自分とのつながり、誰かとのつながりを大事にできるように。通全堂 稲葉通全

仲間との起業を決意。環境の変化によって心も健やかに

ー22歳のときの転機を教えてください。

企業の内定を辞退しました。過去の自分と同じような境遇の方を救うため、居場所が見つからない方が利用できるサービスを作りたかったからです。

まずは社会起業家の支援プログラムに応募し、事業を少しずつ形にしました。そこでたまたまサンゴの養殖研究者と出会い、同年代なこともあり意気投合。ともに起業することになりました。

ー当時の事業内容を教えてください。

廃校になった小学校のプールを利用したサンゴの養殖です。また空き教室を発達障害やマイノリティなどで苦しむ方々を支える場所として使いました。

悩みを抱える人や学生を自然体験などを通して癒す場などを企画運営していました。

ーサンゴの事業とご自身の事業を一緒にしようと思ったのはなぜですか?

「自然と人はつながっている」と考えており、自然は悩みを抱える方の癒しになると思ったからです。過去の私も自然の中で癒しを感じていたため、サンゴという自然の要素を取り入れました。

ー当時は宮崎に拠点を移したとお聞きしましたが、どのような変化がありましたか?

宮崎が第2の故郷と思えるほど好きになりました。現地ではたくさんの方が事業を支えてくれ、自然も豊かだったため心も健やかになったのを覚えています。

事業は大変でしたが、日々の暮らしは充実してよいご縁にも巡り会えました。

ボディワーカーに転身。人々の生活を豊かにしたいと語る

ー24歳での転機について教えてください。

ボディワーカーに転身しました。

それまでは悩みを抱えた方々の居場所づくりをしていましたが、その場所がなくなると利用者はまた苦しんでしまうと考えました。そこで居場所が見つからない方が「自分が自分の居場所である」と思えるように、コーチングやカウンセリングを実践

しかし人が健やかに生きるためには心だけでなく、身体の健康も大事だと気づきました。そこからは『ソマティック』というアプローチを探求し、ヨガの国際資格などを取得してボディワーカーとなりました。

ーその後はどのような療法をされたのですか?

姿勢改善や脳機能改善のサービスを提供するパーソナルトレーニングスタジオ『b{stoic』で働き、様々な身体の状況に対応できるよう技術を学びました。おかげでお客さん1人ひとりの身体に対して、より解像度が高く真摯に向き合えるようになりました

ー26歳での転機について教えてください。

経営者や個人事業主向けのパーソナルサービス『通全堂』を開業しました。実践を積み経験や知識が蓄積し、それを独自の形にしたいという考えから決断しました。

ご縁のある方からはじめ、少しずつご縁の輪を社会に広げながら、サービスを提供できたらよいなと思っています。

ー仕事のやりがいを教えてください。

セッションによって不調が改善し、お客さんがその方らしい人生ややりたい事ができるようになるのがやりがいです。「まわり道しながらも技術を高めてよかった」と思えます。

ー現在の生活は充実していますか?

大変なこともありますが、充実した日々をすごしています。

様々なご縁のおかげで、人生が年々豊かになっていることを感じます。また最近結婚したのですが、生活が変わって人生がより豊かになりました。

ーほかに現在おこなっていることはありますか?

移動式のリトリート(日々の生活から離れ、自分だけの時間をすごしてリラックスしたり疲れを癒したりすること)がテーマのキャンピングカーを妻と製作中です。

これは妻との共同プロジェクトで、自分たちが整う暮らしをしながら出会う方々を整えたいと思い企画しました。現在妻とご自愛を全国に届けるリトリートカーを作るためのクラウドファンディングに挑戦中です!

またキャンピングカーを使った移動式のセッションをおこない、人々の暮らしや人生を豊かにできればよいなと考えています。

ー稲葉さんにとって「豊かさ」とはどういうものですか?

身体や心が「なんだかよいな」と感じる時間のことです。

例えば妻と一緒に暮らしたり、ご縁のある友人や知人とよい経験をしたりすると心がつながる感覚を覚えます。加えてお互いに安心感が生まれ「なんだか心地よい」と感じます。

これこそ私にとっての「豊かさ」です。

ー最後に10代、20代の方にメッセージをお願いします。

遠い未来のことをあまり考えず、心地よさやよい感覚を大切にして日々をすごせば、知らぬ間にものごとがよい方向に進んでいます

感覚や感性を頼りに意思決定すれば、おのずとよりよい方向に進んでいけると思います!

ーありがとうございました!稲葉通全さんの今後のご活躍を応援しております!

取材:岩津立樹(Twitter
執筆:uzmuu(Twitter
デザイン:高橋りえ(Twitter