「やりたいこと」に向かって挑戦していく。前田徳之が教える、今ある場所から一歩踏み出す勇気とは

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを話し合うユニークキャリアラウンジ。第823回目となる今回は、前田 徳之(まえだ・のりゆき)さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

大学時代に理学療法士の資格を取得し、現在は居酒屋の正社員としてご活躍の前田さん。最初は病院でリハビリの仕事をした後、あるきっかけからカラーセラピストに。そこから「やりたいことを叶えたい!」と考え、人と話すのが好きだったことから、自分の居酒屋をオープンすることを夢見て奮闘中です。全く異なる業種の仕事を経験し、改めて「やりたいこと」に挑戦していく大切さや価値観を伺いました。

高校時代にうけた壮絶なイジメ

―自己紹介をお願いします。

前田 徳之(まえだ・のりゆき)と申します。和歌山県出身、大学では理学療法士の免許を取得し、5年ほど前まで和歌山のリハビリセンターで働いていました。現在は大阪に引っ越し、70店舗を展開している居酒屋の正社員として働いています。

将来は自分で居酒屋をオープンしたいという夢があります。今は修行中ですね。元々人と話すのが好きなので、自分で居酒屋を経営して、皆が楽しく話せる場所を作りたいなと思いました。

―それでは、前田さんの人生の転機を聞いていきます。最初の転機はいつでしたか?

はい。実は高校時代に野球部でイジメにあったことです。先輩からひどいイジメを経験しました。元々、野球は小学校からやっており将来は甲子園にいくことを目標に高校に進学したのです。

イジメは2年生の時から始まりました。正直あまりここでは口に出せないようなことをたくさん経験して。高校を卒業するまでの2年間は本当に辛かったです。そんな時、両親の言葉がとても救いになりました。

「辛いなら無理にいかなくていいぞ」と言ってくれたのです。両親や友達が話を聞いてくれたりと、助けてもらいながら何とか高校卒業しました。

―その後高校を卒業して大学へ進学されましたね。

中学時代に膝を手術した際にお世話になったリハビリの先生の影響もあり、理学療法士というリハビリの国家資格を取得できる大学へ入学しました。野球はできないけれどスポーツに関する仕事がしたいと考えたのです。

―大学はどういう環境でしたか?

同じ志を持った人たちが多く、仲間を大切にする関係性がとても素晴らしかったです。実習などで大変な時期もありましたが、皆で支え合い励ましながら目標に向かって努力し国家資格を取得できました。

―実習はそんなに大変なのですか?

3年・4年生は2カ月間、病院で実習をするのですが、とても大変でした。8時から17時まで患者さんやリハビリのことを考察しレポートを作成し、先輩に提出してフィードバックを受けます。

その繰り返しの2カ月を過ごします。睡眠時間も平均3、4時間くらいだったので次第にしんどさや辛さが蓄積していきました。

しかし、今思うと高校時代に味わったどん底に比べたら、辛くはないなと思いますね。とても大事な経験をさせてくれたと感じています。

カラーセラピー、コーチングとの出会いが自分を知る機会となった

―念願の理学療法士になって働き始めたと思います。実際はどうだったのですか?

お世話になった病院の先生の人柄が温かみのある方だったこともあり、ここで働きたいと考えていたのです。念願叶って就職することができました。

しかし、僕が出勤で先輩が休みの時に、先輩の患者さんを見るルールが要因となり、自分の気持ちとのギャップが生まれ始めました。

「あの患者さんはこうしたら良くなると思うのですが、いかがでしょうか」と先輩に相談すると、理解してもらえませんでした。最初は経験不足のため仕方がないと思っていましたが、経験が増えても、「意見を伝えたらまた自分の居場所がなくなるでは?」と、高校時代を思い出してしまい、言えなくなってしまいました。

―周囲に相談できる方はいなかったのですか?

仲の良い上司の方に、「言いたいことを言えない」と相談したところ、「知り合いにカラーセラピーをやっている方がいるから、診てもらったら?」と勧められて、診断してもらいました。

カラーセラピーとは、14色のボトルの中から直感で数個選び、生まれもった本当の自分を知ろうとする心を癒すセラピーのことです。僕が選んだ色は赤色でした。

「前田くんは、エネルギーがあるから、我慢せず言いたいことは言うべきだよ。絶対に人生が伸びるから」そうアドバイスを受けたのです。

「僕はやりたいことをやっていいのか!生きていて良かった」と自分の存在が許され、ホッとした気持ちになりました。

「知らない自分に気づかせてくれたカラーセラピストに僕もなりたい!」と思い、先生を紹介してもらって、翌月カラーセラピストになりました(笑)。

―すごい早いですね!

直感で「やりたい!僕も学びたい!」と思いましたね(笑)

また上司からの提案で、「コーチングを受けてみたら?」と勧められ、受けさせてもらいました。

コーチングとは、相手に対し目標達成に向けて主体的な行動を引き出したり、気づきを与えたりするサポート方法です。

コーチングを受けた結果、「自分は何がやりたいのだろうか、何者なのだろうか、どんな時にテンションが上がり、落ち込むのか」自分の感情と向き合い、ピッタリな働き方をしたいと考える様になりました。

カラーセラピーとコーチングのおかげで、自分を知る方法を教えてくれたのです。