人生は「やって良かった」の積み重ね!起業家TikToker・清水佑吏が提唱する起業のステップ

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第581回目となる今回は、起業家TikTokerの清水佑吏さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

FORSTY株式会社の代表取締役としてだけでなく、フォロワー6万人超えのTikTokerとしても活躍されている清水さん。今回は、SNSの活用方法や起業するための4つのステップについて語っていただきました。

楽しむことと発信することの重要性を学んだ学生時代

ーまずは簡単に自己紹介をお願いいたします。

FORSTY株式会社代表の清水 佑吏と申します。

神戸大学を卒業後、一部上場の経営コンサルティングファームに入社。住宅メーカーや人材紹介事業へのコンサルティングを経て独立しました。

前職でのコンサルティング経験や集客から売上までの動線を考えるスキルを活かし、現在は中小企業向けのブランディングやオンライン化支援をメインでおこなっています。

また、フォロワー6万人超えのパワポ系TikTokerとしての側面も。「ビジネス戦闘力を上げる」をモットーに、1日1分見るだけで即使えるビジネススキルを毎日発信しています。

ー起業やTikTokに全力で挑む清水さん。全力で進み続けられるようになったきっかけは何かありますか?

友人と受けた高校受験に自分だけ落ちたことです。僕だけ第二志望の私立高校に進学したのですが、校則が厳しいうえに一日中勉強漬けの日々。SNSで友人が楽しく過ごしているのを見ることが非常に苦しかったです。溜まりつづける高校とSNSでのストレスを毎日塾講師や親にぶつけ、僕はどんどん腐っていきました。

そんなとき、親から「楽しく過ごす3年間も文句を言いつづける3年間も同じ3年間なんだから、楽しく過ごす方がよくない?」と言われたんです。それがきっかけで切り替えて勉学にはげみ、神戸大学に進むことができました。今でもその言葉は僕の支えになっています。また、両親が自営業を営んでいることもあり、起業という選択肢は学生時代からありましたね。

ーなるほど。ご両親からいただいた言葉が変わるターニングポイントになったのですね。

そうですね。腐った自分から抜け出せた大きなきっかけになりました。

もうひとつ、大学進学後のカナダ留学もターニングポイントですね。大学進学後も勉強やサークル活動など楽しく過ごしていたのですが、このまま大学4年間を終えるのは嫌だと感じて……。現状に満足しないためにもカナダ留学に行きました。

留学中は、日本で当たり前と思っていたこととのギャップが大きくてとてもしんどかったです(笑)。カナダで1年間ホームステイしたのですが、最初の1週間が非常に長く感じました。ですが得るものは非常に大きく、自分から発信することや自分の思いを伝えることの大切さを学ぶことができました

留学は日本だけでは気づけない価値観や文化の違いを知ることができるので、非常におすすめです!この経験が今の僕を作っていると感じています。

憧れの上司と出会い、独立起業を決意

ー留学後就活が始まったとお聞きしておりますが、就活における軸や意識していたことはありますか?

就活の軸は、給料・独立起業するためのスキルが身につく・短期間で成長の3点に決めていました。若いうちから自分から挑戦でき色々な経験が得られ、かつ自分の価値観とマッチしている会社を探しました。

就活先は給料が高い外資系とコンサルティングファームにしぼり、英語が残っている留学直後の大学3年生の春に就活開始。就職試験の本選考前には高学歴の方とのグループディスカッションに積極的に参加し、レベルの高いディスカッションを繰り返すことで無事就活を終えることができました。

ー会社員として過ごしたあと起業されたと思うのですが、独立にいたるまでの経緯を教えてください。

新卒で入社した経営コンサルティングファームでは、憧れの若手リクルーターの直属の部下に。同期とは比にならないほどのハードな働き方を経験し、知的体力やビジネスの世界で生き残る戦闘力を身につけられました。また、上司は最短最年少で役職を得るほどの実力の持ち主だったので、コンサルティング能力だけでなく価値観やあり方を徹底的に自分のものにすることができたのです。

ある程度技術を身につけられたので、ローテーションで他の部署に配属してみたんです。ですがハードに働いていた前の部署と比べて時間がゆっくり流れる部署で。このまま今の仕事をしていても怠けてしまいそうで将来が不安だったので、独立起業を決断しました。

経営者との繋がりができたことで、自分の基準を上げられた

ー起業を決断してから、どのように事業を立ち上げられたのでしょうか。

まず、起業して利益を出している経営者にとにかく会いに行きました。ビジネスマッチングアプリや交流会に積極的に参加して。月30〜40人から話をうかがって情報収集をし続けました。

次に、ブログを作成して朝活コミュニティを作りました。ワードプレスやアフィリエイトを学ぶにつれて、自分と同じように悩んでいる人に情報を発信したいと考えるように。そこで、ブログや朝活コミュニティで今までの経験ややってきたことをアウトプットし続けました。

そしてSNSの運用を開始。朝活コミュニティへの流入を増やしたいと考え、Instagramをはじめました。その後TwitterやTikTokもはじめて起業の流れや経験を発信。ブログや朝活コミュニティに流入するような基盤をつくりました。そこから事業を実際に立ち上げました

ー起業やTikTokでのご活動の中で、「やって良かった」と感じたことは何ですか?

