人とのつながりが心を豊かにする。佐藤光司が考える第4のインフラとは

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第612回目となる今回は、コミュニティ「エコラボ」を運営する佐藤 光司(さとう こうじ)さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

ありのままの自分を受容し、メンバーを互いに応援しあえるキャリア相互支援コミュニティを運営する佐藤さん。誰もが心を豊かに自分らしく生きるために大切なことについて語っていただきました。

応援したい素直な気持ちを経済の循環へ

ーまずは簡単に自己紹介をお願いします。

佐藤光司と申します。新卒で大手人材会社に入社しました。今複業としてキャリアの相互支援をモチーフにしたエコラボというコミュニティを運営しています。

私自身、社会人になってから心からやりたいことや、自分の好きなことを仕事をしたり、キャリアを描いたりする人が少ないことが衝撃でした。心からやりたいことを応援しあえる安心安全な場所づくりをコミュニティの運営を通じて提供しています。

ー具体的にエコラボの取り組みについて教えていただけますか。

大きく分けて3つあります。1つめは、週に1回オンラインにて雑談・対話会を開いています。テーマはキャリアやサスティナブルな生き方だったり、テーマなしの雑談だったり多様です。

2つめは、企業とのコラボレーションです。最近は大企業の人事部門に対して、社内でキャリアについて対話を行うプログラムの提供や、ソーシャルグッドな企業のマーケティングを支援したりしています。

3つ目は、コミュニティ内クラウドファンディングです。誰かの活動に対して、みんなでクラウドファンディングをし、資金面での応援もしています。1年弱で累計額150万円近い金額が循環しました。

ーコミュニティの軸となるコンセプトについてお聞かせください。

エコラボが作りたいコンセプトは、「応援経済圏」です。

応援経済圏は私たちが呼んでいるもので、人がもつ、ピュアな「応援したい」という気持ちが資本となり価値が循環する小さな経済圏のことです。

過度な経済合理性や損か得かをベースにした意思決定ではなく、好きだから、これからも活動を続けてほしいからといった「応援したい」という気持ちをベースに個人のキャリアの支援や資金面の支援、企業間の活動を相互支援したりします。

サッカー部部長に任命。話を聴く大切さを肌で感じる

ー最初のターニングポイントは14歳とのことですが、当時のエピソードを詳しく教えてください。

サッカースクールに通っていた小学生時代に天狗になってしまった時期があったんです。短い期間ではありますが仲間はずれにされたことがありました。この経験がきっかけで人に合わせるように生活するようになりました

当時は部長や人をまとめる役割を自分自身が全く描けていなかったです。そんなときに顧問の先生から部長をやってほしいと言われて……。部長になることをきっかけに責任感が生まれました。

ー人をまとめる大変さもあったかと思います。この経験からどんな学びがあったのでしょうか?

人の話を聞くことの重要性を肌で感じられたことです。社交性が高いメンバーもいるし、そうでないメンバーもいる。そんな中で1人ひとりの話をちゃんと聞く。丁寧に話を聞くことで、練習に対するモチベーションが聞けたり全体の雰囲気を把握できたりしました。

自分自身もともと人見知りで人に合わせる性格だったので、1対1で静かに色々話し聞くのが得意なんだと気づきも得られた経験です。

人事コンサルタントとの出会い。考えが大きく変わる

ー大学ではターニングポイントともいえる大きな出会いがあったそうですね。

「人に合わせる考え方」から今の「自分が心からやりたいことを大切にする考え」になった大きな出会いです。

インターンシップに参加した際に、人事コンサルタントの方に出会いました。 その方は「日本の教育を変える」っていうビジョンを掲げて大学に対してキャリアのインターシップ授業を作られていて。その人と出会って自分が本当にやりたいことを軸に周囲を巻き込んで幸せにしながら生きるってかっこいいなと感じました。

ー佐藤さんの今に大きな影響を与えた出会い。その後行動はどのように変化したのでしょうか?

「こうしなければならない」ではなく「こうしたい」で生きていいと考えられるようになりました。自分の中で大きな変化でした。みんなやってるからやらなくてはいけないという軸から自分が本当はどうしたいのかを考え「want」で行動するようになりました。

ーなるほど。佐藤さんはどんな方法で自分のやりたいことと向き合い始めましたか?

身近にコーチングをやっている方がおり、お話しさせていただきました。内省のフレームワークや、考え方を教えてもらって、自分で紙に書く。あとは、友人と正直お酒飲みながらこれができたら楽しいよねとフラットな会話の時間も大切にしながら自分のやりたいことと向き合っていましたね。

2つの方法のおかげで考え抜いて出したことやお酒の場の雰囲気で出たことなど自分のやりたいことの幅を広げていくことに繋がったと思います。

ー学生時代にさまざまな取り組みをしてきたのですね。振り返ってみて行動に共通点はありますか?

今振り返ると「自分の心や内面が豊かになるかどうか」が行動の軸だったと思います。自分が楽しいとか穏やかな気持ちになれるのか、わくわくするのかなどさまざまな要素が重なることはやってみようと自分で意思決定できていました。