記憶だけでなく形に残る人生を。若くして死を意識したNao屋 代表・麻生尚が大切にする人生観とは

新卒で入った会社を退職し「人生を切りとる」事業をスタート

ーそこから25歳で新卒で入った会社を退職されたんですね。

そうです。新卒で入った会社はコロナの影響もあり、入社したときとカリキュラムが少し変わってしまっていました。

「成長したいと思って入ったのに、このままじゃ成長が止まってしまう」と思ったのと、高校時代の友達にずっと絵本の事業がやりたいと話していたら「ええやん。お前がやらないなら俺がやるからな」と背中を押してもらったこともあり、独立するために退職しました。

そこから始めた絵本の事業は「その人の人生を1冊の絵本にする」というもので、人が亡くなるときにその人のストーリーが残らないのは寂しいなという思いから始めました。おばあちゃんの戦争の話を語り継ぐ絵本だったり、右を開いたら新郎、左を開いたら新婦のストーリーで、真ん中で2人の人生が交わる、というような絵本を作っています。

ー素敵ですね!撮影の事業はどのようなものなのでしょうか。

働いている姿を写真に残すライフメモという事業も始めました。日本人は平均して65歳ぐらいまで働くので、生涯で10万時間ほど仕事をしていることになります。そんなに時間を使っている“仕事”を形に残したいという思いから、撮影の事業を始めました。

今は働いている姿を出張撮影したり、ビジネスパーソンが仕事で使うプロフィール写真を撮ったりしています。

ー麻生さんは何かに残すことをすごく大切にされているんですね。フィットネスの事業はどのようなものなのでしょうか?

パーソナルジムの事業については、自分で起業したわけではなく雇ってもらっています。そのパーソナルジムは「死ぬ最高」というキャッチコピーを掲げているんです。

人間は20億回脈を打つと死ぬと言われています。動物って大体そうで、脈が速い小動物のほうが寿命が短くて、脈が遅いゾウとかは寿命が長いんですよね。人生いつ死ぬかわからない。

うちのパーソナルジムでは筋肉を綺麗に作りながら、心拍数を最大限まで上げて死に近づけて、高揚感も上げて自己肯定感も上げて自分のやりたいことをやっていこうという裏のコンセプトがあるんです。そこにすごく共感して参画させてもらい、一緒にやらせてもらっています。

記憶だけでなく形に残る人生を

ー今後の展望を教えてください。

自分の人生に正面から一人ひとりが向き合って、自分の生きた証や自分のストーリーを形に残せることが当たり前の世の中にしていきたいです。

いつ死んでも後悔が残らないようなものを、人の記憶だけでなく形として残したい。みんなが自分の人生を思い描ける日本に、そして世界にしていきたいです。自分が少しでもその力になれたらいいなと思っています。

ー最後に、U-29世代へメッセージをお願いします!

U-29ということで世間ではまだまだ若い人たちだと思いますが、自分が想像してる以上に死は近くにあります。40歳になるときには、30人クラスの小学校の同級生が1人亡くなってしまうという数字もでています。

今の人生で後悔のないように、そして自分の人生を何かしらの形にすることを意識しながら生きてもらえたら、個人的には嬉しいです。僕の事業を一緒にやってくれる人がいたら、待っています!

ーありがとうございました!麻生さんの今後のご活躍を応援しております!

取材:八巻美穂(Twitter / note
執筆:悠里
デザイン:高橋りえ(Twitter