「人には必ずミッションがある」パラレルワーカー高橋祐太の、働くことへの向き合い方

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第489回目となる今回は、HeaR株式会社採用コンサルタント高橋祐太さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

本業の採用コンサルタント、副業の営業・マーケティングと、パラレルワーカーとして働く高橋さんに自らの経歴を活かした就職と副業の在り方について語っていただきます。

海外と日本の教育の違いに直面した幼少期

まずは自己紹介をお願いします。

HeaR株式会社採用コンサルタントの高橋と申します。採用コンサルタントとして、複数社の採用に向き合い、採用戦略設計・採用ブランディング設計の支援、企業の対応戦略の立案や面接や採用の指導などをしています。

また現在は副業も行っており、スタートアップの採用組織の立ち上げにも携わっております。

ー経歴をお伺いすると、幼少期は海外で過ごされていたんですね。

スペインやメキシコ、アメリカなどで生活していました。9歳ごろからずっと日本に住んでいます。

ーいろいろな国で過ごされていたんですね!カルチャーショックはありましたか。

日本ではアタリマエと思われることがわからなかったことがカルチャーショックでした。ランドセルを背負って登校すること、名札をつけていること、授業中に手を挙げないことなど、全てが新鮮で、同時に疑問に思っていましたね。合わせるのに苦労しました。

ーそのような日々を過ごす中で、当時描いていた将来像はありましたか。

日本を自分らしくいられる国にしたいと考えていました。

周囲に合わせ過ぎるがゆえに、自分を見失ってしまうと考えていました。息苦しさを感じていたので、個性が生きる文化になれば良いと思いました。

 

「採用のミスマッチをなくす」ミッション

ー6か月の選考期間を経てHeaRに入社されたと伺ったのですが、どのような出会いだったのでしょうか。

HeaRと出会ったのは2020年1月でした。実は転職活動をしていたわけではありませんでした。当時HeaRがTwitterで話題になっていたので、気にはなっていたんです。一旦「現職に生かせるようなこともあるかな」と思い、カジュアルに話を聞きにいきました。

ただ話を聞いてみると、まさしく自分が求めていた環境だと感じたのです。お互いのことをもっと知りたいと、代表と1on1をしたり、メンバー全員とお話をしたり、1日体験入社をしたりしました。また、「青春の大人を増やす」という会社のミッションのもと、青春についてのプレゼンもしましたね。

ーとても素敵なミッションですね!高橋さんにとって青春とはどのようなものでしょうか。

ミッションを見出して、目的をもって人生を生きていくことだと思います。自分は、「人間は生まれてきたからには必ずひとりひとりにミッションがある」と考えています。世の中には無数に課題があると思いますが、それは課題を見出して解決していく人のためにあるものだと思うんです。

自分は「採用のミスマッチをなくす」がミッションです。この課題に出逢った自分だからこそ、解決していきたいと思っています。

ー面白い発想ですね。「採用のミスマッチをなくす」がミッションだと考えるようになったきっかけはありますか。

自分が就活が下手だったことですかね。当時の自分は、海外のバックグラウンドが大きかったこともあって、周りと合わせることを知らなかったんです。

例えば、服装もストライプのスーツにピンクのシャツ、黄色のネクタイ。面接では、志望動機ではなく、自分の考えるミッションについて話していました。案の定まったく受かりませんでしたね。

ミッションや考えていること自体は間違っていないけれど、就活のルールを知らないがゆえに、うまくできなかったのだと思います。

このように、魅せ方や考え方、面接での突破法を知らないだけで、良い考えを持っているのに企業から評価されないことがあります。逆に言うと、そんな人材を企業も見落としてるんですよね。だから自分は就活でのミスマッチをなくして、候補者と企業の努力を最大化したいと思っています。

 

