心地よく共存できるペットフレンドリーな社会に。PETSPOT代表 羽鳥友里恵

「ペットフレンドリーな社会」を目指して会社を設立

ーPETSPOTはどのような会社なんですか?

ビジョンは、日本をもっとペットフレンドリーな社会にすることです

ペットを飼っている人と飼っていない人が、共存できる環境や意識を生み出すことで、ペットフレンドリーな社会になるのではと考えました。

全ての場所をペット可にするということが、必ずしもペットフレンドリーだとは考えていません。ペットを飼っていない人のことも考えないと共存にはなりません。バランスが大事だと思っています。

『PETSPOT』の事業は大きく分けると3つです。

1つ目は「わんちゃん用のプロダクトも人間と同じようにしていこうよ」というメッセージを込めた商品をプロデュースしています。

わんちゃんに対する商品は雑貨扱いですので、全成分表示をしていなくても販売できてしまうのですが、それは間違っていると私は思っています。昨今ペット市場が伸びているということで、お金儲けのためにペット商品を開発している市場の意識も変えていきたいです。

2つ目の事業のテーマは「共存」です。ホテルや商業施設に対して、どうしたらわんちゃんも利用ができ、ペットを飼っていない人や苦手な人でも同じように過ごせるのかをコンサルティングしています。

ペット不可のホテルが、ペットと泊まれる部屋を作りたいときや、ロビーの空間やエレベーターの設計に迷うときに、サポートしています。

ーペットを飼っている人にも飼っていない人にも、過ごしやすい空間作りのためのコンサルティングをされているんですね。

ホテルや旅館の状況に合わせて、一緒にプランニングをしています。ホテルはまだ少ないので、これから増やしていきたいと思っています。

3つ目は避難訓練や防災対策です。万が一災害がおきたときに、ペットを連れていた場合どうしたらいいのか、施設側にナレッジがないことがあります。

私は「ペット防災危機管理士資格」を持っていますので、知見をマニュアル化して従業員の方に差し上げるといったコンサルティング事業もしています。

ー羽鳥さんのモチベーションはどこから出てくるのでしょうか?

働くというのは、人生のほとんどを使いますよね。おもしろい仕事も数多くあると思うのですが、これをやらなきゃ死ねないということをやりたいと思っています。

学生時代は表層的な考え方しかしていませんでしたが、人生に欠かせないものを考えたときに、ペットとの生活というところに行き着きました。

ペットとの生活は、社会課題としてはあまり取り上げられることがありません。それよりも緊急性が高い問題や、人の命に関わる社会課題がたくさんあるからです。

それでも私は、ペットとの生活が人間の精神面に影響を与えることが大きいと考えているからこそ、真摯に取り組むべきだと考えています。

PETSPOTの事業は、ペットにまつわるものですが、飼っている「人」と飼っていない「人」にフォーカスをしています。日本で、双方が心地よく共存できる社会環境をどうやって作っていくか、何もないところから作り出すことにモチベーションが湧いてきます。

ー羽鳥さんは今後、挑戦したいことや目指したいことはありますか?

個人としては、人間として成長し続けていきたいです。どんなもの、どんな人に対しても、学ぼうという気持ちや、謙虚さを持って、人間力を上げていきたいと思っています。

事業としての目標は、「世論を動かしていきたい」。自治体や行政との取り組みを増やしていくことが、社会を変えるひとつのきっかけになると思っています。

実際にいくつかの施策を始めています。様々な社会問題に対しても、動物と共存していくことが解決のきっかけになるのではないかと考えています。

これからも「ペットとの共生」を切り口に、より良い社会を作っていける事業をやっていきたいです。

ーステキなお話をありがとうございました!羽鳥さんのこれからのご活躍も応援しております!

取材:和田晶雄(Twitter
執筆:後藤ちあき(Twitter
編集:杉山大樹(Facebook / note
デザイン:安田遥(Twitter