入社4年目で事業責任者に。クラウドサーカス橋口浩暉の成果へのこだわり

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第406回目となる今回は、クラウドサーカス株式会社でカスタマーサクセスマネジメントシステム「Fullstar(フルスタ)」のプロダクトオーナー兼事業責任者を勤める橋口浩暉さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

橋口さんは、入社わずか4年目ながら、社外からもその営業手腕が評価されています。変化の激しいIT業界で着実に成果を挙げていくために必要な挑戦心はどのように培われたのか、その生い立ちから解き明かしていきます。

学ぶ姿勢は社内の誰にも負けない

ー橋口さん本日はよろしくお願いします。まずは簡単に自己紹介をお願いしてよろしいでしょうか?

はい、2018年にMtame株式会社(現:クラウドサーカス)に入社し、BtoBSaaSの営業担当を勤めてきました。2021年度からは新しいプロダクトの責任者としてチームを率いています。

ー入社4年目で事業責任者とはすごいですね。どのような経緯があったのでしょうか?

もともと何か新しいことに挑戦したいという想いからこの業界に入ってきたので、プロダクトオーナーの募集があった時、迷わず手を挙げたんです。

ー選ばれるだけの理由があると思います。社内からの評価も高かったのでしょうか?

新しい情報に対する貪欲さ、学ぶ姿勢はおそらく社内でも一番だろうと自負しています。営業でも実績を上げてきました。

入社したばかりの若手が10年のキャリアを持つ営業パーソンに勝つためには、営業スキルを磨くだけでは到底太刀打ちできないのです。何か別の強みをかけ合わせて、自分だからこそ提供できる価値をお客様に理解いただかなくてはなりません。

私はこれをマンガ家と医師というスキルをかけ合わせて『ブラックジャック』という名作を生んだ手塚治虫にちなみ、ブラックジャック理論と呼んでいます。

何を組み合わせれば自分の市場価値を上げられるか、常に頭を働かせてきたことで、1年目から成果を積み重ねることが出来ました。

 

負けず嫌いな性格が成長のエネルギー

ーなるほど、ありがとうございます。今回は、そうした橋口さんの新しいことにチャレンジしようとする想いや、営業として成果にコミットする姿勢の背景にあるものを明らかにしていければと思います。まずは生い立ちを伺っても良いでしょうか?

生まれは佐賀です。大学に進学するまでずっと佐賀で過ごしました。振り返ってみると小学生の頃から人一倍負けず嫌いな性格でしたね。サッカーをやっていたので、サッカーで負けることはもちろん、野球部に野球で負けることも悔しかったほどです。

そうした性格のきっかけとしてあるのは、保育園の時のマーチングバンドの経験です。花形のドラムに抜擢されたものですから、集団の中で自分の価値を実感できるようなポジションに強い執着を持つようになったのだと思います。

ー現在の柔らかい雰囲気からは想像もつかないですね。

勝ちにこだわるエネルギーを良い方向へ向けられるようになったのは、小学校4年生の時に、担任の先生に諭されたかたなんですよね。

先生は何にでも負けん気を見せる僕に対して「そのままだといつかばててしまうよ。ねずみを目指しなさい」と言うんですね。

干支のねずみは、十二支の先頭に数えられます。この順番はレースによって決められたという逸話があるのですが、ねずみが1位になれた理由は、レース終盤まで、それまで1位を保っていた牛の背中で休んでいたからなんです。つまり先生はねずみのように賢く生きろと教えてくれたんです。

言われた当時は何を言っているのか分かりませんでしたが、大きくなるにつれてものごとの力の入れどころというのが分かるようになり、他者に対してむき出しの闘争心を持つことは無くなりました。

おかげでひとつのことに集中できるようになり、中学校ではサッカーに夢中になりました。県の選抜選手がひとりもいないようなチームでしたが、愚直に練習を重ね、3年生の最後の大会で優勝できたことは良い想い出です。

 

社会課題にふれることで自分の未来を考えるように

ー高校はどのように過ごされましたか?

