様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第630回目となる今回は、スタートアップ会社員・吉武 利起(よしたけ・りき)さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。
営業系スタートアップに勤務しながら、個人事業の準備も進められている吉武さん。自分自身で意思決定をして目標を定めてそこに向かっていくことの大切さを語っていただきました。
やりたいことができないコンプレックスに悩んだ幼少期
ーまずは自己紹介をお願いします。
セールスギルド株式会社の吉武 利起(よしたけ・りき)と申します。國學院大學を卒業後、ITベンチャー企業の株式会社ネクストビートに就職して経験を積んだのちに、セールスギルド株式会社に第1号社員として転職しました。現在の会社では、事業全体の推進として会社内のすべての業務を担当しております。
2022年の1月に、個人の事業でも立ち上げを行いました。営業代理店の販売事業や、不動産関係の事業、ブランディング事業などを立ち上げています。
Twitterにも力をいれてまして、1ヵ月間で約1000名増加しているアカウントの運用をしており、日本最大級の営業のプレゼン大会であるS1グランプリの運営幹部メンバーとして、SNS集客の担当をしていました。営業だけでなく、SNS運用やマーケティングなども得意です。
ーここからは吉武さんの幼少期に遡ってお伺いします。幼少期はどんなことをされていましたか?
物心がついた4歳のときには、塾やそろばん、水泳など、いろいろな習い事をしていました。忙しい毎日だったので、生活にゆとりがありませんでした。親が自分のために習い事を習わせてくれているのはわかっていましたが、幼少期はいつも遊びたくてモヤモヤしていましたね。
小学校に上がって野球をやりたかったのですが、塾の成績が悪かったため、やらせてもらえませんでした。そのときはやりたいことができないコンプレックスに悩まされてました。
ーそこから中学校でラグビーを始められるとのことですが、何がきっかけで始められたのでしょうか?
小学校でやりたかったことができなくて、中学に入るタイミングで成績が上がってきたので、やりたいことをする権利を得たからですね(笑)。そのタイミングで出会ったのがラグビーだったのです。
やりたくないことをやらされているときと、やりたいことをやってるときのパフォーマンスの差が全然違うことに気づいてからは、どんどんラグビーにのめり込んでいきました。
いまも自分で決めたことに対して最後までコミットできるのは、そのときの原体験があるからです。
ラグビーを通してさまざまなことを学ぶ
ー高校でもラグビーを続けられたのでしょうか?
そうですね。高校受験のタイミングで受験に集中するために1度ラグビーから離れたのですが、やりたくない受験勉強をやっていたので、公立高校の受験に失敗しました。
結果的にラグビーのスポーツ推薦で私立の高校に進学しました。受験に失敗したことで「あぁ、これでやっとラグビーに集中できる」とほっとしている自分がいましたね(笑)。
親からは「高校に行って変わったね」と言われるので、高校生がひとつのターニングポイントになっていると思います。
ー高校ではどんな変化があったのか教えてください。
県内のラグビー強豪校に進学しました。ラグビーの存在が、ただただ自分が楽しくてやっていたものから、チームや仲間など、だれかのために頑張るものに変化しましたね。
伝統・規律・監督の考え方が厳しかったので、そこから学んだことが、いまの自分を形成していると思います。
そのとき学んだ「目の前で起こってることは、良いことにも悪いことにも転び得るから、常に平常心で淡々とやるべきことをやる」という考え方はいまも意識しています。
ーそこから大学に行ってまたラグビーをされるわけですが、どのような基準で大学を選ばれたのでしょうか?
大学も帝京大学や、東海大学といったラグビーの強豪校から推薦が来ていたのですが、高校ではラグビーしかやっていなかったので、興味のあった教育分野の勉強とラグビーを両立できる國學院大學を選びました。
國學院大學はラグビー強豪校ではありませんでしたが、これからチームを作って強くしていくことにチャレンジしてみたいと思っていたので、当時の自分に合った大学でした。
ー勉強と部活のハイブリットという形で始めた大学生活はいかがでしたか?
