NPO法人学生ネットワークWAN髙田理世の「自分らしい生き方」を見つける方法

全てに全力だった高校時代

ー高校は志望校に合格し進学。入学後に少し満足度が低くなったようですが理由はなんでしょうか?

いざ入学してみたら、やはり県内トップの学校。頭が良くてスポーツもできる、しかも可愛い!みたいな子が本当に多くて、自分が落ちこぼれのような感覚になりました。「全然自分ってすごくなかったんだ」と思い知らされましたね。

でも、元々根っからの負けず嫌いなので、勉強は平均以上くらいを保ちつつ、行事やバレエなどのそれ以外の活動に力を入れていました。

また、大学受験に向け2年生の終わり頃から猛勉強。受験勉強しながらそれ以外の活動も続け、さらに生徒会三役にもなりました。実は、高校3年間を通しての皆勤賞ももらいました。

ー当時はなぜそこまでいろんなことをやろうと思ったのでしょうか。

とにかく誰よりもすごいとか、誰よりも頑張ってるといった漠然と「すごい人になりたい」っていうのがあったからだと思います。負けず嫌いで、かつコンプレックスが行動の原動力になっていたのかなと。

ーその後大学受験の結果は?

1番行きたかった大学は落ちました。元々第一志望の大学しか考えてなかったので、滑り止めも1つしか受けてなかったのですが、「やり切ったしいいや」と思えたので、そこに入学しました。

ただ一方で、身も心もいつの間にか、ボロボロになっていました。今振り返れば鬱状態でしたし、その後に続く摂食障害も患いました。もう気力も残っていなかったような記憶があります。睡眠や食事、そして人と笑って話す時間。健康だと気がつかないことでも、そういった当たり前のようなことがいかに大切かを思い知った経験です。

学生ネットワークWANとの出会い

ー大学入学してからはどのように過ごされていたのでしょうか?

入学当初は受験で失敗していたこともあり、自分に自信がありませんでした。小学生の頃から夢見ていた海外留学という目標に切り替え、入学前から勉強を始めました。

TOEFLスコアを上げるため、毎日欠かさず数時間勉強していたので受験時代とあまり変わらない勉強量だったと思います。

ー常に何かやらなければという考え方が印象的です。髙田さんにとって自分自身を駆り立てる要素はなんでしょうか?

先程の話にもありましたが、やはり負けず嫌いな性格の影響力が大きいと思います。休みの日もあまり休めない人です。今でこそ、その考えは薄れてきましたが、自分が休んでいる間に他の人が何かに取り組んでいると思うと、いてもたってもいられないような感じでした。

ー大学時代に人生を変えてくれたコミュニティと出会ったとのこと。出会ったきっかけは?

学生ネットワークWANとの出会いは、何かしなきゃという気持ちからいろいろと探していたとき、福岡市が実施していた学生向けのビジネスチャレンジ事業を見つけたことが最初です。

最初説明会に行ったときは、運営側の人から名刺をもらったものの、起業するのは自分には向いていない、むしろなんだか怖いと感じてしまって、そのまま足を踏み入れることなく遠のいていました。

でも、その後、やっぱり何かしたいと思った時、ふともらっていた名刺が目に入って。改めて団体について調べてみたところ、とりあえず話を聞いてみようと、名刺をくださった先輩に連絡しました。

入ってみたら自分以外は4年生で、私が入った数ヶ月後に卒業してしまったんです。急にリーダーにならなきゃいけないような状況に、なんだか責任感を感じてしまって、そのまま所属していました(笑)。

ーここから満足度もどんどん上がる。成人の誕生日のときにお母様から言葉をかけてもらったことが印象に残っているそうですね。

成人の誕生日のときに母から「親だけが育てたのではなく、社会が育ててくれてるんだよね」と言われてすごく納得したんです。

これまでの私はずっと責任感で行動してきた感じでした。優等生になりたくて、敷かれたレールを歩んできたと思います。そんな私に、多種多様な立場の周囲の方々が、私に時間や繋がりなど、お金には変えられないもので投資してくださっていることを理解させてくれたのが、母の言葉だったと思います。

例えば、学生ネットワークWANの理事長は、さまざまな自治体や企業の人材育成をプロとして手掛けてきた人。そんな人が本気で向き合ってくださることが、如何にすごいことなのか、に気づかされました。

ーなるほど。「自分がやらなきゃ」という責任感から「相手がどう思ってくれるのか」といった部分まで視点が広がってきたのですね。