ベンチャーキャピタリスト 廣澤太紀は起業家と伴走するため、自らも挑戦を続ける

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第370回目となる今回は、ベンチャーキャピタル「THE SEED」のジェネラルパートナーとして、創業初期のスタートアップを支援する廣澤 太紀(ひろざわ だいき)さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

経営がうまくいかなかった祖父母、その一方で大成功を収める若い人々をテレビで目にし、「成功要因に辿り着けるような仕事がしたい」という想いを幼い頃に抱いたという廣澤さん。

大学時代には、スタートアップ支援がしたいという強い想いを持って関西から上京します。ベンチャーキャピタルのインターン生として同世代の起業家と向き合い、2018年には26歳にして独立。「起業家に伴走する」ことをテーマとしたシードファンド「THE SEED」を設立します。

数々の挑戦を積み重ねてきた廣澤さんですが、そのモチベーションはどこにあるのでしょうか・・・?ファンド設立の背景から今後の展望に至るまで、詳しくお話をお伺いしました。

 

「適切な視座の高さ」と「変化率」を持った起業家に投資したい

ー まず簡単に自己紹介をお願いします。

現在「THE SEED」というシードファンドを運用しております。THE SEEDは主に創業初期に支援することをテーマとしたベンチャーキャピタルで、1社あたり大体1000万前後を投資、そこから次の資金調達をサポートしています。

2018年9月に5億円ほどで1号ファンドを設立し、現在最大15億円を目指して2号ファンドを設立中です。

ー 本日はよろしくお願いいたします。THE SEEDではどのような企業、人を支援されているのでしょうか。

例えば、AIカフェロボット「root C」の開発やOMOソリューションの提供を行っている株式会社New Innovationsという会社に投資をしています。直近だと東京駅への設置も発表されましたね。

root CはAIを活用して、東京駅の利用者数からコーヒーの需要量を事前に予測し、予測に応じてコーヒーを事前に作ることができるカフェロボットです。アプリを通して注文をすることで、すぐにピックアップができます。
東京駅にはコンビニがたくさんあって、もちろんコンビニコーヒーが販売されているんですが、通勤ラッシュやお昼休み帯はものすごい行列になるんですよ。何台ハードを置いても過剰なピークのときには対応できなくなっているんです。root C であれば需要が大きいところに対し事前にコーヒーを大量につくっておくことができるので、コーヒーを適切に、即座に提供できるところが強みです。
現在設置されているのは東京駅、新橋駅だけですが、今後、有名駅周辺での設置も予定しており、全国何十店舗増えていく予定です。

root Cは「人」で投資を決めた1社です。代表の中尾渓人さんとは、彼がまだ18歳、大阪大学に入学して3ヶ月目くらいで初めて出会いまして、その場ですぐに投資オファーをさせていただきました。

彼は元々ハードウェアの開発ができて、ロボカップの世界大会にも出場していたんですが、それ以外に大会に出るための費用の捻出のためにソフトウェアも勉強して、受託開発をしていたんです。僕が出会ったときにはすでに300社くらいのクライアントを持っていました。

エンジニアでありながら、収益を上げるというところに対して貪欲に学ぶ姿に衝撃を受けましたし、キャッシュが潤沢にありつつも、そこに止まらずスタートアップとしてより大きい企業を作りたいという想いが強くあったので、ご一緒できればということで投資を決断しました。

ー 人で投資を決めたとのことですが、改めてどんな人に投資をしたいのかお伺いできますか?

大前提共通しているのは、普段接していて嫌じゃない人にしか投資をしていません。良い人で、普段でも一緒にいようと思えば一緒にいたい人にしか投資しない、というのが僕の方針です。
とはいえ、良い人って山ほどいると思うので、その中で何をもって投資していくのかでいうと、「適切な視座の高さ」と「変化率の高さ」を重視しています。

視座の高さは別に現時点では低くても良いと思ってるんですよ。ただ目標としている視座に対して足元でやっていることに妥当性があるかどうか、かつ、その視座が適切に上がっていく柔軟性があるかどうか、が大切だと思っています。実際に、出会ったときには視座が低かったけれど、1-2年経っていろんな現実を知っていく中で視座が上がっていくような方々は結構いますね。

