様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第314回目となる今回のゲストは、サロン経営者兼美容家の竹内麻子さんです。
幼い頃からダンスが好きだった竹内さん。高校時代には進路選択に悩んだ結果、進学した早稲田大学でダンスサークルの幹事長を務めます。新卒で人材派遣会社に入社され、営業や企画広報を経験し退職。その後、福岡への移住、美容専門サロンのオープンなどの挑戦をされています。行動力の源には「ずっとかっこいい人でいたい」という想いがありました。コロナ禍で制限されることの多い今だからこそ、やりたいことを叶えていく竹内さんのお話は必読です。
気になったらやってみる性格は幼少時代から
―本日はやりたいことを仕事にするというところについて竹内さんの経験から伺っていければと思っています。まず、自己紹介からお願いします。
はじめまして。竹内麻子と申します。早稲田大学を卒業後、人材派遣のリクルートスタッフィングに入社しました。営業を2年半、企画広報を1年半経験後、昨年6月に退職をしました。
花嫁美容をきっかけに美容に夢中になり、美容情報の発信を経て会社を設立しました。昨年9月に福岡へ移住し、12月に「Salon de Mew(サロン ド ミュー)」という、ハイフとヒト臍帯血幹細胞、金の糸脱毛の専門サロンを福岡の赤坂にオープンしています。
―人材派遣会社の営業からサロンの経営者になられるなんて、唯一無二のキャリアですね!そんな竹内さんはどんな子どもだったんでしょうか?
昔から気になったら全部やってみるタイプでした。3姉妹の末っ子で姉も母も保守的なんですが、私はかなりお転婆だったんです。例えば会場で、質問のある人ー?といった声がけがあったときに、誰も挙手していなくても私一人だけ質問も考えていないのに手を挙げてみたり。 考えるよりも先にやって、当たったら考えるというタイプでした。
小さい頃にはU字ピンがコンセントの穴にぴったりだと思って入れてみたら感電してしまい、ものすごく親に怒られたこともあります(笑)
―チャレンジ精神がすごかったんですね。その後、中高一貫校に進学されダンスを始められますね。
両親も姉も受験をしていたこともあり、中学受験をして広島県内の女子中高一貫校へ進学しました。姉を見ていてとても楽しそうだったんです。
もともと母がマイケル・ジャクソンなどの80年代、90年代の曲が大好きで、いつも家で洋楽を聞いていました。子どもの頃から音楽に合わせながら身体を動かすのが好きだったんです。中学の部活からダンスを本格的に始めました。
自分のやりたいことに向き合った高校時代
―17歳のころ進路選択に迷われた時期があったんですね。
高校3年の進路を考えるタイミングでした。アメリカの大学が1校だけ指定校になっていたんです。推薦で進学できると知り、英語もずっと好きだったのでその大学に行こうと思っていました。
でも、私も慕っていた大人から、言語もままならない国に何をしに行くの?と聞かれたときに答えられなかったんです。英語なら日本でも学べますし、自分は何をしたいのかを初めて悩みました。そのときに担任の先生からも、早稲田のような大学で色んなことを吸収したほうがいいと、初めて意見を強く言われたんです。
その方達の言葉が家族に言われるよりも響いて、勉強を私立大学向けにシフトしました。その後、指定校推薦の枠をいただくことができ、早稲田大学に入学しました。4年間で最大限できることをしようと思い、入学時から精力的に活動していたと思います。
―大学ではダンスサークルに入られて、代表の幹事長になられるんですね。
幹事長は大学2年の夏の終わりの合宿で決めるんですが、元々は幹事長に選ばれるとは思っていませんでした。リーダーをやるのが初めてだったんです。でも、一人でやるものではなくサークル内での役割分担だと気づきました。
表立って目立ったり集客をしたりするのは得意だったので、そういう役割だったら向いているのかもと思いました。ちょうどSNSが主流になってきた時代だったので、Instagramなどを使って広報をし始めました。人数が倍に増えて大きいサークルとして認知されるようになったので、その部分は貢献できたかなと思います。
―幹事長になって、気を付けていたことはありますか?
上から一方的に指示するのではなく、周りの意見を聞いて取り入れるようにしていました。自分ひとりで決めて進めるのは簡単ですが、周りとの関係性で悩むと思うんです。サークルは部活ではないので一人ひとり思いが違うんですよね。完璧にやりたい人となんとなく楽しくければいいやと思う人もいるので、イベントや公演に向けてメンバーのモチベーションを上げていくところに気を遣っていました。
就職活動を通して見出した自分の理想の姿
―就職活動はどのような軸をもって活動されていましたか?
