「誰もが発信者になれる」ドガポンマーケティング大学校・鈴木聖之が信じるデジタルの可能性

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。特別回となる今回のゲストは株式会社ライアートプロモーション「ドガポンマーケティング大学校」代表の鈴木聖之(すずきさとし)さんです。

未経験から6ヶ月で自立した動画のプロになることをサポートする、超実戦型の動画マーケティングスクール「ドガポンマーケティング大学校」。その創業に携わり、現在も代表を務めている鈴木さんは、いったいどのようなキャリアを経て今に辿り着いたのか。鈴木さんのユニークなキャリアに迫ります。

キャバクラのアルバイトで、起業の選択肢が生まれた

▲キャバクラボーイ時代の鈴木さん

ーまずは自己紹介をお願いします。

2016年に早稲田大学を卒業後、就職をせずに起業し、3年間営業代行会社を経営していました。現在は、動画マーケティングの分野を包括的に学べるスクール「ドガポンマーケティング大学校」の代表を務めています。

ー新卒で起業されたのが印象的です。就職活動はまったくしなかったのですか。

しなかったですね。とはいえ僕は最初から、起業を目指す意識の高い学生ではありませんでした。むしろその逆で「一流大学に入って一流企業に就職したら幸せになれる」という一般的な価値観を抱き、学歴を追い求めて早稲田大学に入学しました。

大学時代にキャバクラでボーイのアルバイトをしたことで、僕の価値観はガラリと変わりましたね。この経験がなかったら起業していなかったと思います。

ーキャバクラでのアルバイトを通じ、どのような価値観に変わったのか教えてください。

まず、学歴や就職先のネームバリューを大切にする価値観が覆されました。キャバクラには、一晩で数十万円使うお客さんが来ることがあります。一方で僕は、一流企業に入社しても、彼らのようなお金の使い方ができるようになるとは思えませんでした。従来の価値観を持っていてはたどり着けない場所にいる彼らを見て、今まで信じてきた道だけが正解ではないことを悟りましたね。

同時に、「人は何に価値を感じてお金を払うのか」と疑問を抱き、ビジネスに興味を持ち始めました。僕はキャバクラを、強い経済圏だと感じたんです。数口で飲み干せそうなウーロン茶が2000円や3000円で売られていたし、それを購入するお客さんももちろんいて。別のお客さんは、心配になるほどの額をシャンパンに変えていきます。

このような環境の中で自然と、人をどのような意思決定に導くとお金を稼げるのか、考えるようになりました。

インターネット上に広がる世界に魅せられ、デジタルの領域へ

ーその経験が、新卒での起業に繋がるのですね!営業代行会社を経営されていたと伺いましたが、どのようなビジョンを描いていたのでしょうか。

ビジョンはなかったですね。キャバクラでアルバイトをした後もさまざまな稼ぎ方に取り組んで、学生ながらも自分の生活費を自分でまかなえるようになって。そのためか「一生お金には困らない」と自信が生まれ、見切り発車で法人を立ち上げたのが正直なところです。

その後、知人のつてで営業代行事業にたどり着き、できるだけ多くの顧客に会って営業をする毎日が始まりました。当時の僕は「走り続ければいつか軌道に乗る」と信じていましたが、事業が順調だった時期は皆無。3年ほどで限界を感じました。

たとえば収入を10倍にする方法は、単価を10倍にするか、顧客の数を10倍にするかの2つしかないですよね。前者は現実的ではないですし、僕1人で営業活動をしていたため後者を目指すのも難しく、挫折を味わいました。

ー事業の未来に希望が持てなくなってしまったのですね。その後、動画マーケティング分野に転向された、経緯を教えてください。

半ば諦めかけていましたが、お金を稼いでいる人に片っ端から会いに行き、彼らがどのようにして稼いでいるのか聞きました。すると、稼ぐためのヒントが2つ見えてきたんです。1つは、何かしらのメディアで人をたくさん集めること。もう1つは、売れる仕組みを自動化すること。これら2つを満たす可能性があるデジタルの領域での再挑戦を決意し、ご縁があり動画マーケティングに出会いました。

ーどのような方から話を聞かれていたのかが気になります。

デジタル領域に興味を持ちはじめてからは、IT系の人ばかりと会っていました。中でも僕の価値観を大きく変えてくれたのが、ECサイトを売却した社長とフォロワー24万人のインスタグラマーの2人ですね。2人とも、稼ぐためのヒントである「メディアでの集客」「仕組みの自動化」両方の要素を持っていました。