もう一つの変化率の高さに関しては、お会いしたときにどういうプロセスを経て企業に至ったのかという話を聞くようにしていますね。株式会社New Innovationsもその一例です。

基本的にはお会いしてすぐに投資するケースが多いんですが、何度かお会いする中で異常に変化率が高い方とかもいるんです。半年くらいでそんなにガラッと変わることってあまり起きないなと思っているので、そういった変化率の高い方に対して投資をすることにしています。

ー 化ける人がいるわけですね!そうした方は前例のないことにも挑戦をしていくことになると思うのですが、みなさんどのようにそのバイタリティを磨かれているのでしょうか。

意外と強靭なメンタルを持ってなんでも乗り越えられる人はあまりいないと思っています。どちらかというと環境の要因が大きい気がしていますね。ハードシングスを乗り越えた先輩が身近にいて、彼らの経験を聞きながら前に進んでいく感じに近いと思います。
ちょっと先をいく先輩方との出会いの中で、壁に対する捉え方が変わっていくのかなと思います。

ー なるほど。身近な方のお話を聞くことで視野が拡張されていくんですね。THE SEEDさんは創業初期の企業に投資されることが多いかと思うのですが、創業初期に重きを置いていらっしゃる理由についてお伺いできますか?

そうですね、基本的には創業初期の投資を行っています。僕の場合、特に起業家にとって初めての起業に対しての投資、かつ、20代の方に投資をするケースが多いんですが、やっぱり各世代によって投資できるかできないかって結構あると思うんです。同世代だからこそ、「この年齢でこの思想を持ってるってすごいな」っていう発想が持ちやすいと思っていて。だからこそ同世代に投資をすることが多いです。

それでいて、なぜ創業初期なのか、というところでいうと、なんででしょう・・・。やりたかったから、というのが純粋に大きいですね。

一番最初に支援することで、その会社における一番長い関係性を持った部外者、株主になりますよね。創業する瞬間からその企業がどんなプロセスを経て成功していくのかというところに非常に興味があって、だからこそ途中から入るのではなく、一番最初から、何もないときから支援したかったんです。

ー ファンドの設立はいつ頃から考えていらっしゃったのですか?

前職に入ったときから独立することは決めていました。ただ、明確な時期に関しては実際に独立する数ヶ月前くらいに決めましたね。

ー 何かきっかけがあったのでしょうか?

明確なトリガーはなくて、多くの起業家と色々なお仕事をご一緒させていただく中で独立したいという気持ちが増していきました。

特に、優秀な友人が起業したのは大きいきっかけになったと思います。元々優秀でリスペクトしていたにもかかわらず、起業をして自分で資金を集め、人を雇う中で、明らかに一つ一つの意思決定に対しての重みや思考量が変化していたんです。その変化率を間近で見る中で、サラリーマンである自分と彼の意思決定の総量の差分が今後どんどん広がっていくなと感じました。僕自身、独立したいという気持ちはずっとあったので、それであればどこかのタイミングで腹を括らないといけないなと覚悟を決めて独立した形になります。

そもそも、ベンチャーキャピタリストと起業家を比較すると、構造的に起業家の方が意思決定の総量が多いと思うんです。意思決定の総量に応じて、いわゆる成長みたいなものはどんどん離れていくと思っていて。
そもそも独立したところで意思決定の総量は彼らより少ないのですが、僕自身も一つ一つ自分で決めていく、ということを人生でやらないと5年10年経ったときに彼らと一緒に仕事をするのは難しいなと思い、独立することにしました。

成功要因に辿り着けるような仕事がしたい

ー 意思決定の総量を増やしたいという価値観や成長思考はどなたかの影響を受けたのでしょうか。

まず、独立しているから起業しているから偉いというのはないと思っています。社内の中であっても、自分自身で意思決定をし、腹落ちした中で自分自身の方向を考えている方を尊敬しています。その上で、自分自身の意思決定に繋がったところでいうと、この業界にくるもっと前の段階、中学生の頃からそういう思考はあったと思いますね。