佐賀県一の進学校へ入学したのですが、勉強がなかなかできず挫折経験を味わいました。

勉強ができないため授業にも熱が入らなかったのですが、「それなら本を読んでいればいい」と友人に言われ、本を読むようになったんです。

社会課題や世の中の情勢といたものに興味を持つようになって、世の中に自分はどう貢献できるのだろうと、高校生ながらに考えるようになりました。教師をしていた母ともよく議論をしましたね。

自然と将来のことも考えるようになり、高校生の頃から就職を見越した進路選択をしようとしていましたね。

ー大学はどのように選んだのですか?

企業経営者に憧れていたんです。そのためには、経済・経営を大学で学びたいと思っていました。さらに、就職にはコネクションも必要だと考えて、大企業の社長などを多く排出している長崎大学を選んだんです。

ー将来設計から逆算したんですね。大学に入学してからはどのように過ごされましたか?

就職活動にお金がいると聞いていたのでバイトに明け暮れました。当時長崎県の最低労働賃金は全国でもかなり低い方で、最初の時給は670円程度でしたね。

ある程度お金がたまると、在学中に起業して実践的に経営を学びはじめました。

ーIT業界を志したのはそのころですか?

最初のきっかけは、小栗旬さんが主演を務めたドラマ『リッチマン、プアウーマン』でIT業界が描かれていて憧れを持ったからでした。

大学に入ってからは、変化が特に早い業界だという認識を持つに至り、だからこそ新しいチャレンジがしやすいと期待を持つようになったんです。

 

成果を出し続け、高校生に影響を与える存在に

ー新しいことをやりたいという想いはどこからくるのでしょうか?

単純に何でもない人生で終わりたくないんです。何かをやったという達成感を人生で味わいたいと思っています。

ー実際に社会人になってから取り組まれたことはありますか?

2020年に、営業スキルを競い合う「Sales No.1 Grand Prix」、通称S1というコンテストに参加し一位に輝くことが出来ました。

実は大学生の時、学内のミスターコンテストに出場したことがあったのですが、最終選考で負けてしまい、壇上で優勝者に道を譲るという悔しい経験をしていたのです。

S1は、その挫折を払拭する想いもあり挑戦したコンテストでした。容姿を競うミスターコンテストと異なり、実力で評価される世界です。努力のしがいがありましたね。

ーすごいですね。社会人になっても持ち前の負けん気が存分に発揮されているように感じます。営業スキルを磨き続けるために続けている努力はありますか?

とにかく壁にぶつかった時は、問題を分析し、ピンポイントで解決する手法をインプットすることに努めています。

また、最新の情報を入手するために日本語の記事よりも英語の記事をよく読むようにしています。ITの領域は、アメリカの方が日本よりも圧倒的に進んでいますからね。

ーありがとうございます。営業のスキルアップにつながるアドバイスも含め、大変学びになるお話でした。最後に今後の目標を伺えますか?

何かをやったという達成感が欲しいとお話しましたが、これができたら死ねると思える目標がひとつあるのです。いつか、高校生に対して勉学以外の選択肢を示してあげるような活動をしていきたいと思っています。

僕自身、高校時代に勉学にこだわらず社会課題などに目を向け始めたことから今のキャリアを得ていると思っています。もっと多くの若者が、高校生のうちから将来を考えるようなマインドを持つ手助けをしたいのです。

ビジネスの分野で成功を続けることで、僕自身が高校生に耳を傾けてもらえる存在になれると信じています。まずは、いまの職分を全うし成果をあげ続けていきたいですね。

ー本日はありがとうございました!橋口さんのさらなる挑戦を応援しています!

取材者:新井麻希(Facebook
執筆者:海崎 泰宏
デザイン:高橋りえ(Twitter