母が専業主婦だったということもあり、最初は数年働いたら専業主婦になろうと思っていました。でも、大学の友人に、それは違うんじゃない?と言ってもらえて。それから自己分析にかなり時間を費やしたんです。説明会にも全然行かず、選考が始まる頃に気になる企業にだけ行きました。
そのなかの1社がリクルートでした。人事の方が学生と同じ目線で話をしてくれて、この人たちと働きたいと初めて思ったんです。説明会後に呼んでいただいた面談では、子供時代や趣味のダンスのことなど選考に関係のなさそうなこともたくさん聞かれました。
何度か面談をしていくうちに、自分の本質が見えてきました。目立ちたいだけではなく、自分の思うかっこいい人で居続けたい、そしてその理想のために努力することが私にとって大事なことだと気づいたんです。そこから「かっこいい人でいたい」というのを軸に、社会人生活がスタートしました。
―周りの方との出会いによって大きく軸が変化した就職活動だったんですね。最初は営業職で大変だった部分もあると思いますが、いかがでしたか?
100人弱が入社しほとんどは本社配属だったんですが、私は同期が3人だけの立川支社に配属になりました。都内だと短時間で担当エリアを回れるんですが、私の場合は移動時間がとても長かったんです。なので、あまり得意ではなかったのですが、1年目から営業車を運転して営業に行っていました。
大変なことも多かったのですが、組織が楽しくてフレッシュさで乗り切っていました。1年目が終わったときに、私の所属していた組織が全国で1位になって表彰されたんです。2年目は目標も大きくなり、後輩も入ってきてとても大変になってしまいました。
―その後、企画広報へ異動されますね。
当時は毎日色んなスタッフさんの転職やキャリアの相談に乗っていて、やりたいことを出来る時代になってきたなというのを体感しはじめました。営業を2年半経験した後、働き方改革を推進する企画広報へ異動になりました。
―営業職と比較していかがでしたか?
全然違いましたね。企画広報は色んな情報を集めて結論をだしていくんですが、それが正解か本当は分からないんです。営業はノルマもあるので、数字を出せたら正解で、経験したからこそ営業が好きだと気づきました。
コロナという大きなきっかけがあったから決断できた
―会社を退職をされて福岡に移住されますね。
昨年1月に退職を決意しました。イギリスに短期留学に行こうと考えていたんですが、コロナが流行りだして行けなくなってしまって。そこから不動産の勉強と美容サロンのお手伝い、Webライターなど複数の仕事を都内でしていました。
広島への帰省をコロナを気にする家族から止められたときに、東京にいる意味が感じられなくなって、三週間後、福岡に移住しました。いつか移住しようと旦那と話していたんですが、コロナがいいきっかけになって人生が大きく変わったと思っています。
―サロンの開業に至った経緯はなんだったんでしょうか?
花嫁美容をはじめたときに、検索しても似たような記事しか出てこなかったんです。これから友達が結婚していくときに役に立てるんじゃないかと思って学び始めました。いろんなサロンにたくさん行ったんですが、質問をしても担当者の方が答えられなくなってきてしまったんです。そこまで聞いてくる方は初めてです、と言われてしまって。
最初はサロンを経営するつもりはありませんでした。でも、実際に施術してあげたり役に立つことが生きがいなので、福岡に移住したことがきっかけとなり、思い切って始めてみました。
―竹内さんが挑戦しつづけられる秘訣はなんでしょうか?
私はやりたいことが常にあるんです。お金やタイミングを気にしてしまうこともありますが、真摯に生きていれば絶対に結果もお金もついてくると思っています。
欲しいものは早く買ったほうが、その後の人生を幸せに過ごせる時間が長くなると考えています。常にやりたいことをやっていると、他にもどんどんやりたいことが出てくるんです。
なので、やりたいことは紙やEvernoteに書いておいたほうがいいと思っていて。日中も考えてしまうくらい、何かをやりたくて悩んでいる方がいたら、絶対に挑戦したほうがいいと思っています。
―やりたいことを実現していく力強さを竹内さんから感じます。今後はどのようなことを目指していらっしゃいますか?
役に立ったり必要とされたりすることが自分の生きがいで、それが自分の理想のかっこいい人を作り出してくれると考えています。必要とされるためには努力も必要ですし、情報に信憑性がないと信じてもらえないので、開業前にはサロンも自費でたくさん行きました。
今は情報が多すぎて選ぶのが大変な時代だと思います。なので、私を通して良し悪しのフィルターかけてもらえるような情報のハブになりたいと思っているんです。自分が試してよかったものをサロンのお客さんや友人に教えてあげたいですし、私に聞いておけばなんとかなると頼ってもらえる人であることが、私の思う「かっこいいいい人」だと思っています。
―ありがとうございました!今後の竹内さんのご活躍を応援しています!
取材者:吉永里美(Twitter/note)
執筆者:小林菜々
編集者:杉山大樹(note/Facebook)
デザイナー:五十嵐有沙(Twitter)