元々、祖父母が経営者で飲食店や会社を経営していたんです。ただ、あるタイミングで軒並み全てがうまくいかなくなり、収益が大幅に下がったり、潰れてしまったものもありました。
一方でテレビを見ていると、ITという分野で大成功している若者がたくさん取り上げられていたんです。「ヒルズ族」と呼ばれていた人たちですね。

僕はそれまで、年齢が高ければ高いほど、経験も豊富で成功しやすいものだと思っていたんですが、そうではないみたいだなと。「IT」や「ヒルズ族」に興味を持ったというよりも、年齢ではなく何かしら他に成功する理由があるということに気が付いたことで、その成功要因についてたどり着けるような仕事をしたいと思い出したのが、今に繋がっているのかなと思います。

ー 高校生くらいでもご自身の中で成功要因について考えを巡らせていたんですか?

いえ、高校の3年間はただひたすら部活をやっていました。大学進学に関しても、なんとなく知っている名前の大学に行こうと思っていて、適当に決めた大学に願書を出していました。

ただ、浪人をしたタイミングで時間的にも比較的ゆとりができたことで、今後について考える機会が増えました。今でこそ有名になっていますが、当時、ノーベル経済学賞受賞者にして行動経済学の第一人者であるダニエルカーネマンが本を出版するタイミングだったんですよ。日本語のインタビュー記事を浪人生のときにたまたま目にして、行動経済学を勉強したいと思って、志望大学をいくつか選びました。国内でもその分野について研究をされている教授がいらっしゃったので、メールで連絡も取りましたね。

ー メールまで送ったんですね!それだけの能動的なアクションを起こさせた原動力はなんだったのでしょうか。

純粋に興味がありましたね。
一時期、経済学の本にハマっていたんですよ。ある経済学の本の中で「人間は合理的な選択するということを前提にほとんどの新しい経済学は成立している」と書いていたんですが、僕は合理的選択というものについて懐疑的だったんです。そこに対して否定をして、何か新しく体系立てて説明されているものはないのか気になっていて、周りにもその話をしていたところ、誰かがダニエルカーネマンのインタビュー記事を見つけてきてくれたんですよ。たしか浪人していたときの先生だったと思います。

インタビュー記事を読んで、この分野について勉強したいと思うようになり、とりあえず大学に行こうという気持ちから、明確にこの大学の、この学部の、この先生の元で学びたいというモチベーションに変化しました。

ー 結果的に志望する大学への進学は叶ったのでしょうか。

いえ、叶わずに別の大学に進学をしました。
メールで連絡を取っていた教授に、大学に落ちてしまった旨と進学予定の大学でその分野に明るい教授はいるかとメールをしたところ、返信をくださいました。
教えていただいた教授のもとに入学してすぐに行ったんですが、学部が違ったので授業が受けられなかったんです・・・(笑)でもその方に自分が勉強したい内容について話をしたところ、僕の学部でも受けられる別の教授を紹介してくださって。
その教授が個人でエンジェル投資や会社の社外役員をやられていて、それをきっかけにエンジェル投資などを知り、ベンチャーキャピタルという仕事を知る一番の源流になったのかなと思います。

幼い頃の疑問に繋がるベンチャーキャピタリストという仕事

ー 大学入学されてからは、その教授の側で色々と近いことを学ばれていたんですね。

大学1,2年生の頃はそうでしたね。
とはいえ、エンジェル投資だとかキーワードを拾うことができたので、大学に入学してすぐに日経新聞を購読したり、図書館に籠って経済誌やビジネス雑誌を読みながら自分で色々と調べていました。その中で前職の代表のインタビュー記事を見つけて、ベンチャーキャピタリストという仕事に興味を持つようになりました。誰かが教えてくれたというよりも教えてもらったキーワードから深めていったという感じです。

ー 記事を読まれて、興味を持った部分はどこだったのでしょうか?

