挑戦する人の力になりたい!宮澤テクノロジーが語るコミュニティの魅力とは

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第441回目となる今回のゲストは、コミュニティマネージャーとして複数のコミュニティを運営している宮澤テクノロジーさんです。

大学時代にスタートアップでインターンを経験し、「挑戦する人の力になりたい」という想いを抱いて起業した宮澤さん。事業運営からコミュニティ運営へとシフトチェンジした経緯を、幼少期からさかのぼって伺いました。

「人の役に立つ」という価値観を形成し、起業を志した幼少期

ーまずは簡単に自己紹介をお願いします。

現在、起業家コミュニティFOUNDERS、審査制コミュニティWEIN.TEAM、テレビ東京が仕掛ける事業共創プログラム、IKEBUKURO Open Innovation Labを運営しています、宮澤テクノロジーと申します。本日はよろしくお願いいたします。

ーとてもユニークなお名前ですね。

起業家や投資家の方々と飲んでいるときに、ある投資家の方の「最近は会社名に “テクノロジー” をつけると、株価が上がる傾向にあるよね」という言葉がきっかけで、 “宮澤テクノロジー” という名前で活動をし始めました。

ー本日は、宮澤さんがコミュニティの運営を中心に活動するようになった経緯を、幼少期からさかのぼってお伺いできればと思います。幼い頃、何か印象的だった出来事はありますか?

実は小学6年生の頃、両親が離婚して母が家を出ていったのです。

長女だった私の役割は、家族がいつでも幸せでいられるようにすることだと思っていたのですが、悩んでいる母の姿を見て何もできませんでした。

そのときの無力感から、「人の役に立つ」という価値観が形成されました。

ー小学校時代に価値観を形成し、中学校ではどのように過ごされたのでしょうか?

中学の頃は、「どうして生きてるんだろう」「私が生きていていいのかな?」という気持ちがずっと心の中にはびこっていました。

そんなある日、ユニセフから500円玉くらいの穴が開いた手紙が届いて。その穴は、発展途上国にいる子たちの腕の細さを表していたのです。当時の私の腕よりもずいぶん細く、衝撃を受けました。

いつでも美味しいご飯を食べられるのは当たり前ではなく、その裏では明日のご飯もままならない生活をしている人たちがいるんだと認識させられました。価値がないと思っていた自分でも、困っている人の力になることで価値提供できるかもしれないと思ったのです。

ー小学校の頃の「人の役に立つ」という価値観が、より強固になったのですね。

そうですね。高校入学後もその想いは変わらず、その子たちを救う方法を自分なりに探し続けました。学びの過程でわかったのが、一方的な支援は持続しないということです。

例えば、発展途上国へ寄付金を届けても、お金が途絶えたら終わり。現地に井戸を掘っても、メンテナンスの方法を教えなければ井戸が枯れてしまう。学校を建てても、教員が居なくなれば廃校になってしまう。

そのような事例を見て、「一方的な支援は持続しないから、現地でお金を作る仕組みを作らなければ本当の助けにはならない」と思い、 “起業” という選択肢が思い浮かびました。

起業しようと奮起するも、情報商材の被害に遭う

ー高校時代、現地でお金を作る仕組みを作るためにどのような行動をとったのでしょうか。

何から始めればいいのかわからなかったので、まずは知識をつけることにしました。難関大学を目指して勉強に励んだり、人を巻き込む力をつけるために生徒会をやってみたり、いろんな挑戦をしましたが、やってみて「思ったより自分は優秀じゃない」と感じたのです。

大学受験も失敗し、どんどん自信がなくなって人の目も見れなくなりました。自分自身が生きてる意味もわからないのに、発展途上国の方を助けるなんておこがましいと思うようになったのです。

ーそこからどのようにして立ち上がったのですか?

まずは自分が生きていることを肯定できるようになろうと思い、志望校をガラッと変えました。誰かの役に立つかどうかは度外視して、自分の好奇心だけで進学しようと思ったのです。

昔から深海という神秘な世界に惹かれていたので、東京海洋大学へ進学することに。エネルギーについて勉強して、深海の生物の研究をしようという想いのもと、上京しました。

ー上京してみて、いかがでしたか?

