やりたいことや夢を叶えられる社会を実現したい
ー資格が先ではなく、場所が大切だったのですね。
あくまで私の一部に「作業療法士」がある。「作業療法士=私」ではありません。病院で働かなければならない決まりはないですし、資格ではなく個の考え方や仲間とのビジョンが大切なことに気がつきました。
ーやりたいことに向き合うために必要なのは、どう考えることでしょうか。
自分がどうありたいかをとことん考えることです。気持ちの面、状況、周りの環境など「自分の人生をやり切った」と思えるようにしましょう。
誰かに自分の人生の判断を委ねてしまうのではなく、主語を常に「自分」と考えて行動することも大切です。「できます、やります」と言い切り、やりたいことに向かってブレない気持ちで進むとよいと思います。
ー病院を辞めてから、印象に残ったことがあれば教えてください。
病院に勤務していたとき担当していた患者様が「感謝、お元気で」と書かれた手紙をくれたことです。私が退職を報告すると残念がっていましたが「がんばれ」と言ってくださいました。
やりたいことのために、担当していた方を病院に残してまで病院をやめたので「ちょっとやそっとのことでは辞められないな」と起業への思いが強くなった出来事でした。
ー今後の福原さんの展望を教えてください。
叶えたいことが3つあります。1つめは高齢者の「やってみたい」を叶えることです。人生には必ず終わりが来ます。やり残したことがないように、本当にやりたいことにフォーカスした関わりができるオフィスをつくりたいです。
2つめは2、30代の女性向けのシェアハウスとシェアオフィスを兼ね備えた施設を建てることです。私は退職するときに相談の仕方がわかりませんでした。起業や事業の作り方もわからず、さらに家もないという状況でした。
人とのつながりができる場所をつくることでさまざまな方の「やりたい」を叶えられるのではないかと思っています。
3つめが冒頭にお話ししたアウトドアに特化したユニバーサルデザインの一棟貸しの宿です。そこから、山村地域、医療格差のある地域で、暮らしと医療福祉がゆるっと繋がるサービスをつくります。
これで人が離れた地域をもう一度人の繋がる場所にして、耕作放棄地や空き家問題も解決したいです。宿は誰もが宿泊やアウトドアなど自然の体験を通して、やりたいことが叶う場所をつくりたいと思っています。
やりたいことや夢を持っていても人に言える環境がないことはもったいないことなので、それらを仲間でシェアし、夢を叶えられる社会を後世へとつなげていきたいです。
人生の最期に、どんな状態だったら微塵の後悔もないのかを考え、やりたいことに向かってこれからも全力で挑戦していきたいと思っています。
ーありがとうございました!福原さんの今後のご活躍を応援しております!
取材:黒澤朝海(Twitter)
執筆:林宏紀(Twitter)
編集者:松村彪吾(Twitter)
デザイン:高橋りえ(Twitter)