人生に正解はないが最適解はあるのではないか?ESGアナリスト三上諒子

サステナビリティのコンサル企業でインターンを経験。自分の手でサステナビリティをやりたいと思うように

ー大学4年生のときには、サステナビリティの外資コンサル企業でインターンシップを経験されたとお伺いしました。どのような業務を経験されていたのでしょうか?

現在している業務とほとんど変わりませんが、リサーチ業務を主にしていました。具体的には、企業が出しているアニュアルレポートや、サステナビリティレポートで開示されている情報の、ケーススタディをしていました。ケーススタディの作業内容は、それぞれのテーマでどんな取り組みが行われているのか、先進企業20社ほどから情報を集める作業でした。

生のデータに触れていたことは、自分のなかで非常に良い経験をさせていただいていたなと思っています。そのときの経験のおかげで、先進企業が「どんな取り組みをしているのか?」「どんな情報を開示しているのか?」といったことが見当がつくようになりました。

ーたくさんの経験を大学でされていたわけですが、将来はどのような仕事がしたいと思っていましたか?

大学4年生でインターンシップをしてESGとサステナビリティの知識がついたときに、自分が企業側に回ったら、どんな取り組みができるのか興味がありました。事業会社でのサステナビリティを、自分の手でやってみたいという思いが非常に強かったんです。

私が就活をしていた当時、サステナビリティ枠での採用はほとんどありませんでした。自分が直接サステナビリティに関われる仕事を探していたときに、CSVを企業理念としているITベンチャーの社長とお話することがありました。その方のニーズと私のやりたかったことがマッチして、そのITベンチャーに就職しました。

ーITベンチャーに就職していかがでしたか?

入って2ヵ月目に事業再編があって、200人いた社員が50人まで減って非常に驚きました。もうひとつ驚いたことが、私は新卒にもかかわらず、すべて1人で業務をしていたことです。情報量の多い分野で、自分1人ができることは限られているのです。

ベンチャーだったため、ある程度は自分でやらなければならないと覚悟をしていました。しかし、あまりにも導きが少なかったことで、ベンチャーに向いていないと思うようになりました。自分がやりたいと思っていたことができなかったため、現在の会社に転職したんです。

ー現在の会社はどのような基準で選ばれたのでしょうか?

サステナビリティについて考えたときに、ESGの環境(E)と社会(S)が成り立つためには、ガバナンス(G)が大事だと思い、現在のコーポレート・ガバナンスのコンサル会社を選びました。

ー副業として、FPのライターとしてもご活躍されているとお伺いしました。どうして、FP(ファイナンシャルプランナー)のお仕事もされているのでしょうか?

昔からFPについて興味があったからです。近い将来、サステナビリティとファイナンシャルプランナーを組み合わせて何かができたら良いなと思っています。

大学4年生のときにFPサテライトでインターンシップをする機会があり、そのときから現在まで、FPサテライトでライターをさせていただいています。

人生に正解はないが、最適解はあるのではないか

ー今回のインタビューテーマとして「人生に正解はないが、最適解はあるのではないか」を挙げていただきましたが、このことについてはどのようにお考えですか?

人によって考え方が違いますし、やりたいことも違います。ある人の人生においては、この行動が良かったということはあると思いますが、それが別の人にも当てはまるかといえばそうではありません。ということは、普遍的な正解は絶対にないと思っていて

ただ、すべての選択において、なんでも良いのかといわれると、そんなことはありませんよね。みんなそれぞれ軸を持っていて、そのときの環境で選んでいくと思うんです。だからこそ、どんな基準で、どんな環境で選んでいくのかが大事だと思います。

最適解と表現した理由は、正解が無いなかで、正解らしいものを選ぶ必要があるからです。

ー最後に三上さんの今後の展望をお聞かせください。

私はリカレント教育が大事だと思っているので、海外の大学に行きたいと思っています。サステナビリティのマネジメントは、欧州でとても進んでいるので、現場を肌で感じてみたいという思いがあります。

自分の視野を広げるために、もう一度学ぶこともひとつの選択肢としてはありだと思っています。

ーありがとうございました!三上さんの今後のご活躍を応援しております!

取材:あおきくみこ(Twitter/note
執筆:松村彪吾(Twitter
デザイン:高橋りえ(Twitter