様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第704回目となる今回は、現役大学生の旅行系Youtuber・ケージーさんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。
Youtuberとしての活動に加え、大学生向けの情報メディアやSNS運用も手掛けるケージーさん。海外旅の魅力にハマった経緯や、人生の可能性を広げるために大学在学中にできることを語っていただきました。
Youtubeで憧れたインド旅で人生観が激変
ーまずはじめに、自己紹介をお願いします。
現役大学生で、旅行系Youtuberのケージーです。Youtubeで海外の情報を発信しながら、大学生の可能性を広げるメディアや、都内のエスニック料理店をまとめたSNSの運用にも携わっています。
ーどのような内容のYoutubeを配信しているのですか?
海外各地を旅しながら、自由に使えるお金は少ないけれど時間はたっぷりある大学生ならではの海外の楽しみ方や、現地事情を紹介するコンテンツを配信しています。
ラオスやミャンマーなどの国で物価調査をおこなった「1000円使ってみた」企画が好評で、多くの方にチャンネル登録してもらえました。
ー多岐にわたって活躍するケージーさんが、海外に興味を持ったきっかけは?
海外旅行に興味を持ったきっかけの1つは、人気Youtuberとして活躍するジョーブログさんの旅動画を観たことです。「アメリカ0円横断」や「南米縦断」などの破天荒で過激な旅に憧れて、いつか自分もバックパッカーに挑戦したいと思うようになりました。
2つめのきっかけは、高校時代からの友人です。僕は香川県の小さな島の出身なのですが、偶然にもアクティブな友人に恵まれて。大学1年生の時に、彼から海外旅行に行かないかと誘われて、人生初のインド旅へ行くことになりました。
ー友人とのインド旅が海外への第一歩になったのですね!はじめての海外に不安はなかったですか?
正直、不安がなかったわけではありません。治安が悪いイメージのあるインドへ行くことに対して、家族からの反対も受けました。大学の友人には、大学最初の夏休みにあえてインド旅行へ行く理由をなかなか理解してもらえなかったです(笑)。
ー実際にインドを旅して、発見や気づきはありましたか?
特に印象に残っているのは、生と死が交錯するガンジス川での出来事です。ヒンドゥー教の聖地といわれるバラナシを訪れた際に、多くのインド人にとって生涯の最後をガンジス川で迎えることが最後の願いだということを知りました。
ガンジス川で沐浴をする場所のすぐ横に火葬場があり、公衆の場で遺体が火葬されるさまを目の当たりにして……。インドでしか得られない強烈な体験でした。
ー日本では見られない光景を目の当たりにして、いかがでしたか。
死が身近にあると実感してからは、死生観が大きく変わりましたね。「人生は1回きりで、僕自身の命も偶然生まれたものであって、授かった命を無駄にすることは人生の暴虐になる」と感じるようになりました。
ーインドから帰国して、日常生活には変化がありましたか。
インドで大きく価値観が変わった影響で、以前のように大学で勉強をする生活に違和感を感じるようになりました。一時は退学も考えたほどです。
ちょうどその頃に休学制度の存在を知り、「大学を休んでいろいろな挑戦ができるなんて素晴らしい!」と感じて1年間の休学を決意しました。
海外インターンでの挫折を機にYoutuberへ転身
ー1年間の休学期間では、どのようなことをされていたのですか?
休学期間中は「海外に長期間滞在すること」に主軸を置き、最初の数か月間はフィリピンに留学して英語力を鍛えました。
フィリピン留学を経て、バングラデシュで2か月間の海外インターンに挑戦したのですが、苦労の連続でしたね。休学中の残りの期間は、Youtuberとしての東南アジア旅行に費やしました。
ー海外インターンを経験して、学びや気づきはありましたか。
僕にとって、海外インターンはものすごくしんどかったですね。
1つめの苦労は、言葉の壁です。バングラデシュで働く30人のエンジニアに対して、すべて英語で話さなければならないという環境は、予想以上に大変でした。
相手と仲良くなるための雑談ひとつとっても、日本人同士なら伝わるニュアンスは通じないし、どんな話が心に刺さるのかもわからない。バングラデシュの歴史や文化、宗教、価値観を全部勉強して、現地に溶け込めるよう努力しました。
もう1つの苦労は、バングラデシュでの生活そのものです。何をするにも不自由なことが多く、貧困率の高い発展途上国に住む厳しさを痛感しました。近場のお店に行くにも渋滞で2時間遅れたこともあり、日本では考えられないような出来事をたくさん経験しました。
ー海外インターンを振り返って、良かったことはありましたか?
実際に海外で働いたことで、社会人として海外企業で働く具体的なイメージができるようになりました。今後、海外インターンを考える学生にも知見を共有できるので、良い経験になったと感じています。
これまでの人生では関わりの無かったバングラデシュと日本との関係性への理解が深まったことも、自分にとっての財産になりました。
ーインターン後にYoutuberに転身されましたが、Youtubeをはじめようと考えたきっかけは?
バングラデシュでのインターン中に、軽いノリで現地情報をまとめたコンテンツをYoutubeで配信したんです。バングラデシュの日本語情報が世の中に少ないせいか、予想以上に再生回数が伸びて驚きました。
そこからYoutubeにもっとコミットしたいと思うようになり、バックパッカーに転身しようと決めたんです。僕自身が海外を旅する様子をYoutubeで紹介するスタイルで、4か月間をかけて東南アジアの国々を巡りました。
ーYoutuberになってみて、うれしい瞬間や楽しかったことは何ですか?
自分の企画したものがバズって、多くの方に動画を見ていただけたときは、Youtubeをやっていて本当によかったと感じます。
僕の動画をきっかけにシンガポール赴任を決めた方や、バックパッカーとして海外旅行に行った方もいて、誰かの挑戦の後押しができたとうれしく感じました。
ーYoutuberになって、新たな気づきや発見はありましたか?
普段は会えない人と繋がれるようになりました。Youtuber同士のつながりも増え、Youtube運営などについて学べる機会も多いです。