20歳のフリーランス・ももがギャップイヤーで見つけた天職

唯一続いたのが「書くこと」だった

ー実際にギャップイヤーを始めてみてどうでしたか?

最初は楽しかったです。スケジュール帳が真っ白なのが面白くて、とにかく色んなことに挑戦してみようとワクワクしていました。

でも、それも長くは続きませんでした。動画制作やデザインなどいろんなことに挑戦してみたのですが、どれもある程度のところで満足してしまって、極めたいと思うものが見つけられなかったんです。

ちょうどその時が高校卒業後の6月くらいで、高校時代の友達はみんな大学に慣れてきた頃だったのか、SNSに楽しそうにしている写真がたくさんアップされるようになって。それを見て、みんなはちゃんと大学という場所に進んでいるのに、自分はやりたいことすら見つけられず停滞していると感じてしまい、すごく落ち込みました。

ー自分で選んだ道とはいえ、周りに置いてかれている感覚になってしまったんですね。そこからどのように復活したのでしょうか?

ギャップイヤー中は何に挑戦しても続かなかったのですが、唯一日記だけは続いていることに気がついたんです。日記はギャップイヤーの間に挑戦したことの記録をつけようと始めたのですが、無理なく続けることができていました。

そこから、小さい頃は絵より文章を書くことの方が好きだったことや、学生時代も国語が好きでレポートも苦じゃなくスラスラ書けるタイプだったことを思い出して。文章を書くことなら自分でも続けられるんじゃないかと思いました。

ちょうどアフィリエイトブログの存在を知った時だったので、お小遣い稼ぎの感覚でブログを始めることにして。8月から100日間、毎日投稿しようと始めたのですが、辛いとか辞めたいと思うこともなくあっさり100日間投稿を達成できたんです。

この経験から、私も書くことなら苦じゃなく続けることができるんだなと自信になって。ブログを始める時に、SEOやWordPressなどの勉強もしていたので、それを生かしてライターとしても活動するようになりました。

ー書くことを続ける才能があったんですね!ライターのお仕事はどのように獲得したのですか?

毎日投稿を100日間ほど続けた頃、SNS経由で知人からライターの仕事を紹介してもらったのが最初のきっかけです。

最初にいただいたお仕事はインタビュー記事の執筆で、私はインタビューに同席するだけで質問はしないのですが、その取材内容を原稿にするという内容でした。ライターとして初めてのお仕事でしたが、記事を提出するとすごく喜んでもらえ、そこからまた1本また1本とお仕事をいただけて。そこから編集者の方やメディアの方を紹介してもらえるようになって、徐々にお仕事が増えていきました。

気がつくとバイトより稼げるようになっていて、これは個人事業主として申請しないといけないということで、そのままフリーランスになりました。自分の得意なことで人に貢献できるようになって、漸く未来にワクワクできるようになった感覚があります。

ポータブルスキルの教育で、選択肢を増やしたい

ー今後やりたいと考えていることはなにかありますか?

学生がどこに行っても活躍できるようなスキルを身につけられる環境を作りたいと考えています。

先ほども話したように、高校3年生の時点で自分の進む方向をある程度決めさせられる日本の教育制度は必ずしも正しいとは思えません。高校卒業後、進学しても就職しても良いし、それ以外の選択肢ももっとあって良いはずです。

だから、もし中高生のうちから社会で生きていけるようなスキルを身につけられていたら、将来の選択肢の幅がグッと広がるんじゃないかなと。大学に進学して就職するという未来以外にも、いろんな選択肢を考えられるようになるのではないかと思います。

ライティングやデザインなどのスキルを身につけられる社会人向けスクールはたくさんあると思うのですが、中高生の頃からそうしたことを学べる場所はあまりないなと思っていて。社会で生き抜いていくためのスキルを学べる場所を学生向けに提供できたらと考えています。

ー進路に悩んでギャップイヤーを選択したももさんだからこその視点ですね。

私自身が「学校に行かなくてもこんな生き方がある」と知ってもらえるようなロールモデルになるというのも目標の1つです。

みんなと同じレールに乗らないといけないとプレッシャーを感じている子が私のような存在を知ることで、「こんな選択肢もあるのか」と気が楽になってくれたら良いなと思っています。

ギャップイヤーは1つの逃げ道でもあると思うんです。自分の進路はもっと自由に決めても良いんだということに気がついてもらえるように、私自身の発信活動も頑張っていきます。

ーとても素敵な目標です!最後に、U29世代に伝えたいメッセージがありましたらお願いします。

これは世代関係なく言える共通のメッセージになりますが、「成長するには、自分がすごいと思う人に対して、すごいという感情で終わらせない」ということが大切だと思っています。

例えば、今の時代フリーランスで活躍されている方や一般人なのに数万人のフォロワーがいる方など、いわゆる「すごい」方がたくさんいますよね。そういう方たちが最初からすごいとか、突然すごくなったと思わないようにすることが重要だと思っていて。

憧れる!羨ましい!と思う人がいたら、その人がどうやってそのポジションまで辿り着いたのか、どうやってそのスキルを手に入れたのか、ちゃんと掘り下げる。道を辿れば、その人の努力したポイントやすごさの正体に気づけるのではないでしょうか。。

私の生き方も例外ではなく、きっと私が辿った道と同じ道を辿れば誰もが似たような生き方はできると思うんです。もちろん、私みたいな生き方をしろと言ってるわけでないのですが。

自分が憧れる人に対して、自分とは違うと決めつけない。どうやってすごくなったか、どういった道を辿ってきたのかを聞いて、自分も実践してみる。それがなりたい自分になる1番の秘訣だと思います。

ー最後にガツンとくるメッセージありがとうございます!ももさんのこれからのご活躍も応援しています!

グラレコ:イラスト通訳  ・山脇 英明(やまちゃん)TwitterInstagram

取材:丸山泰史
執筆:まぺぽ(Twitter
デザイン:安田遥(Twitter