仲間との紆余曲折を経て2度目の起業。諦めない心を持つ方法とはAQUA・水江祐人

憧れの学生生活からアルバイト中心の生活に

ー大学に入学してからの活動について伺ってもいいですか。

大学に入学して最初の半年は自分が思い描いていたザ・大学生生活を送っていました。サークルをたくさん掛け持ちをして飲み会に参加しましたが、お酒が弱く飲めない問題にぶつかりました。飲み会に行けば行くほど自分をすり減らすことになり、サークルを辞めて居酒屋でのアルバイトにのめり込むことになります。

ーサークルを掛け持ちしつつ、居酒屋でアルバイトをしていたのですか。

最初は掛け持ちをしていましたが、最終的にはアルバイトの割合が100%になりました。アルバイトが大好きだったのか、昼から朝まで働いていました

ー居酒屋で働く上でのモチベーションはありましたか。

モチベーションというよりは働くこと自体が好きでした。大手の居酒屋チェーンで働いていたのですが、本当に忙しく、なんとか店を回している状況が好きでした。

ー受験やアルバイトの話を通して十何時間継続して何かをやりつづけている印象を受けました。

アルバイトは15時から翌朝5時まで働いていました。僕としては決まったらやるという感じだったので、朝5時までアルバイトをして仮眠しての繰り返しでした。そんな生活を続けていると、店長のようにアルバイトのポジションを本社の本部長と話し合って決めていました。当時はがんばった先の道を見ることができ、楽しかったです。

ーアルバイトで学んだことはありましたか。

アルバイトで営業的な側面も経験しました。お店がキャンペーンを打って販売したり、クレジットカードの紹介をしたりしました。当時、大阪で上位の成績を出したこともあります。アルバイト先での営業経験をもとに飛び込み営業のベンチャーに入り、そこで経験を活かすことができました。

ー飛び込み営業のベンチャーですか。

大学生約30人で飛び込み営業をする会社に武者修行する形で入りました。僕は絶対に諦めない精神があったので、9時から21時までピンポンを押してひたすらがんばっていました。活動上限の時間までがんばった結果、メンバーの中で一番よい成績を取ることができたのです。

仲間との紆余曲折を経て2度目の起業。いつか地元を盛り上げたい

ー飛び込み営業のベンチャーでは営業の仕事をされていたとおっしゃっていましたが、就職に関してはどう考えていましたか。

大学生の頃は就職する気満々だったのです。さまざまなインターンに参加してがんばっているうちに自分でチームを作ってみようと思いました。チームを作っていく過程で、就職するよりも今ある選択肢をどこまで追求できるのかをチャレンジしたいと考えるようになりました。

ー自分がやりたいことの軸を作り、形成していった感じだと思います。最初はどのような滑り出しでしたか。

大学の友達づてで約15人のチームを作り、商材をいただいて代理営業をする事業から始めました。自分は朝から夜まで走り切る熱量を持っていましたが、なかなか再現性を持たせることができなくて。販促用の研修動画を制作したり、決起集会を開いたりして一時は上手くいきましたが、半年後にチームを解散することになりました。

仲がいいチームでも円満に解散することはできませんでした。最終的には創業メンバーだった2人の関係も一時悪くなりました。それでも一歩ずつできることに取り組んで今があります。

ー当時、水江さんは苦しかったと思います。心が折れたり諦めたりすることはありませんでしたか。

折れそうになりましたが、折れたことは一度もないです。ただ、仲間から敵扱いされた記憶があるので、とても苦しかったのを覚えています。

何をすればよいのかわからないとき、メンバーとはInstagramで繋がっていたので毎朝5時にランニングしている様子をストーリーにあげることを始めました。立ち止まらず前に進んでいることを示したかったのです。

ー毎朝ストーリーを上げて得たことはありますか。

現状を伝えることが大事だと思いました。どこに向かっていて、何が大事かを共有することは大事だと思います。

ー現在の会社の事業について伺ってもいいですか。

現在は動画制作事業をしており、大きく分けて2パターンで事業を展開しています。1つめはプロジェクトをお客様と一緒に進めていく方式です。2つめは一本完結型で制作させてもらう方式です。プロジェクト型は動画制作に関するさまざまな人が関わってショート動画を編集したり、講演会の運営をしたりしています。

ー動画をやろうと思ったきっかけはありますか。

解散後、何をしたらいいのかわからない時期がありました。いろいろなことに取り組む中で当時所属していた環境で最年少だったこともあり、PR動画を作成する依頼が来て、本やYouTubeなど手探りで動画の勉強をして納品した経緯から案件をいただき、そこから深掘りしていきました。

ー現在の会社のメンバーなど挫折を経てからの心理状況はどうですか。

チームはやはりいいなと思います。それぞれの強みを活かして、お互いがプロ意識を持って会話できているからこそよい関係性を築けていると思います。

ー小さい頃、社長に憧れていたと思います。今とリンクする部分や変わった所はありますか。

変わった部分が大きいです。社長は華やかという抽象的なイメージからスタートしたのですが、実際は社長という役割があってそれぞれが役割を担っていると思っています。

起業をして祖父に話を聞きに行ったことも影響を受けています。祖父からは「本当にこの道でいいのか」と言われました。嬉しいと思いながらも、とても苦労するとわかっていたのだと思います。

ー水江さんの今後の目標はありますか。

僕は大学を卒業するまで大阪府の池田市で過ごしました。池田市は地元に根付いて過ごしている人が多いのですが、僕は外に出て行く人が目立ちつつあると思っています。現在は池田市に住んでいないのですが、いつか地元に戻り、池田市を盛り上げていきたいです。

テントサウナを通してイベントを開催し、池田市を盛り上げていく取り組みもしていきたいです。

ー最後に水江さん自身にとっての諦めないことへの向き合い方と上を向いてがんばり続ける大切さについて伺ってもいいでしょうか。

自分自身の過去を振り返ってお話をする機会がなかったので、深掘りしていただいてありがたいと思いました。過去を振り返ると前に進んでいることに改めて気づけたのはよかったです。今回の対話を通して、とにかく前を向いて進み続けることが大事だと思いました。

ーありがとうございました!水江さんの今後のご活躍を応援しております!

取材:和田晶雄(Twitter
執筆:Kumi(Twitter
編集:松村彪吾(Twitter
デザイン:安田遥(Twitter