野球一筋から教育へ。誰もが夢を追い続けられる世界を創る NowDo・ビジネスマネージャー津田将信さん

色々なキャリアの人たちが集まって、これまでのキャリアや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。今回のゲストは、本田圭佑氏がCEOを務める、NowDo株式会社でサービスマネージャーとして活躍する津田将信(つだ・まさのぶ)さんです。

プロ野球選手になりたいという夢を持ち小学校から野球に打ち込んだ津田さんですが、辛い指導から野球を楽しめなくなってしまいます。中学、高校と進学する中で改めて野球に触れ、自分で考えることの重要性や正しい指導法の存在に気付き、教育に興味を持ち始めます。

野球一筋から、どのように本田圭佑と出会い、ビジネスで教育を変えることを志すようになったのか。津田さんの過去に迫りました。

 

本田圭佑との出会い

ー 本日はよろしくお願いします!まずは簡単に自己紹介をお願いします。

改めまして、津田将信と申します。今は本田圭佑がCEOを務める会社、NowDo株式会社でサービスマネージャーをしています。

現在メインで運営しているのは、中高生が月額1ドルで社会人のライブ講義を好きなだけ聴くことができるオンラインスクールです。社会で活躍されている社会人の方を「プロフェッショナル」と呼ばせていただいていて、これまでの人生であったり、ここでしか聞けない本音の話をしていただき、チャットでディスカッションを行うインタラクティブなオンラインスクールです。プロフェッショナルによっては1時間も話ができるかと不安がられる方もいらっしゃるんですが、参加者と一緒にの本音を聞き出していくことを目的に講義を行なっているので、中高生の熱量も非常に高く、質問が終わらず延長することも度々ありますね。

ー 普段伺えないようなことが気軽に伺えるというサービスはかなり良い影響を受けられますね。サービスマネージャーとはどのような職種になるのでしょうか。

ユーザーエンゲージメントの向上からプロダクト価値の模索、UX設計など業務範囲は多岐にわたっていますね。毎日行うライブ講義のコンテンツ企画から司会などのオペレーション、SNS運用やマーケティングメッセージを考えるなどのマーケティング業務、ユーザーインタビューなども行なっています。

サービスのクオリティを高く保つため、ユーザーと一番近いところでプロダクト改善をずっと考えている職種になるかと思います。

ー本田圭佑さん、NowDo株式会社とはどのように出会ったのでしょうか。

ブラジルワールドカップやロシアワールドカップなどの影響で様々なメディアで本田が取り上げられていた頃からファンでした。

最初は僕も一選手として興味をもち、日本代表戦などを見るようになったんですが、ACミランで10番を背負いながらも、起業家としてサッカークラブを開いていることを知ったんです。
彼の言動をみていくうちに生き方や考え方にとても共感して、彼が運営するメールマガジンにも登録をしました。本田はOneTokyoというサッカークラブの発起人でもあるんですが、当時メールマガジン内のコミュニティでサポーターと作るサッカークラブの構想がシェアされ、興味がある人を募集していたんです。そこに興味があると手をあげたところ、本人から連絡がきて、コンタクトを取るようになったのが本田との出会いですね。

 

指導法の違いから、自分で考え、意思決定することの重要性を学ぶ

 

ー 当時サッカー選手と起業家を両立される姿は本当に新しかったですよね。ここからは少し時間を遡って津田さんの幼少期について伺いたいのですが、野球に熱中されていたようですね。

そうなんです。僕は小学校1年生の頃から野球が好きで、野球チームにも所属をしていました。ただ所属していた野球チームの練習が非常に厳しくて・・・。朝8時から夜8時まで練習をしたり、小学生ながら何キロも走り込む練習があったりと、根性論の指導をする野球チームだったので、だんだんと野球が楽しめなくなってしまいました。
言われたことをひたすら守っていたのですが、コーチによって言うことや感覚が違ったんですね。いろんな意見に対し、全て真面目に取り組もうとしたことで、野球の技術がよくわからなくなってしまい、言われたことだけをそのままやり続けることに対して、疑問を感じるようになりました。

