仲間との紆余曲折を経て2度目の起業。諦めない心を持つ方法とはAQUA・水江祐人

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第797回目となる今回は、株式会社 AQUAの水江 祐人(みずえ・ゆうと)さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

動画制作事業を展開する会社で社長を務める水江さん。幼少期に祖父の姿を見て社長になることを夢みますが、中学で陰湿ないじめに遭いながらも応援団長を務めるなど陰と陽の中学生活を送ります。高校、大学を経て2度の起業を経験して感じたこと、今後の展望などについて伺いました。

 

祖父の姿を見て社長に憧れを抱く

ー自己紹介をお願いします。

株式会社 AQUAの水江 祐人(みずえ・ゆうと)と申します。動画制作の事業をしています。普段はインタビューする側のため、自分自身の過去を聞いていただけるのを楽しみにしていました。

ー小さい頃から社長になる夢を抱いていたそうですね。きっかけはあるのでしょうか。

僕の祖父は大分県の別府温泉でホテルを経営しています。幼少期からそんな祖父の姿を見ていました。幼い頃、両親と一緒に祖父のところに通っていた時には社長のお孫さんとして周りは大切に扱ってくださいました。

幼稚園で画用紙1枚に将来の夢を描くことがあり、僕はホテルを描いて将来の夢は社長と宣言したことをうっすら覚えています。

幼稚園生の時にはいつか社長になりたいと憧れを持っていました。

ー小さい頃から社長になりたいと思うのは珍しいですが、祖父のような経営者になりたいと思っていたのですか。

そうですね。祖父のような経営者になりたいと憧れていました。しかし、起業をして改めて祖父に会いに行き、経営について詳しく話を聞くと想像以上に苦労していたことを知りました。憧れの存在の側面だけを見て育っていたのです。

陰と陽を経験した中学生活を送り、高校では部活動中心の生活を送る。

ー学生時代の思い出や出来事はありますか。

中学生は気持ちが下がっているのか上がっているのかわからない日々を過ごしていました。部活はバスケ部だったのですが、陰湿ないじめをする部活だったのです。帰ろうとしたら靴がなく裸足で帰ったり、僕だけパスを強く当てられたり、片付けを一人でやっていたり。

いじめに遭いながらもバスケは好きで続けていました。一方で、体育祭や生徒会活動が盛んな学校だったので、体育祭で応援団長をしたり、生徒会選挙に副会長として立候補して当選したりしました。

昼間は絵に描いたような中学生活を送っていましたが、放課後は陰湿ないじめをする部活だったので、感情がぐるぐるした中学生活だった思い出があります。

ープラスとマイナスが行き来するイメージですか。

プラスの感情とマイナスの感情を同じ時系列の中で抱えながら過ごしていました。日中は部活の友達と関わる機会が少なかったです。

そのため、「中学校時代はどうでしたか」と聞かれると、「楽しかったといえば楽しかったですし、しんどかったといえばしんどかった」という回答になります。どこを見るかによって変わると思います。

僕は感情の幅をそこで経験しました。

ー中学を卒業したあとは高校に進学したとお伺いしました。どのような高校生活でしたか。

高校でもバスケを続け、部活中心の生活を送っていました。進学校ということもあり、体育祭や文化祭に力を入れる学校ではなく、勉強が中心でした。学生生活を楽しむというより部活に打ち込むことが多かったです。高校で出会った仲間とは今でも会う関係で、挫折せずにバスケを続けてよかったと思います。

ー部活に打ち込みすぎて学業を疎かにしていたのですか。

部活ばかりをしていたので一浪しました。浪人中、勉強に打ち込めば良かったのですが、最初の半年はアルバイトに打ち込むという絶対にしてはいけないことをしてしまっていました。

ーアルバイトをする理由はあったのですか。

浪人が決まった時に自分自身で自分の使うお金を稼ぎたいと思っていました。大学に進学した友達がアルバイトを始める時に声を掛けてもらって。当時の僕は自分も両立できるのではないかと過信があり、アルバイトをはじめたのです。

結果、アルバイト中心の生活になり、模試の判定が最後まで出なくて焦りました。予備校の先生から「第一志望は無理だよ」と言われてしまって。その時、高校時代のバスケ部の友達に「それだけ自由にしていて落ちたらダサいよ」と言われて目が覚めました。それからは寝ている時間以外、必死に勉強して第一志望に合格することができました。

ー火力がすごいですね。

一度夢中になるとのめり込むところがあるのです。友人の一言のおかげでなんとか追い上げができました。1年を通して少しずつ勉強するより、追い込まれた3ヵ月で取り戻した感覚はあります。