一歩踏み出すことで仲間が集まる。小菅勇太郎が大切にする価値観

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第997回目となる今回は、MoonBase株式会社 代表取締役CEO・小菅勇太郎さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

幼少期から国内外さまざまな地域で過ごし、家族や自然、コミュニティの大切さを感じてきた小菅さん。これまでの経験から大切にしている価値観や、地域活性化に興味を持ち起業したきっかけについても教えていただきました。

地域活性化のために事業を展開

ーまず初めに自己紹介をお願いしてもよろしいでしょうか。

小菅勇太郎です。慶應義塾大学を中退し、現在はMoonBase株式会社の代表で2つの事業をしています。

ひとつは、全国の地域活性化に興味のある若者が集まるコミュニティ『Rural Labo』の運営です。もうひとつは、子育て世代のための二拠点生活のサービス『Co-Sato』をつくっています。

ー具体的にどのようなお仕事をされているのか教えていただいてもよろしいでしょうか?

Rural Laboは地域に興味のある人同士が繋がれるオンラインコミュニティです。Slackを使って情報交換したり、オンライン・オフラインで交流会やイベントをやったりしています。

Co-Satoは、幼少期の経験から「もっと誰もが二拠点生活の生き方を選択できないか?」と考えて始まったサービスです。

–事業の楽しさや難しさはどんなところでしょうか。

どちらも自分のために始めた事業ですべてのことにわくわくし、楽しさを感じています。Rural LaboもCo-Satoも人を喜ばせる事業で、相手に人生のきっかけを多少なりとも提供できると嬉しいです。

難しさはスケジュール通りに進まないところです。お客さんと向き合ってニーズの理解を深めて、次に進むヒントを得て乗り越えています。

海外との関わりで世界が広がる

–幼少期の出来事が今の事業にも影響しているとのことですが、どのような転機があったのでしょうか。

小学5年生のときに親の転勤に伴い、日本の小学校からマレーシアのインターナショナルスクールに移ったんです。親が転勤族で、生後半年からさまざまな国内外の暮らしに触れていました。

マレーシアでは学校中の生徒や親、先生たちが毎週金曜日の夜にビーチ沿いにある公園兼レストランに集まり、夕食をともにする習慣がありました。家族・自然・コミュニティの3つが揃っていて、自分が理想とする生き方をしていた期間でした

自然豊かな場所で家族や友達との時間が多いことに幸せを感じ、人生の軸になりました。

–日本に戻ってからはどのような生活を送っていましたか。

東京に戻り、受験期に突入しました。学校や部活、塾の往復で周りの人たちと同じ生き方に染まり、家族との時間もなくなり改めて理想の生き方を考えるようになりました。自分の人生よりも、周りの社会の当たり前の生き方をしていた時期でした。

受験では頑張って第1志望の高校に行けたのはいいもののレベルの高い高校で、入学したときにはすでに落ちこぼれでした。

勉強もスポーツもどちらも全然できず自信喪失していた時期に、外務省とイオン1%クラブが主催する『日中ティーンエイジアンバサダー』の募集を見つけました。海外で暮らしていたので海外への興味があり、中国に行ける機会があると聞いたので応募しました。

日中ティーンエイジアンバサダーで他の参加者に出会ってから「活動の場は学校に限定する必要はないんだ」と思えるようになりました。そこから、Facebookでイベントを調べたり、起業のプログラムに参加したりするようになったんです。

理想の生き方を求めて起業を決意

ーどのような経緯で起業したのでしょうか。

20歳で起業に踏み切りました。マレーシアに住んでたときに、友達の親に経営者が多かったんです。家族思いで、仕事を語るのがかっこよく見えて、当時から経営者や起業家に憧れを持っていました。

当時はまだ何がしたいのか明確に決まっておらず、漠然と地域活性化やまちづくりに興味がありました。ただ、まちづくりのイベントやセミナーで同世代の人たちと繋がれなくて。まずは仲間を集めようと思ってRural Laboを始めました。

実は起業するとき悩んでいて。実際1ヵ月起業を延期しました。自分が本格的にレールを外れるかどうかの分岐点と感じていましたし、起業したら当面大学には戻れないので悩んでいました。でも結局今の自分がやりたいことはこれだなと思い、起業を決意しました。

ーCo-Satoはどのように立ち上がったのですか。

20歳で起業しましたが、1年間くらいはあまり事業を動かせていませんでした。多拠点生活のサービスを単身世代向けにやろうとしていましたが、なかなかうまくいかなかったんです。全然違う領域の事業を考えて迷走した時期もありました。

でも1年経った頃に、ビジネスアイディアを再度ホワイトボードに書き出すと、1年前につくった多拠点生活の内容とほぼ一緒だったんです。このとき、1番モチベーションが湧くのが多拠点サービスだと気づきました。

21歳で『MAKERS UNIVERSITY』に参加してヒアリングをしたとき、やろうとしている事業が子育て世代に食いつきが良かったんです。ヒアリングを繰り返しながら子育て世代に二拠点拠点生活サービスを作ろうとなり、Co-Satoを立ち上げました。

ただ、子育て世代は自分が全然知らないターゲットでした。今まで自分のために事業をつくっていたので、自分がすぐ使えるサービスをつくりたい思いもありました。自分自身もどこまで子どもが好きなんだろうと、自信を持てませんでした。

でも試しに1回モニターを開催したとき、参加した家族がよい反応をしてくれたんです。幼少期に似た体験をしたことが今に繋がっていると気づきました。

ー起業して学んだことは何かありますか。

仲間の存在の大切さですね。Rural Laboは3回くらいやめようと思ったタイミングがありました。悩んで距離を置こうとしたのですが、仲間から声をかけられたんです。仲間が気にかけて声をかけてくれたおかげで、コミュニティは3年続いています。

転勤が多かったのもあり、今まで半年以上何かを続けたことはほぼありませんでした。コミュニティや会社が続けられているのは、仲間のおかげだなと嘘偽りなく思っています。