「目標達成に必要なのは道のりの解像度と自己理解」橋本龍来が経験から導き出したもの

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第603回目となる今回は、学生向けコミュニティラウンジ「TOMOSUBA」でインターンをされている橋本龍来さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

上海で過ごした経験から海外留学を志し、イタリアへ留学をされていた橋本さん。大好きなサッカーでプレイヤーだけでなく、監督としても世界一を目指される橋本さんに、これまでの転機や、夢への道のりを明確にする方法などについて伺いました。

上海での経験が夢の出発地点に

ーまずは簡単に自己紹介をお願いします。

現在、東京の四谷にある学生向けコミュニティラウンジ「TOMOSUBA」でインターンをしている、橋本龍来(はしもとたつき)と申します。新型コロナが流行する前までは、イタリアに留学をしていました。いずれイタリアに戻る予定で、今は日本で活動しています。

ー上海で過ごした経験が現在の橋本さんにつながっているようですが、そのときのお話を聞かせてください。

親の仕事の関係で、小学5年生から中学1年生まで上海で過ごしました。大きな敷地にあるマンションに住んでいたのですが、外出以外はその敷地から出ませんでした。友達も住んでいたので、一日中マンションの敷地内で過ごしていましたね(笑)。

上海でサッカー好きな友達と一緒に遊んでいるうちに、サッカーが好きになりました。もともとは野球好きだったのに、いつの間にか上海の友達に影響されていましたね。

通っていた日本人学校では、日本の学校との違いに驚きました。日本人学校では「思い立ったらすぐにやってみよう」という雰囲気が強くて、みんな行動力がありましたよ。

いつも僕の周りには自己主張をして、自分のやりたいことを貫く友達が多くいました。その環境が、心地よかったですね。日本よりも海外のほうが自分には合うだろうなと、徐々に感じるようになりました。

その環境で3年間過ごしたことが、今の自分の考え方に大きな影響を与えていると思います。負けず嫌いな友達に負けまいと練習に打ち込んで、サッカーを大好きになったことも(笑)。サッカーで世界一になる夢は、当時から持ち始めました。

上海での生活が海外を知ってサッカーにも出会って、自分の夢への出発地点になりましたね。

目標達成には道のりの解像度と自己理解

ー上海から日本に帰国されて、何か変化はありましたか?

日本の中学校では上海と違って、同調圧力を強く感じました。その環境に慣れなくて、帰国して最初の1年はほぼ学校に行きませんでした。でも自分が日本の学校に合わないことは、予想できていたので、あまり落ち込まなかったですね。

当時も教育に興味を持っていたので、海外と日本の教育を比較したり、自分が日本の教育に合わない理由を考えたり。あと、いずれ海外で生活したいと思っていたので、どの国がいいかについて想像してみることもしました。

「大好きなサッカーをヨーロッパで学びたい」、そんなことが頭に浮かびました。ヨーロッパのなかでも自分にはイタリアが合いそうだと感じ、中学3年生の冬に「高校卒業後はイタリアの大学に進学」と決断しましたね。

ーその後、高校2年生で転機があったそうですね。

日本に帰国した中学2年生から高校1年生までは、学校生活を満足に過ごせなかった分、サッカーを充実させました。でも高校2年生のときに、それが逆転したんです。学校での定期テストと、百人一首がきっかけでしたね。

当時僕のクラスでは、定期テストの結果の順位が一覧表で掲示されていたのですが、それを知って僕は、「定期テストで一位を取りたい」と思いました。

でも全然勉強するタイプではなかったので、どうしたらいいか考えているうちに、百人一首にたどり着きました。上海のときから百人一首を完璧に覚えていたので、「その覚え方が勉強にも応用できるのではないか」と考えたのです。

まずやったことは、百人一首の上の句と下の句のように、英単語と意味を対応させて覚えることでしたね。他にも勉強法や記憶の仕方の本を読んで、科目ごとに自分の学習方法を確立して勉強していきました。

結果、定期テストでは毎回1位になれました。百人一首大会でも個人賞を取ることができて、すごく嬉しかったです。目標達成ができた1年だったと、今でも思いますね。

ー目標への道のりを明確にする方法は、どうやって身に付けられたんですか?

自分がサッカーを始めたのが遅かったことが影響していると思いますね。ただ普通にプレーをしていても周りに勝てないから、まずサッカーを理解して、自分を生かしたプレーを探りながら過ごしてきました。

例えば僕の場合だと「世界一のサッカー監督になるには?」と考えたら、まずは名将と呼ばれる人の伝記を読みます。その人の生活や考え方を参考にしながら、自分の目標へ至る道のりを明確にしていきます。

目指す分野について理解する時間が大事ですね。理解が深まると解像度が上がっていくのだと思います。

その次は、目標に向けた行動のために自分の性質を考えます。得意分野や失敗など過去の経験と、直感や共感など気持ちから振り返ることで自分が見えてきますね。