地元にいたときには出会わなかった、起業家や投資家の方々と話す機会が増え、「楽しそうだな。こういう風に生きたかったな」という気持ちがふつふつと湧いてきました。

深海の研究はもちろん面白かったのですが、人の役に立つまでには時間がかかるジャンルで。「やっぱり私は、目の前の人を助ける方が生きている意義を見出せるんだ」と再認識し、「目の前の挑戦している人を、誰よりも支援・応援する」というモットーを掲げたのです。

ーモットーを掲げてから、具体的にどのような行動をとったのでしょうか。

中高生の頃に抱いていた「一方的な支援は持続しないから、お金を作る仕組みを作らなければ本当の助けにはならない」という考えから、起業を実現しようと思いました。そこでまずとった行動は、Twitterでの発信です。

「起業したいです」と発信していると、DMで女性の方から連絡が来て、一度会うことに。カフェで話していると途中でスーツ姿の男性が登場し、「この人は私にビジネスを教えてくれた恩師です。あなたもビジネスできると思うよ!」と2人で背中を押してくれました。

初めて応援してくれる人が現れたのがとても嬉しくて、「やるぞ!」という気持ちになったのですが、そのビジネスを学ぶためには70万円かかるとのこと。ローンを組むために親に相談すると、「それ情報商材だよ」と言われたのです。

1人よりみんなで。コミュニティの力を実感する

ー最初の挑戦は、残念ながら失敗に終わったのですね。

一歩目は盛大にこけましたが、めげずにTwitterで発信や情報収集は続けていました。

そんなある日、hackjpn株式会社の戸村 光さんの「起業家がインナーサークルに入れないことによって機会損失しないように、お互いに情報やつながりを提供するコミュニティを設立します」という告知を目にしました。

「私はまだ起業家じゃないから、コミュニティには入れないけど、すごく社会的意義のある活動で応援したいなあ」とツイートすると、なんと戸村さんご本人から「お茶しませんか」とメッセージをいただいて、会うことになったのです。

ー戸村さんとはどのようなお話をされたのでしょうか。

起業したいと思っていた話や、情報商材に引っかかりそうになった話をしました。すると、「機会格差によって挑戦が妨げられている宮澤さんは、まさにコミュニティのペルソナだ」ということで、「起業家を支援する事業を、インターンとしてやりませんか?」と言っていただけたのです。

戸村さんのおかげでハックジャパンでインターンすることになり、起業に必要なつながりや学びをたくさんいただけました。

ー起業の夢は実現しましたか?

はい、中学の頃の原体験とも親和性があって、市場も制度の変化も大きいタイミングだったエネルギーの領域で起業しました。ただ、やっていて感じたのは、私1人の力はとても小さいということでした。

いくつかの新電力の会社さんのお手伝いをさせていただく中で、根本的な課題を見つけたとしても、私1人の力ではお金も仲間も集められず、もどかしい気持ちを感じる場面が多々ありました。

そんなときに、「WEIN.TEAMというコミュニティがあるよ」と教えていただいて。そこには支援したい人や応援したい人が集まっていると聞き、「その人たちの熱量を集めれば、私一人でやるよりもずっと挑戦する方々の力になれるかも」と可能性を感じたのです。

1人の力よりも、コミュニティの力の方が圧倒的に大きいと思い、自分の事業には区切りをつけ、コミュニティの方にシフトチェンジしました。

ーシフトチェンジしてから、今後どのように活動していきたいのかお聞かせください。

今の世の中、先のことを考えるのは難しいと思っているので、自分が将来何をしてるか、正直わからないです。ただ、1人でも多くの方の力になりたいという想いがあるので、それが達成できる方向にどんどん進んでいきたいです。

起業したときは1人で動くことが多かったのですが、コミュニティで活動し始めてからは周りを巻き込んで一緒に進める仕事が増え、コミュニケーションの量も増えました。

それから、一番自分にとって大きかったのは、コミュニティの方々から「いつもありがとう」と感謝してもらえたり、「宮テクの頑張る姿に元気をもらってる」と励ましていただいたり、「できることがあれば何でもするよ」と言っていただけたり……そういう温かい言葉を、おせじや社交辞令ではなく真剣に伝えていただく機会が増えたことです。

コミュニティのおかげで、幼少期の頃からずっと抱えていた「自分には価値がないのではないか」という不安や、誰ともつながりがない孤独、好奇心が満たされない退屈などの感情からは脱却できましたね。

