第二部:会社との思いがけない出会いとキャリアカウンセラーの仕事
現在、株式会社UZUZでキャリアカウンセラーとして活躍中の望月奈津美さん。そんな彼女も実は就職で大きな挫折を経験している一人です。第一部では大学時代、初めての就職活動、挫折を経ての内定、新規開拓営業のお話を伺いました。第二部では、営業の仕事を始めて2年半くらいの時に起きた転機、転職活動中に思いがけない出会いをした現在の会社、そしてキャリアカウンセラーの仕事について伺います。
仕事は面白いけれど、退職しようかな…
ー転職を考え始めたのはいつごろですか。
はっきりと退職を意識し始めたのは、入社2年目の後半、3年経つ半年前くらいですね。「会社を辞める」タイミングはかなり考えました。自分の年齢、経験年数、会社の繁忙期など色々加味して「今のタイミングだよな」と思ったのが入社3年目の前半ごろ。このころから本格的に他の会社を調べ始めました。
ー転職を決めた理由は?
一つの理由が決めてというよりは、どちらかというと小さな要素がたくさん重なって、ジワリジワリと考えるようになりましたね。結婚して子どもを産んでも働きたいって思っているので、今の仕事をずっと続けられるのか自信も持てませんでしたし。
また、新規開拓営業をやっていて、ダイレクトに企業全体にというよりはもう少し範囲を絞った個人などに対して働きかける方が、一案件に対してじっくり時間をかける性分の自分にはあっているかなとも感じました。自分のやった仕事に対して、返ってくる結果も個人の方が感じやすいですしね。
ー「やっぱり転職をやめよう」と思うことはなかったんですか?
タイミング的に色々重なって、もう少し会社にいたら、別の案件も出来るかも、と思うところはありました。でもそうなると、その後、4年、5年は仕事を続けていく可能性もあり得ます。このとき私の年齢は26歳だったので、複数年別の案件をやってから転職するとなると30歳は超えます。正直、それでは遅いのでは無いか、と考えました。であれば、やっぱり今転職するしかない。そう決意して転職することに決めました。
ー前職を辞めてから、少しお休みをして転職活動をされたんですか。
いいえ、少し大変ではありましたが、仕事をしながら並行して転職活動行なっていました。辞めたのは、今の会社(株式会社UZUZ)への入社が決まってからです。
転職活動は情報集めから
ー転職しようと決めてから、まずどんな行動を取りましたか。
周りに転職活動を経験している先輩や知人がいたので、まずはどういう風に転職を進めたのかを聞きました。
ーもう転職活動した人に相談したということですね。
そうです。それから、求人広告を見たり、グーグルで検索したりしました。知人から5〜6種類程、おすすめの媒体を教えてもらったので調べてみたりしましたね。
UZUZとの思いがけない出会い
ーおすすめされた媒体の中に株式会社UZUZがあったんですか。
いや、そうではないですよ。UZUZとの出会いは偶然によるところが大きいんです。通勤電車の中で求人媒体を見ていたとき、あまり詳しくは覚えていないんですが何かの拍子にバナーをクリックしたんだと思います。そしたら質問が出てきたんです。「女性か男性か」と「年代」と「第二新卒か既卒か」だったかな?気軽な気持ちで選んでいたら、「登録しました」となったのがUZUZだったんですよ。後日連絡がきて、面談日程を組むという話になりましたが、UZUZって何?なんて読むの?と思いました。笑
ーそうですよね、CMをやってるわけでもなく、初めて聞きますもんね。
そこから自分でUZUZについて調べました。面談してもらうのなら、UZUZはどういう分野に強いのか見ないといけないなと思い、HPに飛んだんです。そしたら、HPが結構おもしろくて!社員インタビュー記事があり、ニュース記事があり、ブログもあり、色々調べているうちに、UZUZという会社を受けてみたいと思うようになりました。なので「ごめんなさい、(人材紹介のための)面談を辞退します。採用選考に進みたいです。」と連絡をしました。
ーUZUZで(人材紹介のための)面談ではなくて、選考試験を受けたいと思ったポイントはどんなところでしたか。
大きかったのは社員のインタビュー記事です。面白くて全部読みました。結構、過去に何かあった人が多くて、就活に挫折した経験がある人もいて、私も挫折しているので、よく気持ちがわかり、近しい部分があるのを感じました。UZUZで働いている人たちの人柄に惹かれたのが一番のポイントです。
ーオフィスに行って、実際に社員の方々に会ってもその印象(人柄)は変わりませんでしたか。
はい。オフィスを訪問した時に人事担当者と話して、自分の適性についても考えることがありました。「自分は何がそこでできるかな」と考えたときに、「営業をやってきたところの意識(関係性を作る)は使えるな」と感じました。そして、仕事の中での大変な部分やビジネスモデルなども理解した上で入りました。
