志高く夢を追う18歳の起業家・本橋岬に聞く!個性を伸ばす留学のすすめ

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第770回目となる今回は、株式会社MISAKU留学姉妹の代表を務める本橋 岬(もとはし・みさき)さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

11歳でのブラジル留学を機に英語に興味を持ち、実践的に英語力を伸ばせる環境を求めて14歳でフィリピンへ留学した本橋さん。フィリピンとアルメニアでの留学経験を通じて学んだことや15歳で起業した経緯、大学進学後の展望について伺いました。

国際人として使える英語を学ぶため14歳でフィリピン移住

ーまずはじめに、自己紹介をお願いします。

株式会社MISAKU留学姉妹を経営している本橋岬です。現在18歳で、2022年9月にカリフォルニア大学バークレー校に入学しました。15歳の時に立ち上げた会社では、中高生からのマニラ留学の魅力について発信しています。

ー具体的には、どのような活動をされているのですか?

フィリピンの基本情報やフィリピン留学の概要・メリットなど、留学を検討するときに必要な情報全般です。

そのほか、マニラ留学やフィリピン移住についてのオンライン相談や現地の学校視察ツアーの企画・運営など、幅広いサポートを提供しています。実際に移住した経験を生かし、住まい探しや治安情報など幅広くサポートできるのが特徴です。

ー本橋さんは14歳でフィリピンに留学されましたが、海外留学を考えたきっかけは?

11歳でブラジルでの国際キャンプに参加したことがきっかけです。

当時は英語で「Hello」と挨拶するのも恥ずかしがるような子どもだったのですが、キャンプへの参加を機に英語力の無さを痛感し、コツコツと学び始めました。

ー英語留学は欧米が人気というイメージがありますが、なぜフィリピンを選んだのですか?

もともと父の仕事の関係でフィリピンには縁がありました。留学先としてさまざまな国を検討する中で、フィリピンが最もコストパフォーマンスが高い国だと感じたんです。

フィリピンと日本とは飛行機で4時間半ほどでアクセスしやすい国である点も移住を決めるポイントでした。

ー14歳のタイミングで海外留学するのは大きな決断だったかと思います。ためらいや不安はなかったですか?

生まれ育った土地を離れて、縁もゆかりもない場所へ行くのは正直怖かったです。家族や友人と離れる不安もありました。

しかしそれ以上に、毎日同じような生活を繰り返したまま大人になりたくないという強い思いがあったんです。

中学校へ通う電車の中で「私が将来なりたいものって何だろう?」とふと考えたことがありました。有名大学への入学こそが人生の近道で、そのために高校を受験する。日本で常識とされている受験の在り方への違和感がずっと拭えず、海外留学を決意しました。

フィリピン・マニラへ留学。語学とクラブ活動に没頭

ーマニラのインターナショナルスクールに留学されて、最初に感じたことは?

語学の習得に苦労しました。共通語となる英語を学ぶだけでなく、フィリピン固有の言語であるタガログ語やフランス語も同時に習得したので、3か国語が飛び交う生活は大変でした。

ー英語を習得するのは大変でしたか?

英語を学び始めた頃は、文法の間違いを友人に指摘されるのを恐れてなかなか発言ができなかったんです。でも、苦手なりにも自信を持って発言し続けることが大切だと気づき、改善しながら語学力を磨きました。

本格的に英語を学んでみて感じたことは、英語はあくまでコミュニケーションツールであり、誰かとの会話があって成立すること。それに気づいてからは、友人作りもできて英語でのコミュニケーションもできるクラブ活動に積極的に参加しました。

ーフィリピンの教育と日本での教育には、どんな違いを感じましたか?

フィリピンの教育は自由度が高く、自分の興味に合わせた学びを設計してくれます。

日本ではカリキュラムに沿って授業が進み、高校で文理選択をする仕組みが多いかと思います。パソコンやスマホの持ち込みを禁止する学校も多いですよね。

フィリピンのインターナショナルスクールでは、プログラミングやロボット制作などの専門的知識が学べる授業が中学校から、自分でアプリやWebサイトを作る方法が学べます。

私はビジネスや起業に興味があったのですが、学校が提携するビジネススクールの先生に為替取引などを教えてもらいました。自ら行動する意志さえあれば、学びを提供してくれるのがフィリピン教育の特徴です。

ー留学中には、クラブ活動にも積極的に参加したそうですね。

ディベートやロボット制作、女子サッカーなどさまざまなクラブに参加しました。中には、世界大会でメダルを獲得したものや、国内大会で1位になった活動もあります。

5年ほど続けた女子サッカーでは、サッカーを通じて英語力も身につきました。サッカーは言葉が通じなくても成立するスポーツではありますが、チームビルディングにおいては英語が必要です。パスやゴール、シュートなどの簡単な単語から学べる点にも助けられました。

ーさまざまな活動に挑戦する本橋さんのバイタリティは、海外留学で得られたものですか?

フィリピンの教育環境が影響したと思います。私は、ビジネスや経済学にも興味がある一方で、アートやサッカーも大好き。

その多方面への興味を1つに絞って伸ばすのではなく、自分らしさを構成する要素として受け入れて、学びのアプローチを提案してくれたからこそ、今に至るさまざまな挑戦ができたと思っています。

留学での経験を生かし、15歳で起業

ーフィリピン在学中に株式会社MISAKU留学姉妹を起業した経緯を教えてください。

最初は、中高生からのマニラ留学について発信したくてオンライン座談会を始めたんです。

その後、日本での交流会開催やYoutubeでの投稿へと活動の幅を広げるうちに、会社を設立する形になりました。

ー会社を運営する中で見えてきたフィリピン留学の良さはありますか?

学校の留学制度を介さずに個人で留学するなら、フィリピンが1番おすすめです。

フィリピンでは、語学習得は間違えながら覚えるものだという寛容な雰囲気があります。英語を母国語とする欧米では、発音を厳しく指摘されて英語が苦手になってしまうことも。フィリピン留学は、英語力を0から100へと伸ばしてくれる場だと感じます。

ー事業を通じて、留学を考える学生に想いが届いた実感はありますか?

これまでに現地見学ツアーには十数名の日本人の方が参加し、数名の方々がマニラ留学を決断されました。

フィリピン留学に不安を感じていた方も、実際に現地を見学すると価値を理解してもらえますし、事業を通じて魅力が伝わっていると感じています。