迷ったらGO!ノースサンド広報・潮屋香織に学ぶ「自分らしさ」を追求する秘訣

上司の言葉がきっかけで、広報と出会う

ー新卒でご入社後、潮屋さんもキャリアアドバイザーをされていたとのことですが、いかがでしたか?

やりがいのある仕事をさせていただきました。学生さんと話す中で強く感じたのは、この仕事では自分自身が商品になるということ。「何を言うかではなく、誰が言うか。潮屋が言うなら話を聞こう。」と相手に思ってもらえるようなセルフブランディングを常に意識していました。なので、カッコつけずに正面から泥臭く学生さんと関わることで「この人なんか素直で面白いな」と思ってもらえればOKです(笑)。

また、キャリアアドバイザーも営業職のひとつではあるので目標数値はありましたが、数字のことよりも学生一人一人に向き合った成功への道筋を描くことが好きでしたね。

このような軸で働く中で、自社サービスや商品、お客様のブランディングストーリーを確立させることはPRと繋がっていると感じるようになり、営業と広報・PRの仕事は表裏一体なのではないかと思いました。

ー広報にはもともと興味があったのでしょうか?

いえ。実は、広報のことはほぼ知りませんでした。きっかけをくれたのは当時の上司です。面談をした際に、仕事で楽しいと感じていたことなどを話したら「それって広報みたいだよね」と言っていただいて。

その後、会社の広報はどのような仕事をしているのか興味を持つようになり、広報に異動させていただきました。

ー広報へ異動されてみて、いかがでしたか?

広報の右も左も分からない私に対して、イベント企画や運営のいろは、デザイン作成で使用するphotoshopやIllustratorなどの操作方法も手取り足取り教えていただきました。1200人規模を動員するイベントの企画や社内報制作などを任せてもらえるようになったときは嬉しかったです。おかげさまで、毎日楽しく働かせていただきました。

ですが、だんだんとモヤモヤを抱えるようになったのです。当時、広報課社員は7人いたので仕事の分担などの体制がしっかりしており、「3年後や5年後にも同じ仕事をしているのでは」と感じてしまって。30歳になった時に自分は何ができるようになっているのか不安で、環境を変えた方が良いのかもと思うようになりました。

やりたいことを追求するため、転職を決意

ー将来を想像し、転職を視野に入れ始めたのですね。

そうですね。ですが、「絶対に転職する」と思えるほどの強い気持ちはなかったので、すぐには行動できませんでした。

転職を決めたのにもきっかけがあり、それはPRプロデューサーの笹木郁乃さんの講演会です。講演の中で笹木さんは、「環境に危機感を覚えるならチャレンジした方が良い」と堂々とスピーチされる姿に刺激を受けました。

その後改めて自分自身について考えたとき、自分の意思よりもルールや伝統を重視するなど、会社に求められている範囲内で働いていたことに気がついたのです。だからこそ今後は自分が描く理想を追求しようと決意しました。

ー転職活動では、どのような軸で企業選びをされたのでしょうか?

転職活動を始めた時点では自分には圧倒的なスキルや経験が足りないと分かっていたので、失うものなんて何もありませんでした(笑)。なので、とにかく玉砕覚悟でチャレンジできる会社を探していました。仮に次の会社から転職するとなったとき、「この量の経験と実績のある潮屋さんがいたらうちの会社は変わりそう」など他に代替されない存在になっている状態が理想でしたね。

このような軸で活動していたところご縁があり、社会人3年目の終わりに広報としてノースサンドへ転職しました。

ー広報が7人いた企業からノースサンドへ転職され、変わったことを教えてください。

ノースサンドでは広報責任者のもとで私ひとりが広報として動いている環境なので、そこが一番の違いです。隣の先輩や同期はいません。

ノースサンドがITコンサルティング会社ということもあり、上司をはじめ社員の皆さんは本当に優秀な方ばかりです。まずは正しい仕事の進め方を覚えるために、「適宜アドバイスをするから、まずは全て自分の頭を使って最後までやってごらん」と上司に言われました。

ひたすら情報収集を行い、そこから考案した企画を提案。そしてそれに必要なリソースを考え、関係各所に連絡をし企画を進めていく。とにかく自分の頭で業務設計をイチから組み立てていくことの繰り返し。動画編集や記事執筆などの作業もある程度自分でできるようになるまで一切アウトソースしない方針で……。とにかくスパルタで、訓練だと思っていました(笑)。

口だけの「頑張ります」でアピールするのではなく、スピードで圧倒しながら成長した姿を見せることで認めてもらえると思うとワクワクしていましたね。今では上司と解像度の高い打ち合わせやコミュニケーションができるようになり、幅広く沢山の仕事を任せてもらえるようになりました。

転職して1年と数ヶ月が経ちましたが、自分の想像より3倍は速いペースで成長させてもらった実感があります。

社内講演会では、司会として講師の元プロ野球選手と共に会を盛り上げた

ー入社初年度には、社内で年間10名しか選出されない特別賞に選ばれたと伺いました。

外部広報という観点でメディアやテレビ局とのつながりを作った点などを評価していただいたようで、ありがたいことに、素敵な賞をいただきました。「私にできることは何か」を考えながら行動していた結果、「新世代の逆襲で賞」というタイトルで賞をいただけたので嬉しかったです!

年度の決起集会時に、お世話になっている上司(広報責任者)と賞状を持っているポーズで撮った記念写真

少しでも迷ったら、やりたい自分に素直にGO!

ーやりたいことが浮かんだり葛藤したりすることがあっても、転職前の潮屋さんのように行動をためらってしまう読者の方は多いと思います。現在の潮屋さんも迷うことはありますか?

ありますが、迷ったら行動します!やりたい気持ちが少しでもあるから迷うのだと思っているので。逆に、まったく迷わずにやらないと決めたことは絶対にやらないです。このように「少しでも迷うかどうか」を基準に、やるかやらないかを決めるのが良いですよ。

あとは、「やるかやらないかはやってから考える」ことですね。今はまだ失敗をしてもリカバリーが効くポジションであると思うので、やらないことを選んで失態を犯すくらいならやって失敗した方がよっぽど次の成功に繋がる。そう考えて行動するようにしています。

ノースサンドの社内報編集長として、創刊から制作を手掛けている

ー潮屋さんが今後挑戦してみたいことがあれば、教えてください。

一般的に、会社の予算を使わせてもらう広報部門に人員を割く優先度は低いと考えられがちですが、私は広報部門こそ必要だと思っています。広報担当のアイデアと腕次第で自社のサービスや魅力を余すところなく世間に伝えることができる。それに惹かれて入社してくれたりビジネスに繋がればなお良し。

こんなにも自分の可能性次第で会社の未来に影響しやすい仕事ってあまりないと思います。だからこそ今あるチャンスを活かし、広報の力で会社拡大に貢献したいです。ゆくゆくは、大好きな広報という仕事が、世間においてさらに必要とされていく時代の流れを創っていきたいです。

随分と大口を叩いてしまいました(笑)。現実的な今後の一歩としては、上司ありきで仕事をするのではなく「潮屋がいるから広報は大丈夫」と思われる存在になることです。そして、メンバーが増えても、変わらない品質で仕事ができる広報チームを作っていきます。

また、結婚や出産などがきっかけでキャリアを考え直すこともあると思います。どんな選択肢が浮かんだとしても選べる実力を持った自分でありたいです!

ー本日はありがとうございました。潮屋さんの今後のご活躍を応援しております!

取材:山崎貴大(Twitter
執筆:田中沙都(Twitter
デザイン:高橋りえ(Twitter