NPO法人学生ネットワークWAN髙田理世の「自分らしい生き方」を見つける方法

留学で気づいた家族の在り方

ーその後は海外留学へ。家族の形についても学びがあったとか。

ホームステイ先で、血は繋がってなかったとしても、助け合える関係性が構築できることに衝撃を受けました。ホームステイでは、他人の家に住んで他人の子供を育てるところから徐々に家族になっていくことを肌で感じました。家庭内の共助の面白さに気づけた経験です。

ー家と外の境界線が広がったりなくなったりすれば、自分らしくいれる場所がどんどん広がっていくということでしょうか?

そうですね。例えば、「自分の世界と社会」「自分の家族と社会」とか。

それぞれは完全に分断しているものじゃなくてひと続きのもの。あとは家族自体も社会の一つのコミュニティだということも見えてきましたね。

ー視野が広がったことで髙田さんにどういう変化が?

家族であっても1つの社会コミュニティだから、助け合う必要があるんだと考えられるようになり、行動も変化しました。

今、ワークライフバランスといった、ワークとライフを分ける考え方自体を避ける人も増えていますよね。結局それは仕事と生きることを分けること自体が不自然で、無理が出てくるからだと思っています。

ーそういう考え方になってから行動に対する気持ちの持ち方にも変化はありましたか?

広い社会を見れば、私にできないことができる人だっている。だから、そういう人と仲良くすれば、自分だけで全てを背負い込む必要はない。そう思えるようになりました。

これまでの私は全部自分でやらなきゃいけないと思ってたところがあって。とにかく何かやらなきゃと駆り立てられて20年ほど生きてきた。でも、ここ3年の経験で大きく変わりました。

いろんな経験をさせてもらう中で、自分がやりやすい形や方法にアレンジして、自分らしく作っていけばいいということに気がつきました。そうすることで、自信もおのずとついてくる。そしてそれは、私がそこに関与する意味を作るということだと思います。

ー自分が関与する意味を作る。具体的にはどうすればできるでしょうか?

以前の私のように、仮面をかぶってしまったら絶対できないと思います。

もちろん、いろいろな仕事をすれば、色々な顔を持つことにはなりますが、一つ一つが誠実な自分であることに違いはない。そう胸を張れるような行動を心がけています。

そのためにも、関与する場がどんな場なのかを理解すること、そして「自分はどういう人なのか」を振り返ることが大切だと思います。

チャレンジしたいときにいつでもできる準備を

ー自分らしく生きるために今後1番やりたいこととは?

今は具体的にやりたいことがはっきりと見えてるわけではないけど、必ずこの先でやりたいことは出てくると思います。挑戦したいことが出てきたときに、いつでもチャレンジができる環境を自分で作っておくことをこれからも大切にしていきたいです。

大学卒業後のキャリア選択も、柔軟に挑戦し続けられる環境を作るため、企業に就職しない選択をしました。いますぐに1番やりたいことを言葉にできなくても、誰かが作ったものをそのまま名乗るのではなく、「新しいものを自分から関与することで作っていく」ということはできます。

若いからこそできる「やってみます!」とすぐに行動に移せるバリューを最大限に活かして多くを経験することで「やりたいこと」を見つけながら、それが出てきた時にすぐ実現に向けて動けるような準備をしていきたいと思っています。

ー自分らしさを周囲から否定されてしまったとき、髙田さんならどのように考えますか?

「自分らしさ」の全てをみんなに好かれることは絶対にできないはず。でもそれは当たり前のことだと思います。問題は、それに対してどう行動するかだと思います。

気にし過ぎて自分らしさを失ってしまっては元も子もないので、まずは「そういう人もいるんだな」と受け止めること。そしてもし可能であれば、否定された原因を探して改善してみると良いのではないかと思います。

そうすると、なんとなく落ち込んだり、なんとなく苛立ったりするモヤモヤとした感情が改善され、自分の在り方に自信が持てると思うんです。

ー最後に同世代の方に向けて「自分らしく生きる」ためのアドバイスをお願いします!

「自分らしく生きる」ことだけが正解ではないと思いますが、もし私の考えに共感してくださるのであれば、「他人に嘘つかないと同時に、自分に嘘をつかない」ことが大切だと思います。

すでにやってみたいことがある人は、それに本気で向き合う。なんとなくやりたいと思ってるままでは、結局そのままやらないことがほとんどですよね。ぜひ、そのやってみたい気持ちを無駄にしないでください!

私のように、まだはっきりとしたやりたいことがない、という方も、ぜひなんとなくでも興味が湧いたこと、気になることに挑戦してください!行動してみると、向き不向きや好き嫌いもわかるので、次につながります。ぜひ挑戦する同志として繋がり、切磋琢磨していきましょう!

ーありがとうございました!髙田さんの今後のご活躍を応援しております!

取材:黒澤朝海(Twitter
執筆:清水真心(Twitter/note
デザイン:高橋りえ(Twitter