あなたの想いが、価値になる。Webデザイナー・ブランディングプロデューサーの冨樫ひかるが語る、自分らしい人生を選ぶ方法

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第934回目となる今回は、冨樫 ひかる(トミガシ・ヒカル)さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

Webマーケティングのベンチャー企業に入社後、フリーランスとして独立し、Webデザイナー・ブランディングプロデューサーとして働く冨樫さん。学生時代のエピソードや独立までの経緯、今後の目標などについてお話していただきました。

内側にある想いを大切に、フリーランスとして働く

ー簡単に自己紹介をお願いいたします。

冨樫ひかるです。フリーランスで、Web制作をメインに、ブランディングセッション、イベント企画などもやっています。働く上で「内側にある想いを大切にする」という価値観を大切にしています。

なぜその価値観を持つようになったのでしょうか?

フリーランスとして独立したときに、SNS上で同時期に独立したフリーランスと自分とを比べて、悩んだ経験からです。

自問自答して「なぜフリーランスになったんだっけ?」「わたしは働く中で何を伝えたいんだろう?」と考えるうちに、他人と比べるのではなく、内側にある自分の考えを大切にしようと思うようになりました。お客様と話す中でも、ブランディングには派手な外見ではなく、内側にある想いが大切だなと気づきましたね。そこから、自分の信念をもとにブランディングをしようと考えるようになりました。

ついSNSに囚われがちだったのですが、あくまでSNSは自分と近しい価値観の人をフォローしている小さな世界なので、現実にはもっと広い世界が広がっているんだと気付きました。

ーフリーランスの仕事はどうですか。

ひとつひとつ自分の仕事を選んだり、つくっていけるのは楽しいです!反対に、まったくレールが敷かれていないので、何を選択するかを自分で決断しなければいけないことは難しいとも感じますね。

自分自身で進路を選択できる分、価値観が合う人や同年代など、付き合う人も心地いい範囲内にとどまってしまいがちです。そこで、違う年代や違う働き方をされている方など、わたしのコンフォートゾーンを脱する新しいつながりも開拓するように心がけています。

自分にはない価値観を持つ人たちと接することで、視野が広がり、多くの選択肢が見えるようになると思います。

劇団に入ったことで、想いが表現できるように

ー幼少期のエピソードを教えてください。

小4で地元の劇団に入ったのが大きな転機でしたね。それまでは自分の考えを言えない、人の顔色を伺う大人しい子どもでした。ある日、母が連れて行ってくれた舞台を見て感激し、劇団に入ることを決めたんです。自分の内側から溢れ出すものを自由に表現して良いんだと気づき、感情を解放できるようになったことが大きな変化でした。

入団後は小さな役が多かったのですが、表現することが楽しくて、稽古を頑張っていました。そんな姿を見てくれている人がいて、自主公演の舞台の主役に抜擢されたこともありましたね。努力は報われるんだなと感じて、大きな自信になりました。

劇団で稽古を積むうちに、演劇だけではなく、ダンスや歌など表現の幅が広がっていきました。どんどん自分にできることが増えていくのが嬉しくて、高校2年生で受験勉強を理由に辞めるまで、7年くらい劇団を続けていました。公演までの仲間との稽古期間が楽しくて、もっともっと、この感動を味わいたい!と思っていたんです。

演劇に没頭していたので、退団後はぽっかり穴が空いた感覚になりました。大学に入るために、勉強に集中しなければならない現実を目の当たりにしました。

ー大学入学後も何かに没頭されたのでしょうか。

4年間、アルバイトに没頭していました。予備校のチューターとして、生徒の学習をサポートしたり、集客施策を考えたり、社員と一緒になって多岐にわたる役割をしていました。

どんどんできることが増えていく中で、働くことは楽しいなと思えたんです。想いを持って働いている先輩方をみて、わたしもこうなりたいと思うことが多かったですね。

人に何かを与えたり、喜んでもらえたりできる、仕事のその先からやりがいを感じていました。与えられただけの仕事は作業になってしまいがちなので、なんでやるのか?なんのためにやるのか?をちょっと考えるだけで、見える世界が変わると思いますね。極論、なぜやるのかに納得感が持てない仕事は、やらなくてもいいと思います。

ー就活はどうでしたか。

企画や広報などの裏方として舞台に関わりたいと思っていましたね。小さな会社にインターンでも参加してみましたが、正直思い描いていた環境ではなくて…..。大手のエンタメ企業にエントリーすることに決めました。

大手は年間5人くらいの小規模採用なことが多く、集まってくる人もエンタメ愛が強くて、結局選考を突破できず、夢破れました。「自分なんて…」と自己肯定感が下がってしまい、這い上がり方がわからなかったんです。

そんな中で、就活中に出会った方から「価値観や得意なことなど、自分が生かせる環境に入って、そこでやりたいことを探しても良いんじゃない?」と言われて、その観点で仕事選びをすることにしました。今振り返ると、この考えは間違っていなかったなと思います。

新卒として入ったWebマーケティングのベンチャー企業は、若手にどんどん任せてもらえる環境でしたね。新入社員ということも関係なしに先輩方と仕事ができて、自分に合っていました。

大手への就活時は、行きたい会社にどう自分を合わせられるかばかり考えていました。もちろん、それも大事な経験だと思いますが、決してそこに囚われる必要はないとも思うんです。若いうちにたくさん挑戦して、成功や失敗を繰り返せる環境に身をおくほうが、その後の選択肢が広がっていくと思います。

ー若手でもチャレンジできる環境に入ったんですね!

実は、新卒で入社したこの会社は、結婚を機に、東京から大阪に引っ越すことになり、2年ほどで退職したんです。不思議と躊躇はなく、あっさりと決断しました。

退職後はやりたいことが漠然としていて、どうしたら良いか悩んでいました。そんな中、旦那さんからの「将来を見据えて、自由な環境で仕事ができる力をつけたほうがいいんじゃない?」との言葉に背中を押されましたね。わたしもいつか組織の力を借りてではなく、自分の力で働きたいと思っていたので、今だ!と思ってフリーランスになろうと決めました。

だいぶ見切り発車だったのですが、不安よりもやってみようという気持ちの方が大きくて、今思えば一歩踏み出してみてよかったですね。これが自分にとっての大きな転機になりました。

Webデザイナーとして独立して2年ほど続けると、自分でお客さんにサービスを提供しながら安定してお金をいただくということができるようになりました。ただ、SNSで活躍している人の働き方を見て、わたしもこれに倣った方が良いのでは?という気持ちになったり、発信やサービスづくりも、周りから自分がどう見られるかばかりを気にして形だけに囚われてしまったりして。

違和感の中で、悩む日々が続きました。想いを大切にしたいはずなのに、目的と手段が逆になっていましたね。

ちょうどその頃、クラウドファンディングでの「Me手帳」プロジェクトを20人のメンバーでやることになって。メンバーと過ごす時間の中で、周りから求められる“自分像“に合わせて生きてきたことに気付かされて、たくさんの“こうするべき”を手放すことができました。

もっと自然体でいいんだ、と思えましたね。演劇で感情を表現できていた自分自身に戻れたような感覚がありました。