結局体調にも支障をきたし、その野球チームは6年生の頭くらいにやめることになります。中学に入るまでは父親とキャッチボールをしたり、バッティングセンターに通ったりしたのですが、やはり改めて野球は好きだなと思い、中学では学校の軟式野球部に所属をしました。

中学の軟式野球部ではキャプテンをするようになり、練習メニューなどを任せてもらいました。そこで初めて本当に大事な練習は何なのか、自分の体の状態はどうなのか、など自分で色々調べ始めるようになり、言われるだけの指導法でなく、自分で考えることの重要性を感じましたね。一方で参考文献によって言っていることが異なったりもするので、自分で考えることの難しさも学びました。

ーなるほど・・・。中学で野球に打ち込まれていたときはメンターのような方もいらっしゃったのでしょうか。

中学3年生の頃に、部活とは別に野球塾に行く機会があり、そこでプロの方に指導をしていただいたのですが、その経験が非常に衝撃的でした。自分が今まで何ヶ月も悩んでいた課題がたった30分で解決するんです。
例えば自分一人で練習をしていると、腕や手や肩だけプロ野球選手の動きを真似してしまいますよね。でも骨盤の動きを修正する必要があると指導をしてもらったところ、プレー全体が変わったんです。
本質が見えているというのはこういうことか、と衝撃を受けたと同時に、人生経験や野球経験を先に積まれている方の意見の重要さを知り、教育に進みたいと思ったきっかけにもなりました。

さらにプロの指導者に教えてもらったことで、正しいトレーニングや正しい指導法があるのだと思い、スポーツ系の大学に進学したいという夢を持つようにもなりました。高校3年間も野球をしていたのですが、甲子園を目指しながら正しい指導法にも着目し、自分の能力をあげることに注力をしていました。

高校では中学よりもさらに練習が個人の裁量に任されるようになったのですが、僕は高校生のトレーニングのレベルが分からなかったので、3年生の先輩の練習にひたすらついていきました。自分の知識レベルでは分からないこと、知らないことがあるという前提で、自分より経験のある先輩の真似をする方が良いと思ったんです。先輩の真似をした上で、自分に合うか合わないかを判断し、練習メニューを組んでいきました。
完全に自由という環境を貰えたからこそ、自分で考えたり、自分で考えられないところは経験を積んでいる人の真似をする、というのが習慣づきましたね。

今でもロールモデルを探すことは習慣化しています。様々な領域に置いてロールモデルを探し、自分の基準をあげるようにしているんです。ただ、意思決定の場面では誰かの真似をするだけではなく、自分自身で選択することを重要視しています。自分の納得感が非常に大事ですし、自分自身が納得していないと、そのあとの行動にも身が入りませんから。自分よがりになるというではなく、誰の意見を聞くか、ということ自体、自分で意思決定をして納得感を持つことが重要だと感じています。

ー その後どのような大学生活を送られたのでしょうか

スポーツ系の大学では受験に実技が必要なのですが、技術が足りず結局落ちてしまいました。ただ、そこでスポーツと関連して教育をもっと良くする選択肢が他にもあるのではないかと思いだしたんです。自分と同じように苦しんでいる子供をより多く救うにはビジネスという手段もあるのではないかと、次の年は経済学部などを中心に受け、ビジネスを学ぶことができる学部に進学をしました。

大学に進学してからは、自分の志をビジネスに落とし込む活動をするようになるのですが、きっかけになったのは東京で開催されていたインターンでした。

僕は当時、郊外の大学に通っていたのですが、インターンで多くの東京の学生に出会い、自分との見ている世界の違いに愕然としたんです。僕が見ていた世界は、自分が考える中で思いつくものでしかなく、自分の夢を成し遂げるためにはもっと外を見なければならないと感じました。そこからは東京に行ったり、セミナーにオンラインで参加させてもらったりすることも増え、自分の中での基準が上がりました。