起業については、経営者との繋がりができて自分の基準が上がったことです。「あなたは、最も一緒に過ごす時間の長い5人の友達の平均になる」という有名な起業家の言葉があります。僕はとても理にかなっていると思っていて、会社員時代も経営者になった今も、周りの環境に影響されているんです。今では戦闘力の高い経営者の方々に囲まれて過ごすことが当たり前で、日々刺激をいただき自分の基準を上げ続けられています。

TikTokでは、インフルエンサーとの繋がりができたことが非常に大きいです。フォロワーが増えるにつれてインフルエンサーが目をかけてくれて、サラリーマンだと出会えないような人たちと交流できました。SNSは僕より若い方たちが活躍している世界で、積極的に活動している若い世代とコミュニケーションが取れることが面白さであり醍醐味です。

ー逆に、悩みや大変だったことはありますか?

労働時間が長いうえに、これから食べていけるかどうか漠然と不安でした。起業して間もないころは寝食以外すべて仕事にあてて、労働時間は10時間以上とがむしゃらに働いていました。当時はそれが当たり前でしたが、今思えばしんどかったなと感じています。

それでもやり続けられたのは、やらざるを得ない環境に身をおいていたからだと思います。大切なことはいかにモチベーションを上げるかではないのです。人間はどうしても楽な方に流れてしまうので、目標ができたらやらないと死んでしまう環境に身をおくことがおすすめです。やらざるを得ないので、自然と力がでます(笑)。

「今の自分は、過去の行動の結果」行動し続けることがカギ

ーTikTokで動画を上げるときに気を付けていることはありますか?

見た瞬間に使えて友人に教えたくなるような、即効性がある内容を作ることを心がけています。はじめは抽象的な難しい話を投稿していたのですが、僕が伝えたい内容と視聴者が求めている内容に乖離がありあまり響かず……。

そこでショートカットキーやおすすめの本など、具体的ですぐに使える内容に変えてみたのです。その結果、非常に多くの反響をいただくことができました。

基本的に毎日投稿をしているのですが、TikTokは結果が出るのが早い媒体なのでトライ&エラーがしやすいのです。そのため、投稿した動画があまり伸びなければ翌日は他の内容の動画を投稿して、の繰り返し。今も毎日試行錯誤しています。

ー毎日投稿されているのですね!とても大変そうです……。

実は動画制作には15分ほどしかかかっていません(笑)。

動画投稿をはじめた頃は、何を伝えたいかテーマを考えて、視聴者を惹きつけるためのキャッチコピーや文章構成を意識しつつ原稿を考えて、動画を撮って……合計で2、3時間かかっていました。さすがに毎日これだけの時間を費やすのはしんどいなと思い、5分ほどで撮影した動画に字幕を入れて投稿してみたら、非常に再生数が伸びたのです!

その経験から、時間をかけすぎなくても成果は出せることに気がついて、自分の10割を出さなくても5、6割でよいという感覚で投稿できるようになりました

ー今後の展望ややりたいことがあれば教えてください。

SNSやオンライン化支援など、今の事業をまだまだ伸ばしていきたいです。

また、新卒研修をやりたいと考えています。今の新卒研修は、パワーポイントやエクセルなど技術的なものだけでビジネスマンとしてのあり方などはほとんど学ぶ機会がありません。そこで、社会人として働くうえでの本質的な考え方やマーケティングなど、深い学びがある研修会やセミナーを展開していきたいです。

ー最後に、U-29世代へメッセージをお願いします!

今の自分や環境を責めている方に、「今の自分は、過去の行動の結果」という言葉を送ります。現状に満足している方は過去に何かしらの行動をしています。「あのときあの行動をしてよかった」と言えるような行動をし続けてください。行動あるのみです!

ーありがとうございました!清水さんの今後のご活躍を応援しております!

取材者:武田 健人(Facebook / Instagram / Twitter
執筆者:柚月 歩(note/Twitter
デザイン:安田 遥(Twitter