インタビューの中で、前職の代表が「一度成功した人が、次の若い人や挑戦する人に対して資金やノウハウを共有するエコシステムを日本でつくっていきたい」という話をされていたんです。それを見たときに、やはり成功する人には成功するなりの理由があって、次の世代に対して提供できるくらい再現性があるものなんだと確信に変わったんです。

中学生時代から持っていた、なぜ祖父母の経営が傾く一方で大成功を収める若者がたくさんいるのか、その成功要因は何なのか、という疑問にすごくハマったんですよね。
そのときにベンチャーキャピタリストという仕事について知りたいとか、やってみたいと思うようになりました。

ー その後3回生くらいのときにその会社に関わり始めるきっかけを得たそうですが、どのような経緯や背景があったのでしょうか。

前職に入社する前もベンチャーキャピタルで働いてみたいという気持ちはずっとありました。前職の代表のような経歴を進めばそうなれるのかなと思い、まずはその方が働かれていた戦略コンサルでインターンをしてみましたが、結局、僕自身が思い描いていたものとインターンは全然違ったんです。
調べている中で見つけた他のベンチャーキャピタルやアクセラレーターに対しても働きたいとメールを送ったのですが、どこも関西では採用をしていない。

唯一、前職の代表だけにはメールを送っていませんでした。僕の中では一番すごい人だという認識だったので、送るのが怖かったんです(笑)そこで断られてしまったら全てが挫折してしまうような気持ちだったので、その人だけには連絡を取らずに、他の会社ばかりに連絡をとっていました。

当時は関西エリアだとベンチャーキャピタルもスタートアップ支援をしているところもあまりなかったので、東京に行くしかないとついに上京することにしました。
上京後、参加したイベントで前職で働いていた当時の先輩にお会いし、「スタートアップ支援に興味があって東京に出てきたんです」とお話をしたところ、その代表を紹介していただいたんです。それが初めて前職の代表とお話させていただいた機会だったのですが、僕の中では「本物が出てきた!」と、芸能人に会っているような感覚でしたね(笑)

イベントでは、後日もう一度お話ししましょうという話にはなったのですが、待っていても連絡をいただけるわけではないと思ったので、改めて「お時間をいただけませんか」と連絡をさせていただきました。「今から会える?」という風に言っていただき、急いで向かいましたね。色々お話した結果、その場で働かせていただけることになりました。僕はもし仮に拾っていただけるのであれば無給でも良いと思っていたぐらいなんですが、結果的に色々なものを提供していただきラッキーでした。

ー そこからインターンとして関わり始めた後は、どんな方々と、どんな風にお仕事をされていたのでしょうか。

同世代の起業家たちと一緒にいることが多かったですね。これから起業したいという方にたくさん会ったりだとか、投資先の起業家と今後について話をしたりだとかが多かったです。

ー その中で記憶に残られていることはありますか?

一番最初に会った同世代の起業家がdelyの堀江さんだったのですが、インパクトが強かったですね。前職の代表と堀江さんのランチに同席させていただく形だったのですが、ものすごいエネルギー量で話をされていて。この人が同い年ですでに起業しているんだと東京のすごさを感じましたし、もっとこういう起業家に会いたいと仕事に対してもさらに興味が湧きました。

さらに、これは数ヶ月して知ったことだったのですが、当時のdelyはメンバーが辞めたあとであったりとか、キャッシュがなくなってきたあたりで実はかなり辛い状況だったみたいなんです。そんな状況下でもあのエネルギー量で事業について語られていて、起業家のすごさを改めて感じましたね。

ー そんな状況下とは思えないほどの高いエネルギー量だったんですね!そこからご自身でファンドを設立されると思うのですが、自分でやっていこうと決めたのはなぜでしょうか。

ベンチャーキャピタルで働き出してからというもの、周りの方に今後独立したいのか、スタートアップに転職したいのか、というのをよく質問されるケースがあったんです。僕はベンチャーキャピタリストという仕事がしたかったので独立する選択肢しかなく、前職でも独立するためにここで働いている、という意識を持ってずっと働いていました。

前職での仕事はとても楽しかったので、土日に休むように言われても、自然と24時間365日働くような形で3年半を過ごしていました。
その中で、どんどん同世代の起業家が多くの意思決定を通して圧倒的に前進しているのを見て、自分自身でも腹を括って挑戦をしないと彼らと一緒に仕事をし続けることが難しいと強く感じたんです。そこでやはり独立をしようと思い立ち、前職の代表に独立をしたいと相談しました。時期を予め決めていたわけではなかったので、独立するための準備は特にしていなかったですが、気持ちだけは固く決まっていましたね。

