こつこつ頑張れば目標は達成できる。データアナリスト・勝山菜央が実感した努力の大切さ

目標に向かって努力することで未来は切り拓かれる

ー科捜研への就職は在学中も変わらず目標だったそうですが、どのように就職活動を行ったのですか?

大学院1年生のときに、いくつかの県の科捜研の採用試験を受けました。科捜研の採用試験は、47都道府県それぞれの県警によって時期や採用方法が異なるので、その年に応募があった各県に申し込まなければなりません。それに毎年募集しているわけではなく、基本的には欠員補充の採用になります。

私の場合、大学院1年生の時点で学士の資格要件は満たしていたので、翌年の本番に向けた経験として採用があった県に応募し受験したところ、運よく合格することができました。結果的には大学院を中退し、科捜研に就職する選択肢を選びました。

ー実際に科捜研で働いてみていかがでしたか?

学生の頃に思っていた以上に、プレッシャーも大きく社会的な責任感が求められる仕事だと思いました。ニュースで報道されるような事件に関わった際はやりがいも感じたので、私自身もミスすることなく確実に鑑定をこなしていかなくては、と身が引き締まる思いでしたね。

ー勝山さんにとって科捜研の仕事は充実していたように感じるのですが、現在はデータアナリストとしてお仕事をされています。なぜ転職を考えたのでしょうか?

鑑定に届く資料は幅広いのですが、鑑定手法を一通り覚えて経験を積めば、その先は基本的にはルーチンワークの仕事になってしまいます。これからの10年、20年先を考えたときに、このままルーチンワークで仕事を続けることに対してこのままでいいのかな、と感じたことが転職を考えた大きなきっかけです。

ールーチンワークのどういったところが不安だったのですか?

公務員なので組織が潰れることはないのですが、自分自身に社会で生き残る力があるのかと考えたときに不安に感じました。DNA鑑定は非常に専門性の高いスキルだとは思いますが、専門性が高すぎてほんの特定の場所でしか通用しないのではないかと考えるようになって。長い社会人人生のなかで、より汎用性の高いスキルを身につけたかったんです。

ー転職活動はどのように行いましたか?

当初は漠然と、今よりも幅広く使えるスキルを身につけたいと思いながら転職サイトを眺めていました。

高校生の頃からずっと科捜研で働くことを目標としていたので、いざ転職するとなったときに、自分は何がしたいのかがあまり明確に決まっていませんでした。自分のなかで整理できていない状態が続き、悩む時間が長かったように思います。

ー何がしたいかわからなかった状態から今の職業にたどり着くまで、どのようにして選択したのですか?

まずは周りの人に話を聞いてもらい、頭の中にある漠然とした自分の考えをしっかり言語化できるように意識しました。

そのプロセスを経て、自分にとって汎用性の高いスキルとは、社会にある様々な業界の知識を得ることができる仕事や、業界をまたいで使える力を身につけられる仕事だと気づくことができました。

同じ頃に、現職の株式会社サイカから転職サイトを通じて連絡をいただき、カジュアル面談で会社や事業内容、データ分析の仕事を知りました。データ分析は、どの業界にも必要とされているスキルであったことや、サイカのデータアナリストは幅広い業界に携わることができる仕事だったため、わたしのやりたいことと合致していると感じました。

データ分析の経験は当時ありませんでしたが、チャレンジしてみようと思いました。ありがたいことに、採用時は未経験・統計の専門知識がなくても、入社後にしっかりとキャッチアップできる環境を整えてくれていたのも大きな決め手です。

ー実際にデータアナリストとして働いてみていかがですか?

入社直後は1ヶ月の研修を経て、ひたすら勉強やキャッチアップの日々で大変でした。わたしはExcelもあまり使えなかったので、Excelの使い方から統計、マーケティング用語のインプットと復習を繰り返した状態が数ヶ月続きました。

ー実際に汎用性のスキルや知識は習得できていますか?

そうですね。入社してから成長実感を日々感じており、案件もいくつか担当させていただいております。携わる業界はクライアントによって異なり、いろんな業界の話が聞けますし、データもしっかりと見れるので、当初考えていた「どの業界にも通用するデータ分析のスキル」が身についてきている実感があります。

ーこの先、勝山さんが達成したいゴールはありますか?

マーケティングとデータ分析を繋いでいける人材になりたいです。

今の業務に携わるようになってから、数値的な根拠を持った上で意思決定できている会社は余り多くない印象を感じるようになりました。

弊社のクライアントには、広告効果を可視化したい目的で「マゼラン」というツールを導入していただくケースが多く、数値的な根拠をもって、統計知識を活用したマーケティングをサポートしていくことができるようになりたいですね。

ー最後に、U-29世代にメッセージをお願いします。

私自身は科捜研やデータアナリストを通して、何か大きな目標を決めてコツコツ努力することで目標達成ができることを身をもって学びました。

この記事を読んでいただいているみなさんも、興味・関心が見つかっているのなら勇気を出して一歩踏み出してほしいです。達成したい目標に向かって、目の前の小さな目標から一つひとつ頑張ってもらえるといいなと思います。

取材:あすか(Twitter
執筆:スナミアキナ(Twitter / note
デザイン:高橋りえ(Twitter