自分らしく活動して人々に寄り添える人生を送りたい。Youth UNHCR代表 金澤伶

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第960回目となる今回は、Youth UNHCR代表の金澤伶(かなざわれい)さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

困っている方の助けになるのがみずからの幸福になると語る金澤さん。その考えに至るまでの経緯やこれからの自分のあり方についてお聞きしました。

理不尽に奪われる命がある現実に罪悪感を覚える

ー自己紹介をお願いします。

東京大学3年生の金澤伶です。大学では国際政治や国際経済、国際法が学べる『国際関係論コース』に所属しています。

現在はYouth UNHCRという組織の代表をしているのに加えて、難民や貧困問題に関わる様々な活動をしています。

ーまずは1歳でのできごとを教えてください。

心臓の難病で1度死にかけました。

当時は両親がとても心配してくれ、整った医療施設での治療が受けられました。そのようなよい環境でたまたま生まれたから、今も生きていられています。

一方現在も世界のどこかで、生まれた環境のせいで理不尽に命が奪われる方がいることに罪悪感を感じるようになりました

私は高校一年生のときに紛争鉱物の存在を知りました。紛争鉱物は、私たちが使うスマホやPCに含まれています。紛争鉱物から生まれる利益をめぐる争いが原因で紛争が長引き、性暴力が多発し、その地域の住民が難民になってしまうなどの問題が起きています。

私たちの幸せな生活は誰かの犠牲の上で成り立っているのです。

ゆえに私はつらい思いをされている方に寄り添い、罪悪感を克服するために行動し続けています

いじめやパワハラをきっかけに人に優しくすることを誓う

ー「『自分が自分であること』が最高の価値だと確信し続けることが恐怖や困難を乗り越える鍵になる。」というメッセージをいただきましたが、これはどういうことでしょうか。

活動を続けるうちにみずからを信じられなくなったり、本当にがんばれているのかわからなかったりすることがこの先私にもあると思います。

そのときに軸を失わず、していることを最大限信じられるようになれば他人の目が気にならなくなり、様々な問題を解決できるようになると考えたのです。

ー自信が持てないときはどうされていますか?

昔のつらかった経験を原動力に行動するようにしています

私は中学時代の数年間にわたって、複数人からひどいいじめやパワハラを受けました。一時期うつのような状態になり、みずから命を絶とうと考えたときもありました。

当時は「なぜ自分の価値を他人に決められなければいけないのか」と疑問に思い、みずからの存在意義を否定してしまうことも。

その際に「自分の価値は自分だけが決められるものであり、他人によって決定されるものではない」と言い聞かせてなんとか乗り越えました。

このようなつらい経験をしたからこそ、つらい思いをされている方の力になりたいと考えるようになったのだと思います。

ーつらい経験を通して学んだことを教えてください。

されて嫌だと思うことは他人に絶対しないように決めました。つらい経験によって人に優しくなれたので、当時の自分に感謝している面もあります。