努力を続ければ必ず成果が出る。食の未来を見据えて活動する出張料理人 川原壯太

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第904回目となる今回は、アーチェリー全日本選手権優勝経験を持つ出張料理人の川原壯太(かわはらそうた)さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

出張料理人として活動し、飲食店の経営を計画中の川原さん。努力についての考え方や過去の経験、今後の展望について聞いてきました。

幼い頃から料理好き。出張料理人にやりがいを感じる

ー自己紹介をお願いします。

川原壯太と申します。現在25歳で今年26歳になります。沖縄県の石垣島出身で大学への進学とともに上京し、現在の勤務地も東京です。本日はよろしくお願いします。

ー現在のお仕事についてお教えください。

出張料理人としてイベントで提供する料理を現地で作っています。主にイベント主催者様や身内の方から依頼を受けて仕事をしますが、自分で人を集めて料理を振る舞うこともあります。

ー元々料理が好きだったのですか?

小学校低学年の頃からよく両親の料理を手伝っていたのですが、手伝ううちに料理をするのが好きになっていきました。

ー出張料理人をやっていてよかったと感じるのはどのようなときですか?

イベント会場にいる、様々な業種の方と会話できるときです。例えばスポーツ選手の方や、経営者の方などから依頼をいただけることもあります。彼らと私では得意分野が違うので、お互いに尊敬できる部分があり、対等にお話しできる機会もありました。

このように、多くの方と心を通わせることができたとき「出張料理人をやっていてよかったな」と思います

ー大変だと思うことはありますか?

仕事の単価が低いことです。現在も飲食業界の給与水準は高くないので、まだまだ苦労することもあります。将来的には私がこの実態を変えていければなと考えています。

イベントで料理を振る舞うのは月に何回くらいですか?

30回ほどで、ほぼ毎日訪問しています。夜の7時から10時など、だいたい夜の時間帯が多いです。

ー印象的だったできごとについて教えてください。

最近では、1人で20から30名ほどの方に料理をふるまうことがありました。1度にたくさんの方に食べていただき「イベントで出される料理の中で1番美味しかった」と言ってもらえたときはとてもうれしかったです。

ーやりがいのある仕事なのですね。

はい。幼い頃から好きだった料理を仕事にできているので、とてもやりがいがあります。

誰よりも練習をすれば必ず報われる。全日本選手権で優勝した大学時代

ーここからは、川原さんの過去を振り返ってお伺いしていきます。アーチェリーをされていたようですが、当時のことを教えていただけますか?

アーチェリーをはじめたのは高校2年の夏です。1年間の練習でインターハイに出場し、入賞することもできました。入賞できたことで推薦をいただき、日本体育大学に入学。

しかし大学入学当初はなかなか成果が出ず、全日本選手権はおろか大学全国大会にも出場できませんでした。

結果を出すためにはもっと練習しなければいけないと考えた私は、自分の大学の「日本代表選手レベルのトップアスリート」よりもたくさん練習しました。そして大学1年時から練習を続けた結果、全日本選手権で優勝。

この経験を通して、誰よりも練習すれば必ず報われることを知りました。

ーアーチェリーをはじめたきっかけについて教えてください。

父親と一緒に体験教室に通ったのがきっかけです。当時はやっていてあまり面白いと思いませんでしたが、ほかにすることがなかったので渋々練習を続けました。

ー高校でインターハイに出場できたのはどうしてだと思いますか?

人より練習していたからだと思います。特段アーチェリーが好きなわけではありませんでしたが、時間があったので欠かさず練習しました。5時半に起きて朝練をしたり、22時までアルバイトをした後に、2時間ほど自主練習をしたり。アルバイトがない日は夕方から夜中の0時まで練習することもありました。

このような積み重ねの結果、試合に勝てるようになりました。

ー練習量を多くするのが大切なのですね。

そうですね。私は高校2年からはじめたので、高校1年からはじめた方に比べて経験の差があります。経験の差を埋めるためには、その方々より練習するしかないと思ったのです。

練習を続けるうち、その方たちの成績を上回ることができました。実力が上がっても練習量を少なくせず、むしろ多めにするのが上達のコツだと思っています。

ーアーチェリーを続けられた理由を教えてください。

練習すればするだけ成績が上がるのがうれしかったからです。「より練習すればもっとよい成績が残せるだろうな」と思い、練習を継続しました。その結果県大会で優勝し、九州大会に出場、その次は全国大会…などのように規模の大きな大会に出られるようになったのです。

大学では自分より強いオリンピック選手たちと同じ環境で練習していたのですが「どうしたら彼らに勝てるか」考えて練習するうち、アーチェリーを面白いと感じるようになりました

ー過去の経験が現在につながっていることはありますか?

幼少期を振り返ると、様々なことに挑戦してきたと思います。海でサーフィンや川登り、山登りをしました。このように自然とふれあうことで、環境に適応する能力が身についたのではないかと感じています

ー全日本選手権で優勝されたのはいつですか?当時のことを教えてください。

優勝したのは大学3年のときです。アーチェリーは対戦相手と点数を競う競技で、相手より実力に自信を持っているかがとても重要だと考えています。

アーチェリーはメンタルスポーツなんです。相手が〇点を打ったら自分はその点数を上回る〇点を打たなければいけないなど、精神面がパフォーマンスに影響します。

特に全日本選手権のような大きな大会の場合は、メンタルが成績に大きく影響するのです。例えば本番になったら急に成績が出なくなる方や、逆に練習以上の成績を残せる方もいます。

私の場合「誰よりも努力したのだから負けるはずがない」と思えるまで練習した結果、全日本選手権で優勝できました。

ー優勝されたときの心境を教えてください。

「まあ、勝ったな」といった感覚です。人生で感情が舞い上がることが少ないのでそのような感覚でした。

ー「がんばれない」と思ったことはありますか?

あまりありません。「成功するまでやり続けたらいずれ成功する」と思っているからです。

ー現在アーチェリーはされていますか?

していません。オリンピックを目指そうと思った時期もあったのですが、コロナウイルスの感染拡大でアーチェリーができなくなったのです。

アーチェリーができるようになるまで待つのは時間がもったいないと感じ、動画編集代行やマーケティング戦略を組むなどの副業をはじめました。そしてアーチェリーができない時間を副業に使っていたら、副業のほうがおもしろくなってしまったのです。

ようやくアーチェリーができるようになった頃には独立していたので、今も仕事に注力しています。