やりたいことがなかった学生時代。社会人になってできた目標は”エンジニアを幸せにする会社”

さまざまな経歴を持つ方々が集まり、これまでのキャリアや将来の展望などを語り合うU-29 Career Lounge。第40回目のゲストは株式会社アンチパターン・小笹佑京さんです。

学生の頃まで”やりたいこと”が分からず、悩んでいた小笹さん。

ただ、先輩に「やりたいことができた時に、挑戦できる人を目指そう」からヒントを得て、株式会社イノベーションにて5年間の修行を積みます。

そこから踏み出した、起業。

このインタビューの前半は「イノベーションに入社したきっかけ」をお伺いし、後半では「起業までの背景」についてお聞きしています。

“やりたいことが明確化した時に動ける人”になるために、イノベーションにて5年間の修行を積む

ーー起業に踏み切った小笹さんですが、学生時代から”やりたいこと”は明確だったんですか?

小笹:就活当時は、自分のやりたいことなどが分からず悩んでいましたね。

とある先輩に相談したところ「別に、”今”やりたいことがなくても大丈夫。その代わり、やりたいことが見つかった時に挑戦できる人を目指してみれば?」と助言をいただき、すっと腑に落ちたんです。

すぐに挑戦できる人になるためには、スキルも実績も人脈も必要…。そう考えた時に、5年間で圧倒的な成長が必要だと思ったんです。

そこでタイムリミットを”5年”と設定し、一生懸命働くことを目指しました。

ーーおもしろい発想ですね。株式会社イノベーションをファーストキャリアにした背景は何でしたか?

小笹:たくさんあるのですが、5年で成長するために、若手の頃から様々な仕事を任せてもらえる環境が大切だな、と考えました。

そして、代表が元リクルート出身で、縁を感じましたね。

実は、経営者の父も母もリクルート出身なので、知らず知らずのうちに”リクルート”に惹かれていたのかもしれません。

ーーそんな縁があったんですね。他に会社選びの軸などはあったんですか?

 小笹:当時から、僕はお金よりも「自己実現」や「社会貢献性」を大切な軸にしていました。幸い家が裕福ということもあり、お金に対する執着があまりなかったからだと思います。

イノベーションはBtoBの会社で、マーケティングを通して”日本の労働生産性を上げる”ことにコンセプトにしていて。

僕は、そのストーリー性に共感して、入社を決めましたね。

ーーそうだったんですね。イノベーションではどの職種からスタートしたんですか?

小笹:エンジニアとしてスタートしています。実は、内定者インターンではカスタマーサポートを担当していたんですが、開発に携わりたいと思って人事に「エンジニアに転向してほしい」とお願いして、エンジニアに配属してもらいました。

そこから5年間イノベーションで修行をし、子会社である”Anti-Pattern(アンチパターン)”を立ち上げました流れになります。

イノベーションの子会社から独立へ。やりたいことがわからなかった僕が、起業に踏み出せたわけ

ーーエンジニアに特化したAnti-Patternを立ち上げられましたよね。起業したきっかけは何でしたか?

小笹:アンチパターンの前身は、元々イノベーションの子会社(エンジニア組織)として立ち上がっていました。

ただ、メンバーと今後の方向性などを話し合った時に、イノベーション社とアンチパターンの目指す方向性が、それぞれ違かったことに気づいたんです。

また、評価制度や勤務形態などの整合性を、「イノベーショングループ内で目指すのは難しいな…」と感じて。

であれば、アンチパターンが描きたかった”エンジニアを幸せにする会社”を追求するためには、別会社で運営した方が善だと判断し、起業という運びとなりました。

ーーそんな背景があったんですね。学生の頃までは、やりたいことが分からなかった小笹さんですが、起業に踏み切った。とても大きな変化だと思いますが、恐怖はありませんでしたか…?

小笹:起業することに、抵抗や恐怖などは特にありませんでしたね。実は、両親や叔父さんも起業していて、身内に起業家が多いんです。

そんな環境で育ったので、起業は”リスク”だけではなく、やりたいことを実現するための”手段”という印象があったので、偏見などもありませんでしたね。

こだわりの社名”Anti-Pattern(アンチパターン)”の由来

ーー社名の”アンチパターン”ってイメージ強烈ですよね。社名の由来をお聞きしたいです。

小笹:まず1番は、”エンジニアにしか理解されない名前”を作りたかったんです(笑)。

”アンチ”と付いているので、メガティブなイメージを持たれる方が多いので少し残念です。エンジニア的に”アンチパターン”は、別に悪いイメージ・意味ではないんです。

エンジニアの世界では”アンチパターン”という言葉があって、「失敗から学びを得る」という意味が込められています。

何かを生み出す際に初めてのことだらけなので、失敗から避けられない。むしろ、失敗から学べるので財産になるんです。

なので、Anti-Patternは良い意味なんだよって伝えていけたらいいですね。

ーーたしかに、何かを生み出すのには失敗が付きものですよね。

小笹:そうですよね…。また実は、リトマス試験紙のような役目もあって。エンジニアとそうでない人を見分けることができるんです。

”Anti-Pattern”と聞くと、反応が「お、いいじゃん!」と「え、アンチ?」の二択できれいに分かれるんです。前者は”生粋のエンジニア”で、後者は”エンジニアではない人”ですね(笑)。

弊社がエンジニアに特化した企業なので、「エンジニアっぽい社名」には人一倍こだわりました。

経営者の父の存在。そして今後強めていきたい”発信”

ーーずっと気になっていることがあるのですが、経営者として成功されているお父様を持つ小笹さん。やはり日頃からアドバイスなどはいただいているのですか?

小笹:アドバイスはもらっていますね。何か相談事があれば、父に相談することもありますし、教わったこともたくさんあります。

起業するにあたり、オペレーション部分で結構アドバイスをくれて。メンバーの選定や経営方針など、助言をくれましたし、影響された部分も多いです。

“親子”でもありますが、僕にとって”メンター”に近い気がします。

ーー素敵な関係性ですね。ご自身の指針となっている、お父様の言葉は何かありますか?

小笹:直接くれた言葉よりも、父からは「どんなときも、やりたいことをやりなさい」という言葉にいつも助かっています。僕の背中を押してくれますからね。

小さい頃は”やりたいこと”がなかなか見つからず、正直、父の言葉が時には重荷になることもありました。

ただ、大人になってからやりたいことが見つかり、日々没頭できるのがとても幸せです。やりたいことを行うことが幸福感に繋がるのは、父の教えがあったからだと思い、感謝の気持ちでいっぱいですね。

ーーでは最後に、直近で力を入れたいことを教えていただきたいです。

小笹:新規事業などに着手しているので、引き続き頑張りつつ、同時に”発信活動”にも力をいれたいです。

いくらすてきな事業をやっていたとしても、届いていないと、もったいないですからね…。

代表として、まずは僕の発信活動を頑張りつつ、Anti-Pattern Inc.の魅力を同時に伝えていけるように頑張っていきたいですね。

取材:西村創一朗、執筆:ヌイ、撮影:山崎貴大、デザイン:矢野拓実