友人ととことん語り合うことで学びを得つつ友情を深めていく ライター 小林愛斗

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第894回目となる今回は、山形県鶴岡市に移住しフリーのライターとして活動中の小林 愛斗(こばやし・あいと)さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

交友関係で様々な経験をしてきた小林愛斗さん。親友ができるまでの経緯や、ご友人と語り合う中で学んだことを伺ってきました。

自分を押し殺し、人に嫌われないよう振る舞った少年時代

ーまずは自己紹介をお願いします。

小林愛斗と申します。山形県鶴岡市に住んでいる29歳です。去年の3月末まで大学院に在学しており、卒業後はフリーランスとして働いています。

大学時代はフランス語とフランス文学を専攻し、20歳で留学を経験しました。

現在は地域の方から仕事を紹介してもらい、野菜や果物の販売や配達、鴨肉の加工工場に勤務しています。また地域の方々と交流したりお手伝いをしたりして、移住生活を満喫しています。

ー食や健康に関する情報を発信されている小林さんですが、それらの知識は大学時代に勉強されたのですか?

大学でそれらの勉強はしていません。

高校卒業以降、毎日不摂生な生活を送っていましたが、3年ほど前のある日突然危機感を感じたのがきっかけです。それ以降、食事改善や運動をするようになり、また独学で栄養学や食と健康について勉強するようになりました。

ー幼少期のことを教えてください。

小、中学校のときは人に嫌われないよう振る舞うことを重要視していました。自分を押し殺し、コミュニティで仲間はずれにされないよう他人の顔色や機嫌を伺っていました。

ーどのようなきっかけで嫌われないよう振る舞っていたのですか?

小学1、2年生のときに仲間外れにされたのがきっかけでした。学校に行くのが毎日苦痛だったのを覚えています。

しかしある日を境に仲間外れにされなくなり、また同じ目にあいたくなかった私は、まわりの人に逆らわぬよう態度を改めました。

中学、高校と進学するにつれて自分を押し殺すことは少なくなりましたが、自分の考えをさらけ出すことはあまりできませんでした。

フランス留学を通して自分を貫く大切さを知るが…

ー次の転換点に移ります。フランス留学をされたときのことを教えてください。

留学を通して、人間関係の考え方が180度変わりました。

フランスは「個」を大切にする国で、自分を全面に出すのがスタンダードなのです。ゆえに自分の考えや信念がないとコミュニティの輪に入るのが困難になり、1対1の関係も深まらないと感じました。

最初はカルチャーショックを受け、文化に順応するのがストレスに感じることも。しかし思ったことや感じたことを堂々と言葉にするフランスの文化に魅了され、少しずつ溶け込んでいきました。

また、自分が正しいと思ったことを最後まで貫く大切さを学びました。

ー帰国後の友人関係でいざこざがあったとお聞きしましたが、そのときのことを教えてください。

自分の考えを貫きすぎるがゆえに、まわりから敬遠されることがありました

自分が賛成しない考え方や意見に、真っ向から反対や否定をしたせいだと思います。その結果、自分のまわりから徐々に人が離れていきました。

ーご友人から敬遠されてどうしましたか?

「このままでは友人を失いかねない」と感じ、他人の発言を頭ごなしに批判しないよう気をつけました

反対意見を言う場合、表現をやわらかく変えました。今振り返ると、当時は「よい」か「悪い」かでしかものごとを判断できていなかったのだと思います。