「豊かさ」を求めて。NPO法人サニーサイド のキタバが考える、人生の生き方とは

「豊かさ」がテーマのシェアハウスを企画してみた

ーオランダでの研修後は、どのような生活をされたのですか?

帰国後、NPO法人サニーサイドという会社へ入社しました。サニーサイドは、今年で26年目の企業です。就労支援B型やヘルパー事業、障がいのある方へのシェアハウスを作っています。

実はサニーサイドへの入社は、時系列が少し前後してしまうのですが、オランダへ行く前にサニーサイドの代表の方と面接をして、帰国後に就職することになりました。

ー面接ではどんなお話をされたのですか?

当時のサニーサイドの代表の方と、「自分はどういうことやりたいのか」や「今までの人生の中で、どんなことを感じたのか」をお互いに語りあいながら、「自分がやりたいことに挑戦していきなよ」とお言葉をいただきました。その中で、「シェアハウスを作りたい」と伝えて、オランダに旅立ちました。

ー帰国後、サニーサイドへ入社して、キタバさんが提案したシェアハウスはどういったものだったのですか?

そもそもシェアハウスは、自分に合うか合わないか、実際に生活してみないとわからないと思います。そこで「1週間お試しシェアハウス」を住人と話し合って、企画。シェアハウス体験を始めました。

ーどんなことをテーマに掲げた、シェアハウスだったのでしょうか。

テーマというテーマは決めていませんでしたが、「豊さってなんだろう」を探求した生活だったと思います。味わい感じることを目的に「つくるあそぶつながる」をやってきました。シェアハウス期間は、本当にいろいろなものをたくさん作り、遊びました。

ー具体的にはどんなものを?

具体的には、お味噌を手作りしてみたり。仕事から帰宅したら、住人が大豆を踏んで味噌を作っていました。「どうして味噌を作っているんですか?」と聞くと、「なんでも一から作ってみたいじゃん!」という好奇心から、味噌作りをしていました。

またシェアハウスのすぐそばに、畑があり野菜がたくさん栽培されているのを活用して、調味料等のいろいろな食材を一から作り、豊かさを感じる生活を経験することができたのです。

ー今まで簡単に手に入ったものを、一から手作りするのはどんな感覚ですか?

簡単にいろいろなものを手に入れる世の中だからこそ、改めて一から手作りすることの豊かさを、肌で感じることができたシェアハウスでした。

「人と人との繋がり」を求めるなら、尼崎へ

ー今後キタバさんが力を入れてやっていきたいことはありますか?

今後は、尼崎に住んでいる自分たちで「尼崎を温かみのある場所に作りあげる」ことを目標にして活動中です。

先ほどのものづくりの話を聞いて、きっと興味を持ってもらえたはず。一度尼崎にきてほしいと思います。

ー尼崎には、どんな魅力がありますか?

尼崎は人との縁や繋がりを、豊かに感じる場所です。例えば、商店街の見ず知らずのおばあちゃんから「赤飯炊いたから食べる?唐揚げあまったから食べる?」と突然いただいたり。

昔ながらのレトロな商店街のような感覚になり、人の温かみを感じられるのが、尼崎の魅力の一つです。

ー尼崎を全国の人に知ってもらう為に、なにか企画などはされていますか?

そうですね。ツアーというしっかりとした形ではありませんが、「尼崎にいきたいです!」などの声があれば、サポートしています。

また尼崎には、NPO法人がたくさんあります。「自分達の町や場所は、自分たちで作る」という熱意ある人たちが多いんです。

最後にキタバさんから、U₋29世代の皆さんに向けて、メッセージを頂きたいです。

仕事や将来のことに悩んでいる人に向けて、納得したい人生や、豊かさを持った人生を歩んでほしい。ぜひ「豊かさ」を知るきっかけの一つに、ぜひ尼崎へ遊びに来てください!

ーキタバさん、どうもありがとうございました。

取材:丸山泰史
執筆:岩本香織(Twitter
デザイン:高橋りえ(Twitter