッセージをお願いします。

テクノロジーの発展で仕事が置き換わる時代になり、自分の好きなことや没頭できるものに取り組める時代になってきています。好きなことに挑戦し、たくさん失敗して向き不向きを見極めながら生き抜いていきましょう。

ーありがとうございました!中村さんの今後のご活躍を応援しております!

取材:あすか(Twitter
執筆:Kumi(Twitter
編集:松村彪吾(Twitter
デザイン:高橋りえ(Twitter