ー 独立に際し、前職の代表の方とはどんなやりとりがあったのでしょうか。

人が退職する意志を固めたときにどういったコミュニケーションをするべきなのかという点について身をもって勉強させていただきました。とても気持ちの良いコミュニケーションをしていただいたんです。
独立してファンドを設立するということは競合でもあり得るし、社内に残ってくれる人に対して示しがつかなくなるから支援することはできない、と明確に伝えていただきました。一方で残り続けるのであれば、どういったキャリアアップの道があるのかというのを事例なども交えながら詳しくお話しいただきました。
具体的な話については言えない部分が多いのですが、基本的にとても明確な選択肢を与えてくださって、それでも僕は独立したい、とお伝えした形になります。あとは関わっている会社に対して迷惑がかからないように、不義理のないようにと言われました。

ー ものすごくフラット、かつお互いへの思いやりが込められたコミュニケーションな気がしますね。

拾っていただいただけで相当感謝しているのですが、退職時のコミュニケーション含め、より感謝の気持ちが強くなりましたね。前職の代表は国内的にも有名な偉大な投資家の方なので、関係性としてはもちろん全くフラットではないんですが、そういった方がこういった率直なコミュニケーションをしてくださることに対して、とても気持ちが良い、ありがたいことだというふうに感じました。

ー そこからご自身でファンドを運用されてこられたと思うのですが、改めて起業家との関わりの中で心掛けていることを教えていただけますでしょうか。

僕はとにかくシード投資がしたいという思いを持っていて、起業家への尊敬は人一倍強いと思います。基本的には主語が起業家にあって、彼らにとって良いのか悪いのかを最優先で考えていくことを大切にしています。

ー そのファンドを起業家にとってより良い組織にしていくために、どんなことをしていきたいか今後の展望についてもお伺いできますか。

ファンドは10年満期の仕事ではあるんですけども、10年という単位で見るのではなく、30年40年経営し続ける意志を持った起業家の方に出会いたいと思っています。

本当に大きなことを仕掛けるには数年や十数年では短いと思うので、やりたいことに対して人生をかけるような起業家に対して投資をして、僕もその挑戦にご一緒できれば良いなと思っています。

起業家に伴走していくために、意思決定の総量を増やしていきたい

ー その中での廣澤さん個人としての目標もお伺いしたいです。

僕自身も常に何かしらの小さな挑戦を積み重ねていきたいですね。そうでないと、視座の上がっていく起業家と一緒に仕事をするっていうのは難しいと思います。
僕にとっての挑戦はファンドサイズなのかもしれないし、小さなところだと自分自身でオフィスを構えることかもしれない。今までとずっと同じではなくて、新たに一歩踏み出すという挑戦的な意思決定ができないといけないな、というのは常に思っていますね。

今までと同じことをずっとやってるのではなくて、さらに前に一歩進む、何かしら新しい挑戦をしていくことが僕にとっても重要で、挑戦をし続けることで、やっと起業家と一緒に仕事をし続けられるのかなと思っています。

ー ありがとうございます。今後も色々なものと向き合い、挑戦されていくと思うのですが、直近でご自身として超えたい壁はありますでしょうか。

2号ファンドをつくり、さらに投資をしていくことが直近の挑戦です。独立したときから2号ファンドをいつくらいに設立するかはすでに決めていたんです。むしろ少し後ろ倒しになっているくらいですね。

大きな実績がまだない中で、数億円、数十億円というお金を集めることは結構ハードルの高いことだと思っています。
お金を集めていく中で、どのような説明をしていくのか、どのような人に会っていくのかなど、細かい意思決定がたくさんあるので、そうした意思決定を乗り越えてさらに投資を加速させていくことが当面僕のやらなくてはいけないことですね。

ー ご自身の成長と共に、真摯に楽しみながら起業家と向き合っている廣澤さんの姿が思い浮かびました。2号ファンドの先もビジョンをお持ちだと思うので、今後のご活躍も楽しみです!

取材者:山崎貴大 (Twitter
執筆者:うえのるいーず(Twitter
デザイナー:五十嵐有沙(Twitter