自分らしく輝く!rosy tokyo髙橋万里菜がすすめるハーブのある暮らし

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。今回のゲストは、株式会社rosy tokyo代表取締役社長の髙橋万里菜(たかはし・まりな)さんです!

ヨーロッパで生まれ育った幼少期からハーブを毎日の暮らしに取り入れて育ち、日本ハーブセラピスト協会認定セラピストでもある髙橋さん。「都会で生きる女性の人生を、もっとバラ色にしたい」という想いから起業し、女性特有の身体や心の悩みやライフスタイルに寄り添うサービスを複数展開されています。

私生活もユニークで、ニュージーランドのワイナリーで羊を4匹飼ったり、現在は東京と屋久島の二拠点で生活しているんだとか!そんなハーブや自然に囲まれたライフスタイルを送る髙橋さんの私生活やこれまでの人生について迫りました。

海外で生まれ育ち、ハーブやアートに囲まれて育った幼少期

ー髙橋さんは幼少期、海外で過ごしたそうですね!特に印象的な思い出は?

私は親の都合でタイで生まれ育ち、香港・ポーランド・フランスと色々な国に引っ越しました。その中でもポーランドが最も長く過ごした国でしたので、思い入れがございます。

幼少期はアートや自然に囲まれて育ちました。両親の趣味の影響で、子供の頃から毎晩のようにバレエや音楽、オペラなどの作品に触れることが習慣となっており、毎晩寝不足でしたね。笑

作曲家・ショパンの生まれ故郷でもあるポーランドは自然豊かな公園も多く、グランドピアノが置いてある公園で放課後に遊んでいたのを覚えております。そのピアノの音色を聴きながら木登りをして遊んだり、お昼寝したりするのが好きでした。笑

ー海外を転々とされていた髙橋さんのご両親はどんなお仕事をされていたのでしょうか?

私の父は日本の食品会社で海外法人の立ち上げなどを行っていました。ワインとハーブと麺類を愛しており、仕事では食品の研究開発を、私生活ではラーメンやパスタをこよなく愛しており、私もよく一緒に食べていました。

母は教師をしていたのですが、元はテレビ局のアナウンサー、他にもCAやピアノの先生をやっていたりと色々なユニークな経歴の持ち主です。とにかく食べることが大好きな夫婦でして、食に対しては家族はとても厳しいです。

ー髙橋さんのお仕事でもあるハーブはお父様の影響なんですね!

父が食品関連の仕事をしていたこともあり、庭にはハーブや数種類のバラが栽培されていました。雑草のようでしたので、あまり覚えておりませんが、ハーブは100種類くらいあったと思います。私のハーブ・バラ好きは父の影響でございます!

父はよく、料理に合うハーブを庭から採ってきて使ったり、私が体調をくずしたときはハーブを使って調合したハーブティーなどを飲ませてくれたりしました。

特にドイツなど、ハーブの文化が残っているヨーロッパの病院では日本のようにすぐ薬を出さず、「軽い風邪の症状ならレモンとカモミールを飲んでみて。それでも治らなかったら来てね〜!」という感じで、自然治癒の力を医療に取り入れているところもございました。医者の処方箋が必要なハーブ薬局などもありまして、セラピストの方はまるで魔女の宅急便に出てくる主人公のお母さんのようでしたよ。

幼少期のこうした様々な体験が、今の私の人生にも影響しているのではないかと存じます。

 

食物アレルギーで死を意識…生き方や考え方を変えたキッカケとは

ーはじめて日本に帰国されたときはどんな生活でしたか?

日本に来たのは14歳の頃、高校受験に向けて準備をするタイミングでした。帰国子女用の全寮制の塾に帰国後すぐに入塾し、泊まり込みで受験対策を行うなど、日本のペースに驚きました。

お勉強が忙しく、コンビニでご飯を買って食べる日が続くことも。また、帰国して一番の発見は、日本の女の子たちの体のスタイル!「細くてかわいい…」と驚きました。これまでヨーロッパで過ごした私と、日本の女の子たちの“キレイの基準値”が違うことに気付いてしまったんです。

ー思春期はどうしても周りの目や他人の体型が気になる時期がありますよね…

当時、私もとにかく細く綺麗になりたくて、知識もないため無理なダイエットをしていました。添加物いっぱいの0キロカロリー製品ばかり食べたり、そもそも何も食べなかったり…受験のストレスもある中、誤った食生活をしておりました。

するとある日、食物アレルギーが原因でアナフィラキシーショックを起こして意識を失いかけ、緊急搬送されてしまいまして…。その時、はじめて「死」を感じました。

その出来事をキッカケに、人生観が変わりました。Yout are what you eat=何を食べるのかによって自分は作られる。と強く実感しましたし、どう生きるのか?何のために生きるのか?を考えるようになりました。

ーその後、学生生活はどのように過ごしていましたか?

