様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第928回目となる今回は、株式会社エムエム総研・有川 俊太(ありかわ・しゅんた)さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。
情熱を注いできたバスケットボールでの怪我やコロナ禍によるキャリアストップを経験してきた有川さん。困難のなかでも現状と向き合い、前向きにキャリアを進めていくために大切にしている“価値観”を語っていただきました。
“知らない世界でも挑戦をやめない”未経験業界への転職を踏み出せた価値観
ーまずは簡単に自己紹介をお願いいたします。
株式会社エムエム総研の有川俊太と申します。東京生まれ、東京育ちです。
幼い頃からバスケットボールが大好きで、プロ選手を目指していたこともあります。前職はフィットネス業界でストレッチトレーナーをしていました。
現在は株式会社エムエム総研でインサイドセールスのエージェントの人材として、国内大手の医療・介護機器販売メーカーなどを担当しています。
具体的には、既存のクライアント先に常駐してインサイドセールスの成功やインサイドセールスの内製化を支援するイメージです。
ーインサイドセールスとはどのようなお仕事でしょうか?
ひと言で表すと“非対面で行う営業”ですね。電話やメールを用いて顧客と接点を持ち、ビジネスの成功に向けて関係構築をしていく役割を果たしています。
コロナ禍に入って対面での営業活動が難しくなるなか、注目が高まっている営業スタイルです。
ーなるほど……! ストレッチトレーナーからインサイドセールスへのキャリアチェンジは珍しいと感じたのですが、1歩踏み出せたのはなぜでしょう?
私が人生において大切にしている価値観は「知らない世界であっても挑戦し続けること」と「仕事・私生活両方とも自分のこだわりを持ち続けること」なんです。
未経験の業界でも前向きにキャリアを進められたのも、2つの価値観を軸として持っていたからだと思います。
バスケ大好き少年が選んだ“ストレッチトレーナー”への道
ー素敵です。有川さんの価値観がどのように形成されていったのか、幼少期のお話から聞かせてください。
とにかく興味の範囲が広くて「あれもこれもやりたい!」と言っていた子どもでした。考えるよりもまず行動する、やんちゃなわんぱく坊やだったと思います(笑)。
体を動かすことが好きでバスケットボール以外にもさまざまなスポーツを経験しましたが、小学生のときにプロバスケットボールの試合を観戦したことをきっかけにバスケ一筋少年になりました。
ー小中学生時代はバスケットボールのプロ選手を目指していたと伺いました。
はい。やはり目の前で見たプロ選手のプレーが忘れられなくて……。高校生の途中までは本気で自分もプロになると練習に励んでいました。
ただ、高校で体育の先生と接するうちに、生徒たちから慕われている先生の姿をかっこいいと感じるようになって、プレイヤーよりも指導者のほうに興味が移ったんです。目標がプロ選手からコーチに変化して。
大学入学のタイミングで、小学生の頃にお世話になったコーチに相談をして、出身のミニバスケットボールチームでコーチをする機会をいただきました。
ー大学からはコーチ1本でやっていこうというお気持ちだったのでしょうか?
そうですね。ただ、コーチをしながら大学のサークルや社会人チームで週2~3回はプレイヤーとしても楽しんでいましたね。
バスケットボール漬けの毎日を送るなかで、コーチとしてよりプレイヤーと近い距離でかかわっていきたい、より深くサポートしていきたいと“バスケットボール指導”への熱量が高まって、卒業間近のタイミングで思い切って大学を中退しました。
ー思い切った決断ですね……!
自分の時間をもっとバスケットボール指導に費やしたいと考えたんです。
ー“バスケ愛”の大きさを感じます。その後コーチからストレッチトレーナーへ転身したと伺いましたが、どのようなきっかけがあったのでしょうか?
24歳のときにバスケットボールのプレー中に腰を怪我してしまって。翌日1人で起き上がれないほど重い怪我でした。
当時治療を受けていた医師から「体のメンテナンスがまったくできていない」と指摘を受けて、初めて体のメンテナンスの重要性を実感しました。
腰はプレーへの影響が大きい箇所で、プレイヤーとして復帰は難しいのかもしれない。精神的にもつらく非常に悩んだ時期でしたが、乗り越えるためにもまずは体のメンテナンスを学んでみようとストレッチトレーナーに興味を持ち、実際に働き始めました。
ーご自身の怪我をきっかけに興味を抱き、ストレッチトレーナーになったのですね。実際に働いてみていかがでしたか?
体を正しい状態にメンテナンスしておくことの重要性をあらためて実感する日々でしたね。自分が担当したお客さまから「体の感覚が変わった!」と喜びの声をいただけることがうれしくてやりがいを感じていました。
ただ、ストレッチトレーナーとしてのキャリアを積み上げていくタイミングでコロナ禍になってしまって。ストレッチトレーナーはサービス業。それも人と直接触れ合う業種のため大打撃だったんです。
コロナによる営業停止が続くなかで自分がストレッチトレーナーである意味が見いだせず、もどかしい思いでした。
ーストレッチトレーナーとしてのキャリアをスタートしたばかりのタイミングでの営業停止。悩むことが多かったのではないでしょうか。
これからどうしていこうか非常に悩みましたね。この営業停止期間が、自分のキャリアにおいて何を大切にするべきかを考えるきっかけとなって。転職を考えるようになりました。
当時ちょうど20代半ばを過ぎた頃で、自分はほかの社会人と比べてビジネスの視点が足りないことに気がついたんです。
むしろビジネスを学ぶことで自分のキャリアを広げられるかもしれない、20代の今だからこそ未経験でも挑戦できることがあると考えて、ビジネスを学べる環境に飛び込みました。現職の株式会社エムエム総研への入社です。