副業のカギは「コアスキルを軸にスキルの足し算と掛け算」

ー副業についてお聞きします。現在はどのような仕事をされているのですか。

今は2社で働いています。キャリア教育系の会社では自己分析と企業研究のトレーニングの営業、もう1社のHRTech系の会社では、SNSのマーケティングをしています。

自分の就活での経験から、もっと細かく自己分析ができるように、企業と個人が気軽に出会える場を作っています。

ー副業と本業で忙しいと思いますが、大変だと思ったことはありますか。

自分にとっては副業が趣味みたいなものなので楽しいです。仕事はポジティブなものだと考えていますし、副業をすることで多くの人が人生の目的を見つけられるということは自分のミッションでもあります。

現在、副業で携わっているプラットフォーム作りも、自分もやりたいという意欲がありますし、実現できるのであれば自分の利益にもなります。やらない理由はないですよね。

ー副業に挑戦したいけれど、自分のスキルやそれに合った会社の探し方がわからない人も多いようです。そのような方々にアドバイスはありますか。

コアスキルを持ちながら、徐々に他のスキルにシフトしていくことが大事だと思いますね。

副業はスキルの掛け算です。今関わっている副業では、採用に関する発信のマーケティングをしているのですが、もともと持っている採用の知見と、学び始めたマーケティングの知見を掛け合わせたうえで取り組んでいます。

今はスペシャリストよりも、ジェネラリストの時代です。セールス・採用・マーケティングなど、それぞれ特定の分野ではなくて、総合的に知見を持っている人材の方が副業の案件は来やすいです。

ーなぜジェネラリストの時代が来ていると考えているのでしょうか。

今、採用はマーケティングだと言われています。採用は、媒体に情報を出す・面接・入社、の流れですが、最近「それまでにできることがたくさんあるのでは」という考えが出てきています。

会社のブランドポジションをどこに設定し、広報にどう興味をもってもらうかというマーケティングの視点、自社という商品をいかに魅力的に伝えて売るかというセールスの視点、採用は一人ではできないので、面接官を設置したり全体的な管理をする視点から、採用はプロジェクトマネージャーだ、とも考えられますよね。

ひとつの特化したスキルがありつつ、いろんな知見を持っていると結果的に強くなると思っています。いろいろなスキルがマーブルに混ざり合っているイメージですね。

 

副業が乗り越えるべき壁

ー今後の展望はありますか。

今までは「自分のやりたいことを実現する社会を目指す」というミッションをもって、学生支援、社会人転職エージェント、HeaRの採用ブランディングなどに携わってきました。

副業は稼ぐためのもの、という印象があると思いますが、それだけではなく副業でもミッションをもって実現できる人が増えれば良いなと考えています。自分のスキルを世界のために使って、自分の実現したい世の中を創造してほしいですね。それを自分でも体現していきたいと思っています。

ー副業の課題はなんでしょうか。

「正社員でないといけない」という考えですかね。HeaRでも最近は、副業人材に手伝ってもらって事業を進めています。正社員より採用スピードが速いですし、プロフェッショナルたちが参加してくれることでハイスピードで成長できます。正社員に固執する必要はないと思いますね。

あとは副業はペースが大事だと思います。会社と違ってマネージャーもいないので、自分しか管理できる人がいません。自己管理ができる能力が必要になりますね。

ー副業はとても魅力的だと思います。最後に、今後副業はどのように広がっていくと思いますか。

徐々に会社が多様な人材を受け入れていくようになると思いますね。今は少ないと思いますが、副業人材などを積極的に活用していくことで企業成長が見込めると思います。

今まで副業は、「スキルをすり減らす」というイメージがあったと思うんです。自分はそうではなく、副業は「スキルを磨くもの」だと考えています。副業を通して、実際に成長することができましたしね。

お手伝いレベルだったり、ハイスキルな顧問としてだったり、副業はいろいろなかたちがあります。その多様性を受け入れて、幅広い層の副業が提携できるようになれば良いなと思いますね。

ーありがとうございました!高橋さんの今後のご活躍を応援しております。

執筆:向後李花子
取材:武海夢(Facebook)
デザイン:安田遥(Twitter