大学は慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(通称:慶應SFC)に入学しました。そこではデザイン思考を専攻していました。また、その後スタンフォード大学でも同様にデザイン思考やライフデザインについて学ばせてもらいました。

大学生活は非常に刺激的でした!周囲の友人が1人1人何かしらの課題感を持っていて、その課題に対してどう解決するのか?を真剣に考えていました。その影響で、私自身も「課題解決をするために何か行動したい!」「そのために起業するのも選択肢」と考えるように。

ー起業は学生時代にも意識されていたんですね!新卒時代はどう過ごしていましたか?

新卒では大手広告代理店に入社しました。広告代理店のお仕事では、様々な案件やクライアントさんを担当させていただきました。もともとの体の弱さからも、ハードワークの中ライフバランスがくずれてしまったり、身体の調子が良くないと感じても頑張ってお仕事を優先してしまうことが続く日々でした。

次第に身体と心のバランスを意識しながら働くことが人間にとって大切だと感じるようになり、3年ほど勤務してから辞職を決意し、様々な業界のベンチャー企業にて経験を積み、起業に踏み切りました。起業時は26歳でございました。

 

様々な出会いを繰り返し「本当に欲しいと思えるもの」を生み出した

ー髙橋さんが起業を決意したキッカケは?

アレルギーで死を意識した経験や、社会人になってから働き方・生き方を考え直した経験から、蓄積したものの結果だったかもしれません。自然な流れでした。

ゼロから何かはじめるなら、失敗するのも転ぶのも早いほうが良いと感じていましたので、20代のうちに起業しようと考えたんです。30歳になるまでに、何か1つは世の中のために価値のあるものを生み出していたいと感じていました。

それまでお金や経営の勉強など未経験ではございましたが、何事も経験してみよう!と最初は小さく目の前にあるものからスタートいたしました。

ー起業した直後は、まず何からスタートしましたか?

花とハーブを用いたフラワーアレンジメントの教室と、ハーブのカウンセリングを自由が丘のお部屋を借りてサロンとしてスタートしました。当時はまだオーガニック志向の人も少数だった日本で、見た目がちょっと地味なハーブが受け入れられる方法を考え、喜んで頂けそうなお花とコラボした企画を中心に提供差し上げました。

お花を飾る“丁寧な暮らし”の提案から、ハーブとお花で食べられるブーケを作ったり、料理やハーブティーなどに使ったり、ハーブの良さを体験して興味を持ってくださった方には個別カウンセリングを実施したりしました。

ーハーブを用いたカウンセリングって面白そう!どんな内容なのでしょうか?

カウンセリングは、その人がどのようなリズムで生活されているのか、何にストレスを感じ、悩んでいるのかなどをじっくりお聞きして、1人1人の「自分らしさ」を一緒に話し合って見つけていきました。

例えば、夜に眠れない方がいたとすると、安眠効果があるハーブをすぐ調合することは簡単ですが、それでは根本解決にはなっていません。人の身体は不思議で、ライフスタイルの歪みや心の悲鳴が限界に来ると身体に出てきてしまうんです。そのため、カウンセリングでは眠れない理由や悩みの根源を一緒に見つけ、対策を考えていくスタイルで実施しております。

ですが、カウンセリングはどうしても1人に1時間以上かかってしまう。「都会で生きる女性の人生をもっとバラ色にする」というビジョンを掲げて起業したのに、毎日3〜4人のカウンセリングを実施するのが限界でした。

そんなとき、「このままじゃ貴方が倒れちゃうよ。AIを使えば良いんだよ」と言って偶然手を差し伸べてくれたのが株式会社rosy tokyoのCTO・久保江さんでした。

ーハーブとAIが出会ったんですね!

彼はこれまでスーパーコンピューターを作ったり、AIに精通したデジタル領域のプロフェッショナルでした。久保江のデジタルの知見とノウハウを駆使して、私の知識をインプットしたAIを生み出したら、面白いのでは?ということで生み出されたのが「herbox」です。

IT×自然のものの融合という形で生まれた「herbox」は、7種類のハーブを組み合わせ、最適な提案をしてくれるアプリケーションです。このように、自然由来のものを中心にITと組み合わせたサービスを開発していくための会社を新たに立ち上げました。それが現在の「株式会社rosy tokyo」でございます。

プロダクトを構想段階から形にしていく過程の全てにおいてはじめての経験で、とても刺激的でした。最初は3ヶ月程度でできると簡単に見積もっておりましたが、結果的に半年くらいでローンチすることができました。

ー短期間でサービスローンチを実現した髙橋さんの、起業時の苦労話を教えてほしいです!

