頑張り切る世代として、好きを突き詰めたい。DIRIGIO代表・本多祐樹

アルバイトの肌感覚とマーケティング数値で掴んだ事業の種

ー事業を始めるときに、誰に向けて何を届けることに挑戦されたのでしょうか?

まず、社会人としてのキャリアがなくても、業界の知識がなくても勝つ可能性が高いことを考えました。

元々、飲食店でアルバイトをしていたので、飲食の領域はIT化されていない部分が多々ある一方で、それに対して業界の知識を深く持って取り組んでいる人はキャリア的にもいないと判断しました。

自分は飲食店が好きでアルバイトしているし、少しではあるけど人より知識があって若いから起業してもチャンスはある。急に建設業のIT化を進めるよりは、戦える可能性が高いと思ったので始めました。

ー当初は1人でスタートさせたのですか?

そうですね。立ち上げ時は4人の初期メンバーで全く別のサービスを運用しようとしていました。しかし、僕がそのサービスは厳しいと判断してクローズした時に、違う道を選び分かれました。そのため、代表は僕だけですが、他のメンバー3人と共に立ち上げた形ではあります。

ー現在のモバイルオーダーや事前決済サービスは、起業後どれくらいで着手し始めたんですか?

起業後すぐ、2016年の秋ぐらいだったと認識しています。最初に事業を起こそうとした3人と別れ、次の事業を模索する中でテイクアウトはマーケットとして伸びているから、そこに何かしらのソリューションを提供できればいいんじゃないかと思いました。

ーテイクアウトは自粛期間に入ってから伸びているイメージが強いですが、当時はすでに業界人には伸びると思われていたんですか?

自分も飲食店でアルバイトをしていた時はテイクアウトする人もいるんだと思っていた位です。当時は産業の中で唯一成長しているのが「食」で、それは作られた食品を家で食べる体験でした。アルバイトを通して肌で感じたことを、テイクアウトのマーケット数値で確認できたことが一番大きいかなと思います。

ー2016年頃は、まだモバイルオーダーやテイクアウトは珍しかったように思います。アメリカではどんな動きが始まっていたんでしょうか?

国内については、日本経済研究所がマーケットサイトに出している成長予測を見ました。アメリカについては、英語の文献を調べて、そこに書いてある数字からテイクアウトの時代に突入することを確認しました。独自調査をしたわけではなく、普通にGoogle検索をしただけです。

自分でチャンスを掴みにいく

ーリーダーシップについての見解や感覚をお伺いできますか?

リーダーシップのあり方は時代や組織によって変わるので一概には言えないですが、まず前提として目標を作れることがリーダーシップを発揮する上で大切だと思っています。

さらに、目標の捉え方も人それぞれになることもあるので、自分の示した目標にはどのような意味があるのか一緒に見つけていこうとする姿勢も大事だと考えています。

僕は政治家になりたかったというのもあり、自分のやりたいことを本気で見つけて頑張れる人が1人でも増えればいいと思っています。少なくとも自分の会社の人たちと自分の関わった人たちに対しては、目標を見つけて全力で汗をかけるようにありたいなと強く思っています。

ー事業を進める上で、大切なことはなんでしょうか?

機会を自分で取りに行く力は大事だと思いますね。よい機会はそれほど多くないから、自分で取りに行く前提に立っていることは誰でも同じだと考えています。

だから、目標を持った上でどんな機会が欲しいのかを考え、その機会が多い場所に行ったり、自分で創出したりすることさえできれば、僕は絶対みな平等にチャンスがあると思います。

サッカーやバスケットボールでも、自分が信頼されてないとパスが回ってこないように、パスが勝手に回ってくるものと勘違いしてはいけないな、と僕は思っています。「絶対にシュートを決めるからパスをこちらに寄こせ」と言わなければ、基本的に回ってきません。パスを取りにいく力が僕は大事だと思います。

好きなものを一緒に、徹底的に突き詰める存在になりたい

ー本多さんの今後の展望を聞かせてください。

これまでいろんな方に投資をいただいたおかげで、現在は社員数が3倍になり、成長のステージにあります。信じてくれた仲間や株主の方に対して、上場の目標を掲げ、まっすぐに走って行きたいと思っています。

今後5年間の目標は、ユーザーに良質なサービスを提供できた証のひとつとして、上場と言う形でマーケットに出ていくという大きな展望を持っています。

最後に、U-29世代へメッセージをお願いします!

自分が輝けるものを見つける事は大事だなと思っています。例えば絵を描くのが好きならば、絵を描きビジネスにする方法を考えればいい。好きなものと仕事は二律背反するものではないと思っています。

自分が好きだと思えるものを1つでも2つでも同世代の人が見つけて、それについてメチャクチャ熱量を持って取り組めたり、話ができたりする人が増えたら、幸福度も高くなると思います。

たとえ違う領域でも切磋琢磨できる関係はすごく良いと思っていますので、自分の好きなものを徹底的に突き詰め、目標を決めて頑張りきることを一緒にできる世代になれればと思います。小さなことでも、自分が本当に好きなものを見つけることがすごく大事だと思います。

ーありがとうございました!本多さんの今後のご活躍を応援しております!

取材:山崎貴大(Twitter
執筆:えるも(Twitter
デザイン:高橋りえ(Twitter