そして、キャリアカウンセラーへ。
ー面接をクリアし、実際入ってみてどうですか。
キャリアカウンセリングは本当に難しいなぁと感じます。生身の相手ですので、考えが変わったり、周囲の影響による心境の変化などもありますし。だから私自身も、100%相手に対して正しい答えを出せているわけではないと思います。
ー人様のキャリアのことを支援するのはとても責任が大きいですよね。
そうですね、責任重大です。企業と求職者のミスマッチを100%ゼロにはできませんが、限りなくミスマッチしない結果に近づけたいと思っています。大事なのは求職者の方が今何を考え、何に悩んでいるのか、どういう仕事をしたいのか、どんな働き方や将来を作っていきたいのか明らかにすること。この点を一緒に整理しながら言語化していくんですが、これがとても難しいです。最初は本音で話してくれないこともあるので、そこを解していきながら関係性を作っていくように意識をしています。
「質問されたからなんとなくとりあえず答えてるけど、よく分からないです……」という人もいるので、本人の中にある潜在的な軸になる部分を見つけるのは簡単ではないですね。
ー軸を見つけるために、意識していることや聞いている質問などありますか。
将来や先のことだけでなく、過去から全部お聴きするようにしています。その中で、「その人がどういう判断をしてきたかの癖」を探るようにしています。
キャリアカウンセラーのアプローチの仕方
ー日々のキャリアアドバイスのお仕事で、「やりたいことがないんです」というような相談を受けた時、どんな風にアドバイスされていますか。
一概には言えないですが、既卒の方に多い傾向がありますね。「やりたいことがコレだ!と確信が持てるものを見つけるのって時間がかかるし、脳みそも使うし、そもそも考えているだけでは分からない。仕事をして経験を積みながら見つけていこう。足踏み状態だけが続くと”年齢は重ねるのに経験は空っぽな人”になってしまう、経験した先で新しい見え方がしてくるものだよ。」とアドバイスしています。
ただ、無闇に仕事を選んでしまうのもまた違うので、本人と方向性をしっかり話した上で、どういう経験を積んでいくことが思い描く将来像に近づくのか、はしっかり押さえます。
まずは、専門学校や大学での経験や、アルバイト経験などを聴いて、求職者の方が得意なことや活かせる経験など、過去のバックグラウンドを一緒に作っていきます。
第二新卒の方に対しては、職務経験や転職理由などをお聴きし、次のフィールドでは何を求めていきたいのかもお聴きして、方向性を見つけていきます。
あとは、「一生」とか「10年後、20年後」といった大きなスパンで考えずに、5年後、3年後、2年後でもいいから、短いところで期間を定めて、どうなっていたいのかを考えて貰うように提案する場合もあります。
ー求職者の経験やタイプによってアプローチ方法が異なるのですね。ありがとうございます。
迷ったらまずは「行動」してみる。
ー最後にいくつか質問をさせてください。日々面談されていて、求職者にはどんな方が多いですか。就職活動で挫折している人が多いなど、傾向はありますか。
私同様、新卒時の就職活動でうまくいかずに挫折して既卒となられている方もいますし、数ヶ月〜半年という短期離職の方もいます。在職中ですがもっとキャリアアップしたいという考えで転職検討されている方もいます。多いのはそういった方々ですね。
ー“キャリアアップ”はポジティブな動機なので、割とわかりやすいですよね。しかし就職活動がうまくいかなくて挫折してしまった、あるいは入社した会社を数ヶ月で離職してしまった方の中にも、次の職探しで“うまくいく人”と“うまくいかない人”がいると思います。その差はどんなところにあると思いますか。うまくいくための法則、コツみたいなものがもしあれば、それもお聞かせください。
コツ…難しいですね。自分自身で上手くいかない要因や短期離職してしまった要因を認識できて、それを修正していけるかどうか、は大きいです。
また、行動する、しないも大きいかなと思います。考え続けて足踏みしてしまう人は結構多いですね。「もう少し考えます」という人も多いのですが、考えているだけでは分からないと思うので、行動して企業の説明会に行ってみる、面接を受けて、そこで逆質問をガンガンしまくるなど、そういうことはやってほしいなと思います。それをやるかやらないかで、就活するまでの期間や伸びも変わってくるので、情報収集の一つの手段として、「行動する」こと、つまり目で見てくる、聞いてくるというのは違ってくるかなと感じています。
ーそうなんですね。考えて足踏みしている時間があったらどんどん行動することで、結果的に気づきや発見、学びも大きくなり、自分のキャリアも前に進んでいくよ、ということですね。本日は、ありがとうございました。