ECサイトを売却した社長からは、仕事中の時間の使い方について質問されました。僕が「日中は顧客と直接会って営業をしています」と伝えると、「売れなかったらどうするの?」と返ってきたのです。

僕は意図が分からなかったので「売上が0になります」と答えましたが、その後の返答が衝撃的で。「君の時間も、買わなかった相手の時間ももったいなくない?」と。続けて、今は顧客が商品を自分で見つけ、自分で決済し、自宅に届くのを待つ時代だと諭してくれました。

実際に、この社長が営業活動をしなくても、顧客はECサイトから自主的に商品を購入するんですよね。その間、社長は別の仕事をしていても良いし、シャンパンを飲んでいたって構いません。一方で僕はその時間、あくせく顧客と直接会って営業をしているわけです。営業をしなくても勝手に売れる仕組みを痛感しましたね。

フォロワー24万人のインスタグラマーからは、彼の持つ影響力の大きさを感じ、強いインパクトを受けました。彼がInstagramに1つ投稿すると、24万人のフォロワーに届きますよね。

僕が従来の方法で24万人に商品を届けようとした場合、毎日10人の顧客と会うと仮定しても約66年かかります。投稿一つで僕の66年を越してしまう彼の影響力に、愕然としました。彼がデジタルの世界に24万人もの巨大な集まりを抱えていると想像すると、強烈だと感じませんか。小学生時代にインターネットに可能性を感じていたことを思い出しました。

ー小学生の頃からインターネットに慣れ親しんでいたのですね。先ほどまで伺っていた、顧客と1対1で営業される姿からは少し意外に感じました。

仕事にしようと思ったことはありませんでしたが、小学生の頃にパソコンを買い与えられてからずっと、インターネットが好きなんです。高学年になる頃には、掲示板に入り浸っていましたね。いつの間にか、学校で嫌なことがあった時にはそこに逃げ込むようになって。

そこにいたのは顔も名前も分からない人たちでしたが、彼らとは目に見えない強力な繋がりを感じていました。学校の友人はたまたま近所に住んでいた人たちですが、インターネットの友人には「巨大な世界から僕自身が選んだ仲間」との実感を持てたからですかね。

今振り返ると、掲示板で遊んでいたことが原体験となって、現在僕は動画マーケティングを含むデジタルマーケティングに魅力を感じているのかもしれません。顔の見えないインターネット上でいくつもの居場所を持ちながら、現実世界の自分とは違う人格を使い分ける。

このような掲示板での作業には、設定したペルソナにより合うコンテンツを届けるデジタルマーケティングと通じる部分があるように思いますね。

世界を変える可能性は、100%全員が持っている

ー紆余曲折がありながらも、根底にあるものは一貫している印象を受けました。今後やりたいことがあれば教えてください。

特にないんです。やりたいことがないからこそ、今は汎用性の高いマーケティングをやっています。というのも、マーケティングは何かを世に広めるための手段であって、単体では目的にならないですよね。

いつかやりたいことができたときにマーケティングスキルを活かし、社会にインパクトを残したいと思っています。

ーデジタルの分野には、今後も携わり続けようと思っていますか。

そうですね。デジタルを含むテクノロジーの分野に、消費者としてではなく創造側や発信側として関わっていたい気持ちはあります。営業代行事業で行き詰まったときにデジタルに惹かれたのも、「誰もが発信できる」という可能性の大きさに気づけたからなので。

ほとんどの人が当たり前のように、消費者としてLINEやTwitter、Instagramでテクノロジーの恩恵を受けていますが、僕は何かを発信して価値を生み出し続けたいですね。インパクトの強いものが好きなんです。

ー最後に、読者へのメッセージをお願いします。

もし皆さんが「自分には才能がないから大それたことはできない」と思っているなら、それは盛大な勘違いです。インターネットで情報を受け取ることができている皆さんなら、いつでも発信側にも回ることができると僕は思います。

顔を出したくないならば音声や文章で、文章に自信がないならば映像や音声で……など、発信する手段は様々です。無料で使えるSNSもたくさんありますしね。

世界を変える可能性は、100%全員が持っています。可能性に気づき行動に起こせるかが違うだけなんです。少しでも面白いと思ってもらえたら、行動に移してみませんか。昔の僕のようにデジタルを消費し続けているあなたに伝えたいですね。

ー素敵なお話をありがとうございました。今後の鈴木さんのご活躍楽しみにしています。

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取材 / 編集:えるも(Twitter
執筆:田中沙都(Twitter
デザイン:高橋りえ(Twitter