年齢なんて関係ない!ISHIZUE取締役役員・村松亮に聞く行動することの大切さとは

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第692回目となる今回は、株式会社ISHIZUE取締役役員・村松亮(むらまつりょう)さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

ISHIZUEの取締役役員だけでなく、会計事務所の代表やAIの研究者など様々な顔を持つ村松さん。やりたいことをやるために、すべての行動を下準備だと思って、自分から行動していくことの大切さを伺いました。

科学が大好きな幼少期。元素記号を暗記するほどの科学ヲタクに。

ーまずは自己紹介をお願いします。

教育系ベンチャーの株式会社ISHIZUEで取締役役員をしている村松亮と申します。情報系や財務系、新規事業などの責任者をしています。他にも、村松情報会計事務所の代表や、AIの研究活動をしており、2022年の5月に行われる科学技術コンテストの世界大会(2022国際学生科学技術フェア)に、日本代表として出場する予定です。

ー株式会社ISHIZUEは具体的にどんな事業をされているのでしょうか?

現在メインで取り組んでいるのは、寺子屋ISHIZUEです。この事業のコンセプトは、高校生が講師となって中学生を相手に、学校では教わらないことを面白く教える塾です。完全オンラインで国語と英語を教えています。

ーISHIZUEに参加しようと思ったきっかけを教えてください。

高校2年生のときに、仲の良い友達であった寺子屋ISHIZUEの創業者に「Webサイトを作ってくれないか?」と頼まれたことがきっかけです。

そこから、国語の講師として授業をするようになり、今となっては取締役役員をさせていただいています。

ー国語の授業はどのようなことをしているのでしょうか?

メインとなるコンテンツは、小、中学生のみなさんに、講師が気になったニュースや身近な話題などをテーマとして投げかけてディスカッションしてもらうことです。アウトプットと自分で考える機会が学校では足りないと思っているので、足りない部分を補う授業をしています。

講師は、何かにとても詳しい知識を持った人や、おもしろい経験を持った人を採用しています。歴史に詳しい子がいたり、心理学に詳しい子がいたり、講師によって授業の色が変わるスタイルです。

ーISHIZUEにはどんなきっかけで生徒が入ってくるのでしょうか?

最初のうちは、知り合いレベルの身近な人から入ってもらいました。そこから口コミだったり、ぼくたちが開催している対談形式のイベントだったり、テレビの取材だったりと多方面から認知していただき、入塾していただいています。最近は出張授業もしていますね。

ーここからは村松さんの過去を振り返ってお伺いしていきます。村松さんの幼少期はどんな子でしたか?

幼少期のころから科学技術が大好きでした。小さいころから、科学館や博物館に連れていってもらったり、クリスマスプレゼントで元素の図鑑をもらったりしていました。

小学3年生で元素記号をすべて暗記している科学ヲタクでした(笑)。

ーだんだんと学年が上がっていく中で、自分の好きなことや興味のあることを周囲に言うことはありましたか?

漠然と好きなものはたくさんありましたが「これが好き!」といったものは、高校に入るまでありませんでした。

それが将来への不安や、自分の存在意義を見失うことに繋がっており、苦しく感じていました。

ー科学以外で小学生のときに印象に残っていることはありますか?

現在、代表を務めている会計事務所のはじまりは、小学校のころから習っているそろばんです。そろばんが、数字になじみのある会計や数学、科学に繋がっていると思っています。

馴染みのなかった情報システム分野に進学。自分の強みとなるAIと出会う。

ーそこから高校に進学しますが、高校はどんな基準で選ばれたのでしょうか?

東京工業大学附属科学技術高校の情報システム分野に進学しましたが、もともと情報系に進みたいと思っていたわけではありません。スマホやパソコンも家にはなかったため、まったく情報系に触れてきてはいませんでした。

周りからは「本当にいいの?普通科のほうが選択肢が広がるよ」と言われました。しかし「自分はこれが得意だ!」と言えるものを、無理やりにでも作らなければダメだと思い情報分野に進みました。

ー高校に入って周りの環境が変わったと思いますが、やりたいことは明確になりましたか?

東京工業大学附属科学技術高校では、2年生のときに専門分野の振り分けがあります。情報系の専門分野に配属されて以降、少しずつやりたいことが明確になっていきました。

情報システムに推薦で入る人は、幼少期からプログラミングをやっていたり、電気回路の知識があってマイコンをいじっていたりする人が多いです。自分の得意なことを持っている人がたくさんいるなかで「なめられちゃいけない」と思って、自分の武器を作るためにAIを選びました。

ーなぜ、情報分野の中からAIを選ばれたのでしょうか?

Pythonというプログラミング言語が得意で、Pythonが使われるのがデータ分析やAIだったからです。テレビでAI将棋、自動運転、顔認証などがニュースになっていて、AIがかっこいいと思ったのも理由のひとつです。

そこに新しいものが好きという僕の性格がピッタリとハマってAIを選びました。

ー1年生の終わりごろにコロナが流行ったわけですが、コロナ期間はどのように過ごされていましたか?

コロナの影響で学校がなく、自分のやりたかったことに時間をさけるようになったため、AIについてとても深く学びました。

ぼくの勉強方法は、AIに関する本を買って、本に書いてあるプログラムのコードをコピーしたり、ノートに書き出してまとめたりするスタイルです。

学んだ知識を使って、オンラインで高校の仲間たちと一緒にひとつのものを開発してコンテストに出しました。開発作業はオンラインで完結するので、情報分野で良かったと思っています(笑)。

研究・会計事務所・学習塾。高校生の間に自分の興味のあることに次々と取り組む。

ーどんなものを開発されたのでしょうか?

高校1年生のときに軽音同好会を作ってバンドを組んだことで、楽器に興味を持ちました。ライブを盛り上げるために、最新の曲をやりたいとなったときに、楽譜が売られていない場合があります。そんなときは耳でコピーする耳コピをしますが、耳コピは素人からすると非常に手間のかかる作業なんです。

手間のかかる耳コピを自動でやってみたいと思って、はじめに取り組んだのが、ひとつの楽器の音を抽出する研究と、アプリケーションの開発です。

ー2022国際学生科学技術フェアでは音を抽出する研究の発表をするのでしょうか?

そうですね。ひとつの楽器の音を抽出する研究の発表をします。2022国際学生科学技術フェアでは、発表から質疑応答までを英語ですべて発表しなくてはなりません。本来はアメリカに行って発表する予定でしたが、コロナの影響もあって、東京のホテルからオンラインで参加することになりました。

ーそこから18歳で会計事務所を設立されたとお伺いしました。なぜ会計事務所を起業されたのか教えてください。

中学生のときに資格集めにハマっていたことと「税理士ってかっこいいな〜」と思ったことから、日商簿記の資格を取りました。そこから実務経験を積んでみたいと思い、会計事務所を設立しました。

ーISHIZUE以外に会計事務所や情報科専門学習塾をされていますが、なぜ他にも事業を始めようと思ったのでしょうか?

資格集めが好きだったことに繋がりますが、他人から見て分かりやすいように、形として残したいと思ったからです。

お金を儲けたいというよりは、純粋に自分がやりたいことをやろうとした結果、いろいろな事業に手を出しています(笑)。

最近は、経営活動が非常に楽しいと感じています。自分ががんばった分だけお金という形で評価されることがぼくにとっては非常に楽しいのです。