挑戦・支援・応援の輪を広げて世の中を少しでも上向きにする

ー宮澤さんが、現在取り組んでいる活動について、詳しくお聞かせください。

私は現在、起業家コミュニティFOUNDERS、審査制コミュニティWEIN.TEAM、テレビ東京が仕掛ける事業共創プログラム、IKEBUKURO Open Innovation Labの3つに関わっています。

まずはFOUNDERSについてお話しますね。FOUNDERSは起業家同士がお互いに相談し合ったり、学び合ったりして刺激を受ける機会を提供しているコミュニティです。

私もスタートアップでインターンしていたときに、すでにできあがっているコミュニティにリーチするのが難しいと感じていて。そのようなインナーサークルに入れるかどうかで、得られる情報に差があり、成功の確度が変わってきてしまうのです。

そこで、インナーサークルに入れない起業家の方々にも機会を提供するという志のもとで、コミュニティを運営しています。

ー次に、WEIN.TEAMについて教えてください。

WEIN.TEAMは、志が社会に向いた挑戦をしている人と、そんな方々を支援・応援したい人を集めて、挑戦に関わる人の輪を日本中に広げることを進めています。

自分の挑戦を大きくしたい方はもちろんですが、「世の中の役に立ちたいけれど、何をしたらいいか分からない」という方や、「自分にできることがあるのだろうか」という方にも、前向きに挑戦に関わることで生き甲斐を見出していけるような居場所としてのコミュニティを目指しています。

また、「テイカーではなくギバーであれ」という共通思想に納得してくれた方だけコミュニティメンバーとして集めています。助けを求めている方がいれば、必ず助ける文化が形成されているのは、数あるコミュニティの中でも稀有なポイントなんじゃないかなと、すごく誇らしく思っています。

ー最後に、事業共創プログラムについてもお聞かせください。

テレビ東京コミュニケーションズさんと一緒に進めているプログラムで、池袋を舞台に、スタートアップと事業会社のマッチングによって事業加速を目指しています。

プログラムに採択された会社に密着して、プログラム全体の過程を番組として発信することを前提としているのが、面白いポイントだと思いますね。

ビジネスだって人の営みなので、裏側には熱い想いだったり、泥臭い努力だったり、どうにか世の中をよくしようってもがいている人たちがいるんですよね。そういうストーリーやドラマを、もっとたくさんの人に届けたいです。

そうすれば、中学生当時の私のように悩んでいる人が、一歩前に進む勇気になるかもしれないと思っています。

ー宮澤さんは、今後もスタートアップや起業家メインで支援をしていく予定ですか?

スタートアップに限らず、役に立つことで世の中を少しでも良くしていきたいです。そのためにもチャレンジし続けて、挑戦の輪をどんどん広げていきたいですね。

ー挑戦をしたいけど一歩踏み出せない方は、どうすれば良いでしょうか。

まずは「私はこれがやりたいんだ」と、言葉にしてみることが大事なんじゃないかなと思っています。その言葉が相手に届くと、アドバイスをもらえるかもしれないですし、自分にプレッシャーを与えられます。「言ったからには実現しなきゃ」と覚悟が決まり、行動が変わってくるはずです。

とはいえ、何をしたいのかわからない方もきっといますよね。そんな方は、自分が共感できる挑戦を本気で応援してみてください。そうすると人とのつながりができたり、「私ってこれが楽しいんだ。こういうところに喜びを感じるんだ」という学びがあるはずです。

もし今、言葉にするものが見つからない方は、ぜひWEIN.TEAMに入って素敵な挑戦者の方々を支援してほしいです。

WEIN.TEAMはとても熱いコミュニティで、メンバーの方と話すだけでも刺激をもらえますし、誰かの挑戦に関わることで自分のやりたいことを見つけるヒントを得られると思います。

出会いはそこら中に転がっているので、幸せをつかむための第一歩を踏み出してみてほしいです。

ー宮澤さんの言葉で、挑戦しようか迷っている方は勇気づけられそうですね。本日はありがとうございました。宮澤さんの今後のさらなるご活躍を、楽しみにしています!

取材:武海夢(Facebook
執筆:Moriharu(Twitter
デザイン:高橋りえ(Twitter