最もショックだったのは、約1年ほどかけて形にしてきた新しい企画であるウェルネスリトリートツアーが、コロナウイルスのパンデミックで白紙になってしまったことでした。

「herbox」の次のサービスとして打ち出す予定だった「ROSY Retreat」というものでした。身体と心をリフレッシュ・リセットさせ、人生も生まれ変わるというコンセプトで、バリ島やスリランカなどで贅沢に過ごせる“セルフケアのためのツアー”を考えていました。

あとボタン1つを押せば募集ページを公開できる!というタイミングでコロナウイルスが流行し、海外旅行も人が集まることも中止せざるを得ない状態に。また、その企画を新しいサービスの柱にしようとしていたので、実質の売上もほぼない状態で立ち止まってしまいました。

 

コロナ禍で新サービスを構想しつつ、東京・屋久島の2拠点生活へ!

ーそのショックから、どのように立ち直ったのでしょうか?

しばらくは落ち込んでおりました…。現在住んでいる屋久島で自然に癒されながらも、なかなか落ち込んだ気分が治りませんでした。「何でこんなにつらいんだろう?」と自分を見つめ直した際に、月経周期によるPMSからくる”心のゆらぎ”が原因だと気づいたんです。

私自身、毎月月経前にクヨクヨするPMSの傾向があり、それをカバーできるようにハーブティーを飲む習慣をつけております。そちらの経験から、もっと女性の心と身体の悩みに寄り添うもの、そして自分が欲しいと思うサービス提供したいと感じるようになり、新サービス「ROSY Week」を考えました。

リトリートツアーは、世の中の様子を見つつ、ホテルと協業しながらスタートしてまいります。

ー新サービスである「ROSY Week」はどのような内容ですか?

「ROSY Week」は、月経前〜月経期に嬉しいセルフケアアイテムを毎月お届けするサブスクリプションサービスです。お悩みに合わせたハーブティーを中心に、見るだけで心おどるバラの花束や、季節にあわせたアロマオイル、美容&ダイエットに嬉しいヘルシースイーツ等もご一緒にお届けする贅沢なセット内容となっております。

女性たちがセルフケアをしたり、自分にご褒美をあげる習慣=セルフラブできるような、まるごと自分を甘やかしてあげられるサービスになると思います!

現在はクラウドファウンディングにて先行会員様を募集をしておりますが、本当に私自身が欲しい物と愛を込めたサービスですので、早くPMSやホルモンバランスの揺らぎに悩む女性の皆様にお届けしたいと思います。

ー現在、東京と屋久島の2拠点生活とのことですが、なぜ屋久島に!?

最初はお仕事の都合で屋久島にお伺いし、数日後に東京に戻る予定でございました。ですが、ちょうどコロナウイルスで東京がロックダウンする恐れが…という時期でしたので、宿のお手伝いをする代わりに、宿泊させていただくという形で数ヶ月暮らすことになりました。

長期滞在になるので、賃貸のお部屋を探したこともあったのですが、屋久島内はあまり空きはなく、最適なお家がなかったことから、様々な議論を重ねた上で、現在は宿の敷地内にお家を作らせていただいています。

今後屋久島に長期滞在をするときはそこで過ごし、居ないときは家族や友人たちとシェアする新しいコンセプトでプロジェクトを立ち上げております。今ではその家を日本や世界各地に作れたら楽しそうだなと考えております。

ー起業や移住は勇気がいると思うのですが、髙橋さんが一歩踏み出せた理由は?

もちろん、私も最初からできたわけではございません。会社を辞めて起業をする際も、勇気を振り絞って震えながら、辞職を上司に相談したのをすごく覚えています。

ですが、辞めることをお伝えしたその日から、自分らしく生きよう!走り出してしまったので前に進むしかない!とポジティブなスイッチが入りました。

ただ、誰もが起業したり経営者になることがベストではないと思います。今の安定した生活を手放した後の生活や起業を悩むくらいの内容での起業でしたら、苦労に負けてしまうのでしないほうが良いと感じます。

何か解決したいことがあると思った先に経営者や起業という手段が出てくると思いますし、その道に進むことが幸せなのであれば、起業はオススメです!

ー最後に、髙橋さんの今後のビジョンを教えてほしいです

今後も、女性特有のお悩みに寄り添うサービスを考えており、心も身体も生き方も”自分らしく”輝ける女性を増やしたいという思いが強くございます。

私自身が普段の生活で心がけているのは、無理をしないこと。我慢しないこと。やりたいことはやれば良いですし、食べたいものは食べて、寝たいときは寝る!そうやって自分自身のやりたいことに素直に、自分の心にご褒美をあげながら、自然体で暮らせるのが本当の幸せでもあり、サステナブルな生き方なのだと信じております。

些細なことでも頑張ったご自分を「よしよし」「愛しているよ」とたくさん褒めてあげて頂きたいですし、頑張る女性にとってrosy tokyoのサービスが最高のご褒美になるよう努力を重ねていきたいと思います。

ー素敵なメッセージ、ありがとうございました。

 

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取材:えるも(Twitter
執筆:MOE
デザイン:五十嵐有沙(Twitter