「自分の“好き”から逃げない」Surfride Technologies代表 金田祐作の挑戦とは

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第826回目となる今回は、金田 祐作(かなだ・ゆうさく)さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

大手企業で働きながら会社を設立し、現在はITスタートアップの代表取締役として活躍中の金田さん。「何かを手放さなくても、次の新しいことに挑戦できる」と語る彼の、学生時代のエピソードや独立までの経緯についてお話していただきました。

小学生の頃にハマったあのゲームが、今でも心の拠り所に

ー簡単に自己紹介をお願いいたします。

Surfride Technologies株式会社 代表取締役の、金田祐作です。新卒で情報通信系の会社に入社し、SEとして3年間勤めた後、独立しました。

はじめは会社員として働いていたのですね。

はい。SEとして勤めていた頃は、いろんなステークホルダーを巻き込んで、俯瞰した立場でモノを作っていくことが楽しかったですね。もともと文系ながらもSEを選んだ理由は、自分に営業は向いていないと思ったからです。

独立して代表取締役となった今は、4人が働く会社をマネジメントしているほか、長野県のパートナー会社20名のメンバーとも共同で開発業務を行なっています。

代表取締役なので決定権が強く、主体的に物事に取り組めるので、経営業も楽しくやっていますね。会社としては企業から受託したシステム、ソフトウェアの開発を主に行っています。

会社の規模も大きくはないので、すぐに意思決定ができるところを強みとしています。取引先はベンチャーやスタートアップ企業など短納期のところが多いですね。あとは、今後3DCGの開発にも力を入れていきたいと思っているので、ゲーム会社との取引も積極的に手がけています。

幼少期の頃のエピソードを教えてください。

小学生のころはサッカーに没頭しつつも、ゲームが大好きでした。小学校5年生のときに転校してきた内藤くんという男の子から教えてもらって、メイプルストーリーというオンラインゲームにハマったんです(笑)。このゲームに没頭していたときが人生で1番楽しかったですね。

当時は人と話すのが苦手でしたが、オンラインでは、自然体の自分になれました。ゲームの中に住んでしまいたかったですね。高いスペックのPCを使ってメイプルストーリーに没頭することで、インターネットの世界の素晴らしさを知りました。

メイプルストーリーはゲーム内でコミュニケーションをとれる機能があって、当時すでにメタバース的な要素があったので、とても楽しかったです。

小2から続けていたサッカーは、中学校では部活に入らずに、クラブチームに入ってプレーしていました。中3でクラブチームを引退したとき、サッカーに没頭していた人生だったので、燃え尽きた感が大きかったですね。

当時は「もしかしたらJ2くらいに入れるかも」と思っていたのですが、上に上がっていく周りのサッカー仲間たちの身長が自分よりも10センチ以上高いのを見て、世の中には努力だけでは超えられない壁があることを悟ってしまいました。

大学から東京に進学されたのでしょうか?

サブカルチャーに憧れがあったこともあり、長野から東京の大学に進むことに決めました。キラキラした私立大学に進学したものの、あまり雰囲気に馴染めなくて、塞ぎ込んでいました

アルバイトの面接にも、ゼミの面接にも落ちてしまい、自分のコミュニケーション能力の低さに落胆しましたね。本当は、大学に入ったらゼミなどで一生懸命勉強しようと思っていたのですが、周りはむしろ大学入学後にはっちゃける人が多かったです。

結局は勉強を頑張りたい気持ちも挫かれてしまって、授業をサボって、大学の近くのゲームセンターで、当時流行り始めたeスポーツに没頭していました。

新卒で大手企業に就職するも、独立を決意

ーなかなか大学生活は思い通りに行かなかったとのこと、就職活動はいかがでしたか。

就職活動ではなんと、面接を次々に突破して、無双状態になれたんです(笑)。

幸い、第一志望のNECに、希望していたSE職で入社できました。文系から未経験のSE職へ進んだので、入社時には不安もありましたが、なんとかなる精神で挑戦しました。

就活の面接はどこの企業も同じような質問で、対策がしやすかったですね。各企業が出しているIR情報も読み込んで、企業ごとの分析をして戦略的に挑みました

自分なりに、ゲームのように攻略することが楽しかったのかもしれません。今の会社でも、自分なりの仮説を立てて意思決定をするようにしています。

入社後の思い出はありますか。

入社3年目に挑戦したビジネスコンテストで、優勝したことです。当時は、就業後に100個、200個のビジネスアイディアを書き溜めていたので、その中から「これはいける!」と思ったアイディアで応募してみました。

優勝後は、ビジネスコンテストをやっていた会社に出資してもらって、会社を設立しました。その後しばらくは、設立した会社の代表をしつつ、会社員としても同時並行で働いていましたね。

何かやってみたいことがあるのであれば、現職とバランスをとりながら、今の仕事にプラスして挑戦してみてはと思います。

周りの友達から「起業したい」「転職したい」と相談をもらうことが多くて、彼らには食えなくなっていく心配があると思うんです。でも、何かを手放さなくても、次の新しいことに挑戦できるのではないかと思っています。例えば作家になりたい人だったら、定時後に執筆してみてはいかがでしょうか。

独立までの流れを教えてください。

当時はNECの副業解禁直後で、人事部に目をつけられてしまって。色々と掛け合ってくれてはいましたが、最終的に、設立した会社の代表をすることは「NECの副業規定に抵触する」となってしまい……。結局、説得にも疲れて退職することにしたんです。

大きな会社を辞めることへの不安も大きかったのですが、副業規定の話などを聞くと、今の時代には合わないなと思ってしまいました。

今は、良いパートナー会社さんとも巡り会えて、充実した生活を送っています