大学後半からは「教育を変える」という夢を実現する一手段として、自分で事業を作ることも検討したのですが、ビジネスの基礎も知らないですし、自分の実力も分からなかったので、自分の力を最大限試せるところに入るため、新卒でコンサルティング会社に入社をしました。

入社した企業は世界中に支社があり、海外とのやりとりも頻繁にある企業だったため、ビジネスが大きく動くところに携われている感覚もありましたし、楽しかったのですが、自分のやりたいと思っていたことはできず、転職をしました。

2社目は大学時代にメンターをしてくださっていた方が経営するベンチャー企業に入社をし、自分の原体験となっている子供向けの習い事教室を立ち上げました。
実際に入ってみると、コンサルティング企業で学んだことをアンラーニングすることが課題でした。コンサルではデータを用い、論理的に考えることが必要とされるのですが、新しい事業には正解がないですよね。それよりも何がしたいか、周りが納得感を持って進められるか、目の前のユーザーは何を求めているかが重要だと思うのですが、どうしてもコンサル的な考え方を捨てるのが難しくて、最初の数ヶ月は全くバリューを出せていませんでした。意思決定のスピードの違いにも悩まされましたね。

(世界中の)誰もが夢を追い続けられる世界を創る

ー 当時やりがいのある事業をされていたと思うのですが、そこからNowDoにジョインしたきっかけはなんだったのでしょうか

自分で事業を作る中ででより多くの人に届けたいなと思ったこと、そして楽しく上達するのはスポーツだけにこだわらないと思ったことがきっかけですね

NowDoは「(世界中の)誰もが夢を追い続けられる世界を創る」をビジョンにしているんですが、この言葉を聞いたときにとても腹落ちしたんです。自分の中ではそれがまだ明確に言語化できていなかったのですが、この一言に自分のやりたいことが詰まっていると感じました。いろいろなことをやってきましたが、NowDoが目指すところと僕が目指すところが一緒だと感じたため、入社するしかないと思いました。

ー 段階を経て自分の志を磨きつつ、いろんなチャンスを掴んでおられたんですね。今後必要とされる教育、指導はどんなものでしょうか。

最近では詰め込みがダメだとか、学校が今の時代に合っていないとか様々な意見があると思うのですが、僕自身はあまりそこに対してネガティブなイメージは持っていません。今の教育がダメだから新しい教育が必要、という風には思っていないんです。

ただ、この教育をより良くしていくためには個人にフォーカスされるべきだと感じています。自分の目指したいところに対して、自ら考えながら進んでいけるような力を教育の中で磨くことが大事かなと思いますね。

NowDoでもプロフェッショナルの講義が聴き放題で合ったり、無料で入れる同世代のコミュニティがあったりと、自発的に成長していけるような環境を用意しています。今はいろいろな情報があふれていますから、その中で自分の力で成長していく環境をどんどん与えることが必要だと思いますね。

ー 今後ご自身としてどんな環境でどんなことをなさるのか、展望を教えてください。

NowDoのビジョンを体現するためにやれることは全部やります!NowDoでは目指したい姿から、それを成し遂げるためには何をしたら良いかを0ベースで考えるので、普通の人なら考えない目標を立てるんです。まずNowDoの目標を達成し、ビジョンを達成することに注力していくことが自分のやるべきことかなと思います。

NowDoにはトップがたくさんいますが、自分自身の影響力やスキルも上げていきたいと思っています。

ー本日はありがとうございました!これからの津田さんを応援しています!

ユニークな価値観を持つ29歳以下の世代(U-29世代)のためのコミュニティ「ユニーク大学」を運営中。29歳以下ならどなたでも無料で参加できます。

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取材:山崎貴大(Twitter
写真:津田さんご提供
執筆:うえのるいーず(Twitter
デザイナー:五十嵐有沙(Twitter