勉強に関しては、自分が選んで行った学部だったので、楽しみながら勉強ができて本当に面白かったです。
ラグビーは、プロやトップリーグを目指してやっていたのですが、大学に入学してからすぐ膝の前十字じん帯を断裂して、8ヵ月ラグビーができなかったのです。その後も何度もケガが重なったことで「自分自身で意思決定をして、いまこの瞬間を全力で過ごさないといけないな」と考えるようになりました。
自分でライフスタイルや、時間、お金、人などをコントロールできる状態になる必要があると感じ、大学1年から起業に向けて動き出し始めていまに至ってますね。
ーラグビーをやったことによって得られたものの中で、一番これは欠かせないと思うものはありますか。
幸せの基準が、マイナスがプラスになる瞬間を何回味わえるかどうかという考え方をするようになったことですね。
日常生活で起きる嫌なことに対して、愚直に向き合って耐えられるようになったのは、ラグビーのおかげだと思っています。
その中でも自分自身のために頑張るのはもちろんですが、それを多くの人とシェアするからこそ、うれしいのです。この考え方は社会人になっても活きていると思っています。
周囲の力を借りればすぐに成果を出せることを学んだ会社員時代
ー大学を出た後はすぐに起業されているわけではなく、就職をされたとのことですが、なぜでしょうか?
0から1を生み出したり、短い期間で急成長をしていたりする会社に入る必要があると考えたからです。
あるとき、大学の授業とラグビー部の筋トレで培った知識を使って、ココナラにダイエット教材を出品しました。そこで良い結果を得て、毎月収入が入ってきたのですが、事業としてあまりスケールしていくイメージが湧かなかったのです。
その経験からプラットフォームを自分で作ったり、場を提供できたりする人材になりたいと思いました。
ーどうしてネクストビートを選ばれたのでしょうか?
自分と同世代や、先輩の方で圧倒的に優秀で、かつ起業されている先輩方がもうすでにいるところで自分も働いて、自分のレベルを高めておきたいと考えていた自分に合った会社だったからです。
もともとはリクルートに入社したくて、いろいろな人とお会いして情報を集めていました。そのときに個人事業主の方や、社長に「ベンチャーとか見てみると面白いんじゃないかな」とアドバイスをいただいて、そこで初めてベンチャーの存在を知ったのです。
そこからベンチャー企業と言われる会社とつながりが深い人にアプローチを始めました。ぼくは人づてに就職活動を進めていき、その中でネクストビートと出会いました。
ー入社してすぐに成果を出されたのですか?
全然でしたね。起業するのが目的となっていたので、社外活動に注力しすぎていたために、会社のことにフルコミットできていませんでした。
そんなときに、マネージャーと自分の将来像や、いまやるべきことについて話した結果、ネクストビートの仕事にフルコミットするようになりました。そこからは成果を出せるようになりましたね。
ー成果を出すために大切にしていたことがあれば教えてください。
周囲の力を借りることです。新卒1年目の能力はほとんど大差がないと思っています。そんな中で成果を上げるとなると、やはり周囲の力をどれだけ借りられるかや、応援していただけるかによると思いますね。
わからないことは素直に「わからないので、教えてください」と詳しい人に聞きに行くことも大事です。
ー成果を出している中で、転職されたとのことですが、どうして転職されたのでしょうか?
20代が終わる頃に自分の成し遂げたい世界観がネクストビートでは叶えられないと感じて、事業の立ち上げを経験したほうが良いと思ったからです。そのときの自分に合った会社がセールスギルドでした。
ー大学の頃から起業を目標にされていたにもかかわらず、ここでも起業されなかったのはなぜでしょうか?
比較的安定思考だったことと、社長が「会社にいながら起業しても良いよ」とおっしゃっていたので、無理に独立して起業する理由がなかったからです。
セールスギルドに属していることで、関われる人や学べることがあると思ったので、会社に属したほうが良いと思いました。
いまは会社に属しながら、起業の準備も同時並行で進めています。
ーこれからはじまっていくのですね!今後目指していきたい姿や、やってみたいことなどありましたら、ぜひ教えてください。
セールスギルドで役員や責任者をやりながら、個人事業でも代表としてしっかりと事業を起こしていきたいと思っています。
セールスギルドではパソコンと電話さえあれば生活できる働き方があることを、もっと広めていきたいですし、個人事業では自分のやりたいことを20代で達成して、30代からは事業を複数立ち上げたり、投資したりしたいと考えています。
ー最後にU-29世代にメッセージをお願いします。
小さいことの積み重ねで、人生が変わっていくことを伝えたいです。自分のなりたい姿を定めて、それに向かって小さくても良いので、アクションを起こしてください。それを毎日積み重ねていくと、雪だるま式に思いや行動などすべてが大きくなっていくと思います。これは風邪をひこうが寝坊しようが、例外なく毎日意識的に積み重ねてください。そうすれば必ず人生が変わってきます。
ーありがとうございました!吉武さんの今後のご活躍を応援しております!
取材:あおきくみこ(Twitter / note)
執筆:松村彪吾(https://for-android-user.com/)
デザイン:高橋りえ(Twitter)