失敗を恐れずに進み続けることが1番の近道。SEGuild山田拓の人生の歩み方

社会の洗礼を受け、見出したフリーランスの道

ー大学卒業後の進路はどのように決めましたか?

音楽関係の仕事も念頭に入れつつ、求人数が多いエンジニアを志望しました。

残業が少ないホワイト企業を選んだつもりでしたが、現実はそこまで甘くありませんでした。2年目で1から10まで自分で回収する仕事を任され、経験も知識も少なかったためにキャパオーバーを経験。それでもエンジニアが向いていない訳ではないと思ったので、プロジェクトがひと段落してから、よりよい方向はないかと今後のことを考え始めました。

ーその後のキャリアはどのように模索したのですか?

エンジニアを辞めることも選択肢に入れながら、最初はとりあえず調べました。調べていくうちにフリーランスエンジニアという存在を知り、収入面も悪くないと思い上京を決意。しかし、いきなりフリーランスになるのはハードルが高いので、一度転職を挟みそこから目指そうと思いました。

ーその準備期間でフリーランスに対する印象は変わりしましたか?

初めて聞いた時はハードルが高く感じましたが、話を聞いているうちに思っているほど難しくないのではないかと思えました。一方で、方向性はきちんと定める必要があると感じました。

イメージが弱いままフリーランスになると仕事の内容は変わらず一人で苦労することになります。そのためいろいろな人に話を聞き、アドバイスをいただきながら満を持して転向しました。

ー独立する時の心境はいかがでしたか?

独立する前はもちろん不安でしたが、その旨を会社に伝えると個人事業主として契約してくれることになったので、仕事面での不安はありませんでした。申告する前のほうが不安は大きかったです。

声をかけていただけたのは社内での評価が比較的よかったことと、決裁権を持つ営業の方と友好関係を築けていたからです。フリーになる前の準備期間といえど力を抜かず打ち込むことで、よいスタートを切ることができました。

フリーランスは技術はもちろん人脈もとても大切です。独立してしまうと社内外、縦横の関係がなくなってしまうので独立を考えている人は人との繋がりを今からでも大事にしておくとよいと思います。

困ったときは詳しい人に頼る。エンジニアの負担を減らすコミュニティSEGuildの設立

ーフリーランスエンジニアになってからの活動や苦戦したことがあれば教えてください

いただいた案件の中でAWSの構築を任されましたが、その仕組みを知らず苦戦しました。たまたま食事会で詳しい人に出会い、わずか10分で解決したときに「困ったときは知っている人に聞くのが早い」と実感したので、いろいろな人を繋げて仕事が楽になるようなエンジニアのコミュニティを作ろうと発案しました。

それから1ヵ月後に勉強会を開いたのですが、初回から10人ほど集まり、勉強会の後は交流会として情報共有の時間を設けました。思いのほか評判がよかったのですぐに次回開催の話になり、運営していくうちに参加者が増えていきコミュニティとして成り立っていきました。

現在では勉強会や交流会だけでなく、メンターをつけたエンジニアの教育も行っています。

ーコミュニティ運営と聞くと人と関わるのが得意なイメージがありますが、山田さんはいかがですか?

コミュニティを運営していると聞くとそう思われるかもしれませんが、昔からそうだった訳ではありません。もともとは1人が好きですし、考察をして時間を過ごすことが多く、人と関わるのは苦手なほうでした。

ただ、前述してきた通り海外派遣やバンドの経験を通じて人との付き合いが好きになり、以前のように壁を感じなくなったので、少しずつ人と関わることができるようになりました。

ーなるほど。失敗を恐れずもそうですが、失敗も含めて成長の糧になっているような気がします。山田さんは今後どのような活動をしていきたいですか?

現時点ではエンジニアの教育に力を注ぎたいと思っています。基礎から応用を習い、実践を踏んで転職またはフリーの案件をとるサポートする流れをコミュニティ内で作りたいです。そのためにメンターの方々と協議を重ねています。

ーSEGuildを運営するにあたり大切にしていることがあれば教えてください

「自分が経験した苦悩や不安を解消できる仕組みを作りたい」という思いからコミュニティができたので、エンジニアを目指す際の敷居を下げつつ、しっかりスタートラインに立てるようにサポートをすることです。

そのために、まずは教育がきちんと仕組み化された環境を作り、ゆくゆくはもっと大きなことをできるような組織にしていきたいです。

最終的には自分たちの好きなものを好きな技術で作れる、エンジニアにとってやりたいことができるようになれば嬉しいです。メンターの方々も同じ思いで協力してくださっています。

ー最後に、U-29世代にメッセージをお願いします!

失敗を恐れて行動ができない、結果がついてこないことが僕もありました。しかし、行動を起こせば何かしらの結果が返ってきて、次の展開が見えてきます。失敗を恐れて悩むよりも、少しでも前に進むことが1番の近道だと思うので行動をやめないでください。

ーありがとうございました!山田さんの今後のご活躍を応援しております!

取材:山本佳奈(Twitter
執筆:篠実里(Twitter
編集者:松村彪吾(Twitter
デザイン:高橋りえ(Twitter