どこに住んでいても、同じ夢が描ける社会を目指して!末廣優太が全国の子どもたちに届けたい思いとは

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第687回目となる今回は、NPO法人みんなのコードHub div.マネージャーの末廣優太さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

全国の子どもたちに向けて、デジタルやテクノロジーに触れられる場を作っている末廣さん。そんな末廣さんが思い描く、未来のデジタルやテクノロジーの在り方ついてお聞きしました。

幼少期をアメリカで過ごし、海外の文化に触れる

ーまずは簡単に自己紹介をお願いします。

NPO法人みんなのコード Hub div.マネージャーの末廣優太です。

NPO法人みんなコードでは、「テクノロジー」×「子供の第三の居場所」というテーマをもとに、全国の過疎地域を中心に、気軽にテクノロジーに触れる機会を提供する活動をしています。

それと並行して大学院にも通っており、この活動の意義を学問から捉え直し、全国に広めるためのヒントを得ようと、教育社会学を専攻しています。

ー NPO法人みんなのコードは、具体的にどのような会社なのでしょうか?

NPO法人みんなのコードは、公教育におけるプログラミング教育を推進する団体です。

2020年からプログラミングの必修化が始まりましたが、プログラミングの知識を持たない先生が多くいました。そんな全国の先生たちに向けて、プログラミングの研修を行ったり、研修を受けた先生たちに「プログル」という無料プログラミング教材を配布したりしています。

最近では学校教育だけでなく、全ての子供たちにテクノロジーの楽しさを届けるために、社会教育も進めていく事業が始まり、私は事業責任者を任されています。

ー末廣さんが任されている事業とは、どんな事業なのでしょうか?

事業全体で「すべての子どもの”デジタルを活用し表現する権利”が保障される社会をつくる」という目標を掲げています。10代の子供たちが無料でデジタル機器を活用し、表現できる施設を作っています。

その施設には、プログラミングのできるLEGOや3Dプリンター、楽曲・映像制作ができる、さまざまなソフトを用意しており、2030年までに全国2000拠点の達成を目指しています。

ーその事業では、どんなやりがいを感じますか?

やりがいは主に二つあります。一つめは、私たちの作った施設を利用した子供たちが、自分の持っている個性や才能など、いろいろな可能性が広がる瞬間に立ち会えることです。

二つめは、施設がある地域の大人たちの認識が変わっていくことです。「施設を利用した子供のなかに、才能が開花した子供がたくさんいる」という事例を見せたときに「うちの地域にはそんな子供はいないよ」と反応をする大人は多いです。大人たちが、施設を利用した子供たちをみて「すごい!」と言っている姿を見るのは、とてもやりがいを感じます。

ーそんな素晴らしい事業をされている末廣さんですが、どんな幼少期を過ごされたのでしょうか?

私は日本で生まれたのですが、親の仕事の都合により生後4ヶ月から5歳までの間、アメリカで生活していました。現地の学校に通うこともあり、さまざまな国籍を持ったクラスメイトと関わりながら、楽しく学校生活を送っていたことを覚えています。

帰国してからは、海外特有の文化や生活スタイルとは違った日本に、カルチャーショックを受けました。新しい環境に身を置くことが多かったので、幼いながらに、環境適応能力が身についた時期だったのかなと思います。

海外生活の経験が、自分の価値観を変えた

ー15歳のころに、人生の転機があったとのことですが、どんなことがあったのでしょうか?

絆プロジェクトという、東日本大震災の復興支援への参加が人生の転機でした。復興を支援してくれていたアメリカに行って、復興状況の報告や感謝を伝えるものでした。2〜3週間ほどアメリカのいろいろな地域を回って、英語でプレゼンをしたり、地域の人たちと交流したりしていました。

「英語なんてできても仕方ない」と思っていたのですが、参加したあとは「英語が喋れるだけでこんなに貴重な体験ができるんだ」と思うようになっていました。

英語が喋れることで、世界が広がることに気づいた私は、ほかの課外活動や海外留学など、さまざまことに挑戦するようになりました。

ーいろいろなことに挑戦するようになった末廣さんですが、高校卒業後はどんなことされていたのでしょうか?

大学に進学して、英語を活用できるイベントに参加したり、インターンシップに積極的に参加したりしていました。大学一年生のころから、将来について考えることが多く、英語だけでなく、なるべくたくさんの経験をして、自分にあった人生選択ができるようにしようと考えていました。

ー自分にあった人生選択をするために、心がけていたことはありますか?

自分の得意なことや興味のあることに、積極的に取り組むことを心がけていました。

インターンなどの課外活動に積極的に参加していたのは、自分がどんな環境でも、すぐに適応できることが分かっていたからです。

自分の性格を理解したうえで行動していると、自分に自信がつき、挑戦することが当たり前になっていました。