就活を中断し、1ヶ月でスピード起業・肥後橋優斗が語る学生起業

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第970回となる今回は、コエロLLC代表の肥後橋優斗さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

起業を決めてから、たった1ヶ月で起業したという肥後橋さん。スピード企業の背景や、起業してからの変化や学びをお話しいただきました。

学生と制作会社の代表の二足のわらじ

ーまずは簡単な自己紹介をお願いします。

立教大学4年の肥後橋優斗です。2022年8月にコエロLLCという制作会社を設立し、代表を務めています。役員3名、業務委託12名程のまだまだ小さい会社ですが、上場を目指して頑張っています。

ーコエロLLC、そして肥後橋さんの詳しい事業内容を教えてください。

映像制作や企業のYouTube運用、HP制作などを手掛けています。具体的にはぜひポートフォリオを見ていただければと思いますが、建設会社さんのブランディング動画の制作や、インタビュー動画、イベント動画、PR動画などが多いです。

私自身は映像制作も行っていますが、メインの業務としてはお客様への提案などを含めた営業活動が中心になります。

ー動画を制作する際に、気をつけられていることや意識されていることはありますか。

企業の思いをしっかりと形にすること、そしてそのためにもきちんとヒアリングをすることです。例えばドローンを使った撮影もできますが、その提案が先方の予算感に合うのかというように企業様それぞれ要望やイメージが異なるので、その擦り合わせには時間をしっかり確保します。

お客様が求めているものと異なる動画を納品してしまうことがないよう、事前の打ち合わせは綿密に行うことを大事にしていますね。

就活失敗で絶望。学生起業の道へ

ー起業に至るまでの話を伺えればと思います。起業前はどのような大学生活を送られていたのでしょうか。

大学1年の時は起業を一切考えておらず、普通の真面目な大学生だったと思います。バスケサークルとバンドサークルに所属しながら、留学予定だったので、IELTSの資格勉強をしていました。成長意欲は高い方だったので、様々な活動に参加していた大学生でした。

大学2年に入ってからはコロナの影響で働いていたバイト先をクビになったため、長期インターンとして複数の会社で働かせていただいていました。

ー起業を考えたきっかけは何だったのでしょうか。

大学3年から始めた就活がきっかけです。インターン経験もあり、様々な活動に取り組んでいたので、就活がうまくいくと思っていたのですが、内定を全くもらえず、ショックを受けました。

大学1年間就活をしたのですが、内定を一つももらえなかったことで、自分には存在価値がないのではと思うようになったのです。

そんな中で参加したとあるイベントで経営者の方から「欲望に従え」といった話を聞きました。それまでは欲望に従うことにネガティブなイメージがあったのですが、その時の自分は就活をやりたくないという思いに従えということかなと思ったのです。

そこで、好きなことをやる選択肢を選ぼうと思い、就活を続けることをやめました。

ーそこから起業に至るまでの経緯を教えていただけますか。

ちょうど就活していた際に息抜きで楽しんでいたのがカメラでした。撮影したら喜んでもらえることで自分にも価値があるのだと感じられていたのだと思います。そこで、カメラで稼ぐということに挑戦してみようと思ったのです。

そして写真撮影だけでは稼げる額に限界があると感じていた時に、インターン先で映像制作の話が上がり、映像にも挑戦してみることに。映像を作る中で、映像の方が人の心を動かせると感じたことから、映像制作に力を入れていくことを決めました。

起業を決めたのは、ご縁があってとある会社の社長さんの密着動画の制作をさせていただいた際に、いつか会社を作れたらいいかもという話をしていたら、「今すぐ起業したら?」と言われたからです。その1ヶ月後、起業しました。

ーすごいスピード感で起業されたのですね。

その社長さんに、誕生日に起業したらと提案され、ちょうど1ヶ月後が自分の誕生日だったのです。誕生日に起業するのも面白いなと思って、1ヶ月後の起業をその場で決めました。たまたま翌日に会う約束をしていた友人に、一緒に会社を始めないかと相談し、共同代表になってもらうこともすぐに決まりました。

起業する日が決まっていたので、悩む暇もなく手続きを進められたのがよかったです。また、もしダメでも、学生なので就職する選択肢がまだあり、リスクがほとんどないと感じていたことも起業の後押しにはなっていたかと思います。