「やりたいことがわからなかった」学生時代を経て、起業家へ。COHINA代表・田中絢子の半生とは

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第347回目のゲストは、小柄女性向けのアパレルブランド「COHINA」で代表を務める田中絢子さんです。

学生時代に海外インターンに参加した後、国内でアパレルブランドを設立、その後は新卒でGoogleに入社という輝かしい経歴を持つ田中さん。一体どのような半生だったのか、詳しくお話を伺いました。

小柄女性の“ひなた”になりたい

ーまずは簡単に自己紹介をお願いします。

COHINAという小柄女性向けのアパレルブランドで代表をしている田中絢子と申します。もともと学生時代からCOHINAを立ち上げていたのですが、新卒から1年半ほどはGoogleに在籍をしていました。現在は退職をして、COHINAの活動に専念しています。

私は主にInstagramの運用をしたり、ディレクターとして服の方向性を決めたりなどしています。ちなみにブランド名は「小柄女性のための“ひなた”になりたい」という思いから生まれました。

ー素敵な由来ですね。最近では、テレビCMや東京ガールズコレクションなどにも出ていましたよね!

そうですね。板野友美さんや高橋愛さんなど、タレントさんの出演をきっかけにブランドを知ってくれる人が増えてきました。

あと、毎日インスタライブを配信しています。個人でもYouTubeを始めたり、小柄女性のためのファッション情報を定期的に発信しています。

ー身長155cm以下って、ニッチな領域だと思っていたのですが、結構需要があるんですね。

身長が低くても生活スタイルはあまり変わらないので、なかなか注目されにくい領域ではあります。しかし、Instagramは18万人以上からフォローをいただいているので、意外と需要はあると見ています。

「やる気がないと何もできない」と感じた中学受験

ー本日は、田中さんの過去について伺いたいと思います。幼少期はどのような子供でしたか?

小学生のときは自分の意思があまりなくて、ただ本を読んだり友達と遊んだりして楽しく過ごしていました。中学受験もしたのですが、なかなかやる気がでなくて……。

なんとか滑り込みで合格した学校に入りましたが、当時を振り返ると「自分はやる気がないと何もできないんだな」と改めて思いますね。

ただ、学校の雰囲気は自分に合っていたので、結果的には良かったです。

ーそうだったんですね。具体的にどのようなところに相性の良さを感じたのですか?

のびのびとした人が多かったところです。帰国子女が多い学校だったので、自分とは異なる価値観を持つ人でも素直に受け入れるような文化でした。「こんなに誰とでも仲良くなれる人がいるんだ」と、ずっと日本で生きてきた私は衝撃を受けましたね。

ー当初は希望していなかった中学受験ですが、今振り返るとどんな経験になったと思いますか?

自分に意思がないことをやってもやる気が出ないので、うまくいかないんだなという学びになりました。一方で、やると決めたら最後までやらないと何にもならないので、やりきることの大切さも学んだと思います。

世界の広さと自分の小ささを実感した大学時代

ー高校卒業後に早稲田大学に進学されていますが、何を学んでいたのですか?

政治経済を学んでいました。大学受験のときは明確にやりたいことはなかったのですが、なんとなくグローバルな環境に身を置きたい気持ちがあったんです。なので、世の中のことを幅広く知れて、且つグローバルな進路に進めそうという理由から学校を選びました。

ーもともと海外が好きだったんですか?

子供のときに何度か家族旅行で行きました。日常生活では出会えない景色や料理が忘れられなくて、当時幼かった私には刺激が強くて、すごく憧れを抱くようになりました。

ー子供の頃から海外に興味があったんですね。大学時代も海外を中心にして何か活動をされていたんですか?

もともと1年生のときは文化祭の運営スタッフをやっていました。ただ、友達がほしいという目的だったので、文化祭を作ることにあまり興味が湧かなかったんですよね。

なので、2年生からは国際協力に関する活動を始めました。そこでAIESECという海外インターンを斡旋する団体に出会って、最初は運営側で活動をしていました。

しかし、徐々に自分が参加側に回りたい気持ちが強くなって、ブラジルの教育ボランティアに参加することを決意したんです。実際に現地に行くと、親が麻薬漬けだったり、そもそも家族という概念がなかったり、そんな子供たちが多かったことに衝撃を受けました。

「何か自分にできることはないか?」と考えたのですが、何も思いつかなくて……。自分が世界に強い影響を与えられるのはまだまだ先のことなので、まずは自分の得意な分野を見つけて、それを磨くことから始めようと思いました。