友人の髪を切ったことで見つけた夢。独学でも挑戦をした理容師の卵、今井樹

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第387回目となる今回は、高校1年生のときに友人の髪を切ったことをきっかけに理容師の道を志した今井樹さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

大学進学を辞め、理容師の道へ

ー本日はよろしくお願いします!まずは現在のご職業を教えてください。

よろしくお願いします!昨年高校を卒業し、現在は専門学校に通い理容師を目指しています。

ー専門学校に通われているんですね!理容師は昔から目指していたのでしょうか?

実はそういうわけではないんです。もともと、大学に進学するつもりで勉強も真面目に取り組んでいました。しかし、進路希望を提出する3ヶ月くらい前に大学進学ではなく理容師を目指すことを決めました。

ー急な進路変更でしたね!

まず、デスクワークはしたくないと考えていました。家族や自分の周りの大人にもデスクワークをしている人はいなくて、肩が疲れるようなスーツを着るような仕事は向いていないだろうなと感じていたので、人と直接コミュニケーションが取れるような働き方をしたいと思っていました。

友人の髪を切ったことで人生が一転

ーなるほど。人と直接関わることができる仕事はたくさんあると思いますが、なぜ理容師を志されたのでしょうか。また、ご両親の反応はいかがでしたか?

きっかけは高校1年生の時です。髪型で校則に引っかかった友人から「髪の毛を切ってほしい」と依頼されました。当時は髪の切り方もシザー(はさみ)の持ち方もわかりませんでしたが、割と上手くできたんです(笑)そこから、髪の毛を切ることにハマっていきました。両親は基本的にやりたいことを理解してくれて、なんでもやっていいよというスタンスなので止められることもありませんでした。

ー髪の毛を切るのは難しそうですが、ご友人の反応はいかがでしたか?

もともと髪型にこだわりのあるタイプではなく、「なんでもいいや」くらいの感じだったので当時自分が好きだった韓国アイドル風の髪型にしました。

ー自分のやりたいスタイルに挑戦できるのは楽しそうですね!その後はどのような活動をされたのでしょうか。

好きだった海外寄りのスタイルをYouTubeで学び、やり方がかってきたタイミングで道具を揃え始めました。小学生の頃から、ものづくりが好きで手先も器用な方だったので髪の毛を切ることが、にかく楽しかったです。

ーカットの練習はどこでされているんですか?

父の会社の2階を使わせてもらっています。チェアも鏡も一つしかなく、後は自分の使う道具があるだけです。父の髪はまだ一度も切ったことはないんですけどね(笑)

ーお父様のご協力があるのは心強いですね。

はい。高校を卒業してから専門学校に入学するまでの期間も、独学で学んだことを練習していました。今も授業外の土日などを使い、夢のために練習をしています。

芽生えてきたプロ意識

ー初めて髪を切ってから3年ほど経っていると思いますが、経験を積んでみて気づきや気持ちの変化はありましたか?

親しい友人であってもそうでなくても、誰に対しても手を抜くことなく良いものを提供しようという意識になりました。お任せのオーダーをいただいたときは、その人の私生活やタイプに合いそうなスタイルをイメージしてカットしています。

ーちなみに今井さんの髪の毛は誰が切っているんですか?

実はいま、全体を結べるくらいの長さまで伸ばそうと思っていて切っていません。周りにいない個性的な髪型にしたいなと。これまでは色んなお店に行ってみて、カットしてもらいながら自分自身も勉強をしていました。

ー専門学校に入学されてから数ヶ月。美容専門学校はハードなイメージがありますが実際はどうですか?

朝練をするために朝早くから学校に行く人や、授業後も自主練をする人などが多いですね。ただ、人形と人頭では毛の生え方やクセが全く違うので僕は切らせてくれる人がいるなら人頭を切った方がスキルが身につくと思っていて。マネキンだけではなく、家族や近しい友人に協力してもらい、学校が終わってからバイトがない日にカットさせてもらっています。

ー今井さんの努力を学校の皆さんは知っているのでしょうか。

知っている人はほとんどいないと思います。校内でコンテストがあるので、そこにいきなり出て行って良い結果を残すことが目標です。コンテスト時のモデルさんも自分で探さなければならないのですが、幸い僕には何度も切らせてもらっている方がいるので。一番早く、一番綺麗に切ることができるような人にモデルさんをお願いしようと考えています。「所詮独学」と言われないように、コンテストで優勝し結果を残したいです。

髪を切っていることがとにかく楽しい

ーすでに将来を見据えているんですね!

はい。夢は「ずっと髪を切っていること」です。早くスタイリストになって独立したいと考えています。バーバースタイルが好きなので、バーバーバトルにたくさん出場したりいずれは大会を主催するくらい有名な人になりたいと思っています。そのためにもエントリーできるコンテストには積極的に参加していくつもりです。

ー今後もカットはメンズだけで考えているのでしょうか?

そのつもりです。理容科なので男性のお客さんが多く、憧れのキングスマンも男性限定サロンです。カットだけではなくシェービングの練習などもしています。古い角質や垢も取れて肌がワントーンアップするのでシェービングは女性にもおすすめです。

ー最後に進路に悩んでいる人や、やりたいことが見つからない人へメッセージをお願いします。

趣味ややりたいことが見つからない人は色んなことに挑戦してみるべきだと思います。体を動かすことが好きなら、色んなスポーツに手を出してみるのも一つ。今からやりたいことを見つけ、そのために行動していくことが大切だと思います。

ー本日はありがとうございました!今井さんのさらなる挑戦を応援しています!

取材:武海夢(Facebook
執筆:yukako
デザイン:高橋りえ(Twitter